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沖縄・池間島 漁師親子の海人(いんしゃ)日記

 

2007年06月

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サンゴは死んでも海人の役に立つ

2007年06月29日 11:00 テーマ [ 漁の話 ]

サンゴが生きている海には小魚がたくさん集まり、それを狙う大きい魚も寄ってきます。
シャコ貝やサザエなども生息し、海人にはとてもありがたい漁場です。
さらにサンゴは死んでもぼくたちの役に立っているんだよ。
前回、石巻落とし漁法の説明をしましたが、あのときに使った石は、実は死んだサンゴ。死んだサンゴは波や砂に洗われ、回りのやわらかい部分、ゴツゴツした部分が削られ、硬く重い石のようになります。池間島は山がなく石がないので、船長たちはサンゴのおかげで石巻落とし漁ができるんだよ。
船長は海が時化(しけ)たり漁に出ないときは、海辺で漁にほどよいサンゴの石を探しています。

実はこの日、浅瀬でカメラを落としました。まずいっ!と一瞬思ったのだけれど、すぐにほっと一安心。μ770SWは水中でも大丈夫なんだね。

これがサンゴの石



これがよさそうだなぁ




石巻落とし漁法

2007年06月28日 11:00 テーマ [ 漁の話 ]

池間島海人の9割が行っている漁法が、石巻落とし漁法です。普通釣りにはおもりは必須ですが、このおもりを石に変えた方法です。
手ごろな大きさの石にエサの魚をつけた釣り針を巻きつけ、海の中へ投げ落とします。石で釣り針を深海まで運び、仕掛けがポイントに届いたら釣り糸を強くひっぱって、石を糸からはずすんだよ。
おもりの負荷がないから、糸にかかる負担がなく、大物を釣り上げやすい、非常に頭のいい漁法です。

この漁法が池間島に伝わったのは、約90年前。九州から伝わったそうです。
船長の家内のおじいが最初に池間島ではじめたそうだよ。この石の話は次回にするね。


小さめのグルクンがエサ


今日は2つの石で挟み込みました


釣竿は使わない。魚の反応に敏感になるため




池間島のロープ浜

2007年06月27日 11:00 テーマ [ 池間島の話 ]

今日おもしろいことがありました。
船長の大和(本土)の友達が遊びに来て「池間島の北に、急な斜面をロープで降りたところにビーチがあって、サンゴがすごいきれいだった」だって。
実はこのロープは船長が設置したもの。時化(しけ)たり漁に出ないときにこの浜のサンゴ礁で、モリ漁や貝拾いをしていたんだけど、降りるのがたいへんなのでロープを設置したんだよ。
もともとは「カギンミヒダ」(美しい海辺)と呼ばれていたんだけど、いつのまにか島の子供たちが「ロープ浜」って呼んでいました。
池間島に遊びに来たら、シュノーケル道具を手に探してみてね。美しいサンゴ礁とカラフルな魚たちを楽しめるよ。

このロープにすがりながらビーチへ



海の中は美しいサンゴ礁だよ




出港前は海神に祈る

2007年06月26日 11:00 テーマ [ 漁の話 ]

出港前は海の神様と船の神様にお祈りします。大漁祈願と安全祈願をするんだね。
泡盛を海と船上の神棚に供えます。これは出港毎に欠かさずに行います。
漁のポイントに着いたら龍宮の神様にも泡盛を供えお祈りして、さぁ、漁のはじまりです。
このお祈りを欠かさないできたから、船長は今まで大きな事故に遭わず、海人として暮らすことができたのでしょう。

船神様はスナカギ、アパラギ、ミドゥン(美しい女性)だから、昔は女性1人を船に乗せることはなかったんだよ。船神様が焼きもち焼くからね。
でも船長の船神様はものすごく美人さんだから、並みの美人が乗っても動じないさぁ。

港の近くにある大主神社に泡盛を供え祈願



船神様にも大漁と無事を祈願




釣った魚はどこへ行く?

2007年06月25日 11:00 テーマ [ 漁の話 ]

ぼくたち池間島の海人(いんしゃ)が釣った魚は、ほとんどが宮古島内で消費されます。
まず釣った魚は宮古島の平良漁港に集まって、セリ落とされます。これが難しいんですよ。
釣ればいいってものじゃない。消費量によって魚の値は上下するから、セリの様子で消費動向を考えながら漁に出るのです。

例えば観光客の多い時期は消費量が上がるので、どんどん釣りに出る。正月や入学、入社といっためでたい時期は、めでたい時期に人気のある魚が高値になるからその魚を狙う。
前日のセリで多く出回ったために値が下がった魚は避ける、などなど。
いい海人(いんしゃ)というのは、そういう駆け引きをするんだね。みんなも海人(いんしゃ)のために、たくさん魚を食べるんだよー。

セリは朝8時から。ここでは海人(いんしゃ)の情報交換も




セリに持ち込まれた魚は、すべてその重さを計ります




今年もハーリー(海神祭)の日がやってきた!

2007年06月22日 11:00 テーマ [ 池間島の話 ]

みなさん、ハーリーを知っていますか? 
ハーリーとは旧暦の5月4日に行われる、海の神様に日ごろの海の恵みへの感謝と大漁祈願、安全を願う沖縄の大事なお祭りです。
ニュースや雑誌などで、沖縄の人々がサバニを繰って海上で競争する姿を見たことがないですか? 
明治28年に始まった池間島の島民総出の大イベント、伝統行事ハーリーも、今年で120回を迎えます。
旧暦の5月4日は南風がやや強く、季節風が必ず吹く季節で、池間島ではこの季節風が順調に吹かない年は、大きな台風や干ばつなど、自然災害が起こると伝えられています。
船長の長年の経験を振り返ると、実際に8割がたはその言い伝えは当たっているね。

ハーリーの日の朝は、漁船のすべてが持っている大漁旗を全部掲げて、島の守り神である大主(ななむい)の神様と、大漁の神、殿加那須(とうぬがなす)の神々にお神酒を供えます。

これが船長の船、吉進丸の大漁旗。沖に向かって前進中


大漁旗を掲げて、集落の近くの海をパレードするかのように全速力で船を走らせます。
その後、漁港においてみんなで今年の豊漁を祈願して、備えたお神酒やご馳走を飲み食べ交わします。そして、島民は水浜(ミジュンマ)に集まり、8時半ごろから海神祭のすべての行事が始まります。

島を、東、中、西の3つに分け、すべての競技を競い合います。
まずは競技を始める前に、青年会が、お神酒を島の守り神である大主の神様に供えて大漁を祈りながらサバニを漕ぎます。そして、競技のはじまりです。

女性のレースもありますよ。
後ろのほうにいる黄色い服を着ているのは息子の満也、船の最後方に座るのは船長の奥さんです。
このときはカメラマンを交代したよ


今でこそ珍しくありませんが、実は女性がハーリーに参加するのは、池間島が最初なんですよ。
30年ほど昔からです。池間島の女性はみんな、すごいでしょ。池間島では中学生の女の子も、男の子に交じって逞しく船を漕ぎますよ。
陸では仲間の船に声援を贈る島民で埋め尽くされます。

一生懸命漕いでいるでしょう?
船長は応援のし過ぎで、声が嗄れちゃったよ


今年は雲が多くちょっと残念ですが、この日ばかりは静かな池間島もにぎやかです。
年に一度の島の大切なお祭り。ぜひ来年は写真ではなく、島まで見にきてくださいね。

島のみんながハーリーを見守っています。
だから120回も続けられたんだねぇ




船長の船は、「吉進丸」

2007年06月21日 11:00 テーマ [ 海の話 ]

船長はね、昭和46年に3.5トンの船を購入するまで、サバニを操っていました。
サバニというのは木造のくり船のこと。沖縄のお祭り、ハーリーというのは知っているかな?
底がすぼまったような、太い大木を繰り抜いたような船で、速さを競うでしょ。サバニとはあの船のこと。

これがサバニ。沖縄のお祭りで見たことあるでしょ?


船長が乗っていたのはさすがにエンジン付きだったけど、狭いから冷蔵庫や冷凍庫を置けません。だから、ある程度魚が釣れると港に持って帰らなくてはならなかったんですよ。
宮古の太陽じゃ、魚が腐っちゃうからね。
あのころは港に魚を置いて、すぐさま沖に向かっていたなぁ。

昭和46年に購入した船が「第一吉進丸」。ぼくのご先祖様はみんな名前に「吉」が付いたから、その「吉」とぼくの名前をとって「吉進丸」。

3.5トンの「第一吉進丸」。今は別の海人(いんしゃ)のものに


そして、昭和57年に今も活躍している13トンの「第三吉進丸」を購入しました。
これなら冷蔵庫、冷凍庫が備えられるから、夜通し漁に出られます。
2隻目だけど「第三吉進丸」なのは、「二」は縁起が悪いから。やまとんちゅ(沖縄以外の出身の人)もそうでしょ?

これが今の「第三吉進丸」。カツオ漁でも大活躍さぁ



池間島の宝、日本最大級のサンゴ礁、八重干瀬(ヤビジ)

2007年06月20日 11:00 テーマ [ 海の話 ]

池間島の北方の沖合い5ー10キロに位置する大小100を越すサンゴ礁からなる広大なリーフ、それが八重干瀬(ヤビジ)です。南北約10キロ、東西約6.5キロ、周囲約25キロに広がり、大潮の干潮時には、海の中にいるはずのサンゴ礁が海上に浮上します。
池間島の海人(いんしゃ)にとって、その神秘的な姿はもちろんのこと、その存在自体がなくてはならないものです。

八重干瀬は栄養たっぷりの黒潮の流れに位置するため、魚介類の宝庫なのです。カツオ漁のエサになるミナミキビナゴやグルクンといった魚のほか、サザエやシャコ貝、タコなど、島民の栄養源、収入源がたくさん住んでいるんですよ。
島には「八重干瀬には足を向けて寝てはいけない」という言葉があるくらい敬っています。近年、干満の差が激しい旧暦の3月3日ごろには観光用の船も出ているので、一度はこの池間島の宝を見てほしいね。

八重干瀬のサンゴ。サンゴは海上に出て空気にふれると、茶色く変色するんだよ



池間島の海人(いんしゃ)

2007年06月19日 11:00 テーマ [ 池間島の話 ]

沖縄の漁師は「うみんちゅ」と呼ばれている、なんて思っている人がいますが、それは間違い。島によって方言が違うのです。池間島では「海人」と書いて「いんしゃ」と読みます。だから、船長を見かけたら「いんしゃ」と呼んでくださいね。
今現在、池間島は700ー800人が暮らしていて、うち半分がなんと60歳以上。ほとんどの島民は漁業関係に従事しています。池間島といえば、カツオ漁と石巻落とし一本釣り漁が有名だけど、いちばんの特長はひとつの漁にこわだらない点。カツオ漁、石巻落とし一本釣り漁だけでなく、イカ釣り漁、追い込み漁、素潜り漁、海が時化たときは八重干瀬や磯でのモリ漁、手づかみ漁などなど。池間島の海人(いんしゃ)その日の状況において、柔軟に漁法を替えるんです。

今日は船長の友達が遊びにきてくれました。一緒にグルクン釣りに行ってきたよ。もちろん大漁!



これが沖縄の県魚、グルクンです。揚げても焼いてもうまいよー。



池間島を知っていますか?

2007年06月18日 11:00 テーマ [ 池間島の話 ]

みなさん、じゃおからまいんな(元気ですか)? 
これから3ヵ月間、このブログで池間島の漁師の生活をお届けする伊良波進です。文章はぼくが、写真は息子の満也が担当します。もし池間島で出会ったら、「船長」と声をかけてくださいね。

さて、みなさんは池間島をご存知ですか?
池間島とは、沖縄・宮古島の北に位置する、約1.5キロの橋でつながった馬蹄型の島です
。面積は2.77平方キロメートル、一周9キロと小さい島ですが、漁業の盛んな島として知られています。この小さな島には、たくさんの宝があるんだよ。なかでも自慢は八重干瀬(ヤビジ)と呼ばれるサンゴ礁。

宮古島の西平安名崎から眺めた池間島。漁師は船から見える島の形で、自分たちの位置を知るさぁ


これから、オリンパスのμ770SWで撮影した写真で、サンゴや魚の話をお届けしますね。
楽しみにしていてくださいね。

海で写真を撮った後、そのままカメラを洗えるのは便利だね!


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