池間海人33人、奇跡の生還!
風のない晴れた日に陸から見る海は、美しく広大です。でも、海は時には怖い存在になります。
船長が小学校四年生のとき、小学校一年生の子が溺れる事故がありました。たまたま側で友達と泳いでいた船長は、水深6メートルほどを潜ってその子を助け、人命救助をしたと当時の県知事さんから表彰状をもらいました。同時に金一封があり、折り目のない紙幣を手にとったときは、うれしかったなぁ。
昭和25年、当時24歳の船長は父親の経営するカツオ漁船、大本丸に乗り組み、33人の船員とともにカツオ漁に出ました。その日は台風が近付いていて、時間が経つにつれ、波が高くなっていきます。
年配の海人たちは「そろそろ引き返そう」と助言したのですが、釣果に納得していない若い海人たちは「まだまだ」と年配海人たちの言葉を聞き入れませんでした。
そして、年配海人の恐れていた通り、風雨はだんだんと強まり、波はとうとう50メートルにもなり、船はグルグルグルと木の葉のように3回転させて15トンの大本丸は沈没してしまったのです。
風速70メートルの台風の海に投げ出されては、どんなに泳ぎが上手でも、呼吸すら大変です。船長の周囲では、仲間が恐怖を顔に貼り付けながら海に浮いていました。
池間島の海人はこれまで大きな事故を起こしたことがありません。それは、これからも起こしてはいけないということなのです。
口を開けると海水が入ってきますから、みんな互いに目で励ましあいながら1時間ほど海に浮いていました。ふと風が止みました。台風の目に入ったんですね。それからさらに1時間半ほど経ったころ、池間の漁港で最も大きいカツオ漁船がやってきて、船長たち33人は、全員無事に保護されました。
船長たちが奇跡的に助かったのは、池間海人は常に海の竜宮の神様を敬っているからだと思っています。
海はやさしくも怖いものです。みなさんも海で遊ぶ時は、十分気をつけてくださいね。
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穏やかな海を見ていると、あの日のことが夢のようです

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