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話題のアイソン彗星を撮影しよう!

プロが教える!星空の撮影テクニック!第三回 ビクセン 話題のアイソン彗星を撮影しよう!

2013年11月上旬から12月上旬にかけて太陽に非常近い距離まで接近すること が予想される、アイソン彗星の特徴と撮影のポイントについてご紹介いたします。
第1回 デジタルカメラで星空を撮ってみよう! 第2回 星空雲台ポラリエを使った“追尾”撮影方法

彗星とは

彗星とは、別名「ほうき星」とも呼ばれており、氷や砂粒がぎゅっと固まった物質だと判明しています。彗星は、私たちが住む太陽系からはるか遠くにある「オールトの雲」というところから、太陽の強大な引力の影響を受けて太陽に近づいてくるとわかっていますが、その全貌は明らかになっていません。彗星の大きさは多種多様で、直径が数mのものから、60kmくらいのものまであります。

彗星は太陽に近づいてくる過程の中で、徐々に含有物が溶け出していき、それが彗星の特徴である尾(テイル)を形成します。つまり、溶け出す物質が多ければ多いほど、そして太陽に近づく距離が近ければ近いほど、彗星は明るく輝くことができます。
彗星の特徴である尾は、写真を見ると2本あるのがわかります。青白く輝く尾は「イオンテイル」と呼ばれており、ガス状に噴出したものを指します。一方、茶色に輝く尾は「ダストテイル」と呼ばれており、主に塵を主成分とする尾のことを指します。この2本の尾は太陽風の影響を受けて出現するため、太陽風が吹く方向とは反対方向に見ることができます。

また、尾以外の特徴としては、彗星の中心部分を覆うコマ(大気)があります。太陽風の影響を受けると、含有物が溶け出し、徐々に彗星の周りをコマと呼ばれる大気が覆っていきます。天体望遠鏡を用いれば、このコマの様子を捉えることができます。 彗星は名前が似ているため流星と混同されやすいですが、その特徴は大きく違います。まず観測できる期間が大きく違うのが特徴で、流星は夜空を横切るその一瞬しか見ることができないのに対し、彗星は太陽に近づいてきて、離れていく過程を観測することができるため、長期間観測することができます。その期間は短いもので1ヶ月程度、長いものだと半年ほどだと言われています。

ハレー彗星
ハレー彗星
撮影:加藤保美
ハレー彗星の核の直径はおおよそ8km程度だと言われています。

ヘールボップ画像
ヘールボップ彗星
撮影:加藤保美

アイソン彗星とは

アイソン彗星とは11月から北半球で観測することができる彗星のことを指します。発見されたのは今年の9月で、国際科学工学ネットワーク(International Scientific Optical Network)の望遠鏡を使ってはじめて観測されました。アイソンという名前はその頭文字をとって名付けられました。

アイソン彗星の中心部分の直径はおおよそ5kmと、そこまで大きくはありません。ではなぜ「世紀の天文現象」と呼ばれているのでしょうか。それは、アイソン彗星が太陽に非常に近づく「サングレーザー」と呼ばれる種類に属するためです。歴代の彗星で明るくなったものの多くが、このサングレーザーに所属しています。太陽に近づくことで、彗星自体が消滅してしまう危険性も当然大きくなりますが、それに耐えることができれば、一際明るく輝いてくれることでしょう。

パンスターズ彗星
2013年3月、世間を賑わせたパンスターズ彗星
撮影:北山輝泰

星空雲台 ポラリエ
太陽に向かっていく彗星「サングレーザー」
撮影の際、太陽は遮光板(中央の赤い円)で覆われていて、白い円で太陽の大きさと位置を示しています。
©The European Space Agency and NASA

アイソン彗星の観測時期ですが、大きく3つに分けることができます。

①11月上旬~中旬まで
11月上旬は明け方の東の空に注目するようにしましょう。午前2時頃から東の低空で尾を伴った星が輝いていたら、それがアイソン彗星です。この頃のアイソン彗星の明るさはまだ7等台と予想されているため、肉眼での観測は困難だと言えます。そのため観測には双眼鏡や天体望遠鏡を使うようにしましょう

②11月中旬から12月上旬まで
11月中旬以降になると、徐々に明るさと高度が増していきます。11月15日の午前5時頃には、明るさは3等台、高さはおおよそ20°になるため、観測がしやすくなります。ぜひ肉眼での観測にも挑戦してみましょう。11月29日、近日点(太陽に最も近づく日)を迎える頃は、太陽の明かりの影響を直接受けるため、観測は非常に困難ですが、彗星の明るさ次第では、昼間の空でも観測することができるかもしれません。12月上旬もまだ太陽の明るさの影響を受けるため観測がしづらい日が続きますが、引き続き明け方の東の空に注目しましょう。

③12月上旬~12月末まで
12月上旬から中旬にかけては夕方の空で観測することができるようになります。しかし、観測できるのは彗星の尾の部分のみで、全体像は見ることができません。12月末頃は、明るさは5等級前後とだいぶ暗くなりますが、一晩中観測することができるようになります。夕方の西の空を中心に観測するようにしましょう。

11月6日から12月19日までのアイソン彗星の軌道予想
11月6日から12月19日までのアイソン彗星の軌道予想

池谷・張彗星 撮影:加藤保美
池谷・張彗星
撮影:加藤保美

パンスターズ彗星 撮影:北山輝泰
パンスターズ彗星
撮影:北山輝泰

アイソン彗星を観測する上で大事なのは、方角、高度、時間を把握することです。株式会社ビクセンからは、アイソン彗星用の無料アプリ「Comet Book」なども出ていますので、観測の前に事前に情報を整理しておきましょう。

また、星空雲台ポラリエを使って、星を追尾しながら複数枚撮影をした場合、同じ星空が写った写真を何カットも撮ることができます。そのカットの中で、流星が写ったカットのみを比較明合成することにより、写真一枚に多くの流星が写った「流星雨」の写真を作ることができます。

Comet Book
Comet Book(無料)
アイソン彗星の位置を日時指定して調べることのできるアプリです。


Android app on Google Play
対応機種:iPhone3GS~iPhone5、iPod touch(第3世代~第5世代)、
およびiPadに対応。ただしiPhone 5用に最適化済みiOS6.0以降が必要。
Android版はVer2.2以上。
※iPhone、iPod touch、iPadは、Apple inc.の商標です。

アイソン彗星を撮影しよう

観望の準備ができたら、今度は撮影にも挑戦してみましょう。アイソン彗星を撮影するのには特別な機材は必要なく、カメラと三脚と手ブレ防止用のレリーズがあればどなたでも撮影を行うことができます。
露出の設定は星空の撮影方法とほぼ同じです。星空を撮影するための露出設定については、第一回のコラムをご参照ください。

11月上旬は、夜明け前の空に昇るため、夜のうちにライブビューモードを使い星空にピントを合わせておきましょう。あとはアイソン彗星が登ってくる方角にカメラを向けてシャッターを切るだけです。

アイソン彗星は太陽に非常に近づくため、とても長い尾が伸びることが予想されています。広角レンズ~標準レンズ程度の画角で彗星の尾の全体を入れた構図や、望遠レンズを使い彗星だけの写真を撮影したりなど、いろいろな撮影に挑戦してみましょう。 長時間露光をすると日周運動の影響を受けて、星は線像になります。同時に、彗星も一晩の間にちょっとずつ位置を変えるため、長時間露光をすると中心部分は線像となってしまいます。 ビクセンのポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエ」を用いれば、長時間露光をしても星と彗星を点像で撮影することができます。彗星のコマの部分などを流さず撮影したい時は、ぜひポラリエを活用しましょう。

今回のアイソン彗星は、11月上旬から12月上旬までの間、東の空の低空で見られることから、撮影場所選びが重要になってきます。東側が開けている高台などで、地平線まで見渡せるところを探しましょう。また12月末頃は、西の空低くで見ることができるため、西側が開けている場所を探しましょう。

アイソン彗星の撮影におすすめの便利なオプションパーツ

コンパス、水準器、傾斜計がひとつになった便利な商品。彗星キャッチャーをカメラのアクセサリーシューに取り付け、付属のアイソン彗星ガイド表を見ながらカメラ位置を調整することで、おおよそアイソン彗星の方向にカメラを向けることができます。 詳しくはビクセンのホームページをご覧ください。

彗星キャッチャー

"アイソン彗星"の撮影を助けるアイテム。高度・方位を合わせて簡単に彗星を探せる「彗星キャッチャー」

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