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Earth Color カナダ・ユーコンのオーロラを撮る


Vol.11 行ってきましたオーロラ撮影ツアー!(その2)


2010年03月10日 11:00 テーマ [ 野生動物 ]

ユーコンの野生動物にふれる!

ゆっくりとブランチをとりホワイトホースへ、郊外にあるユーコン野生動物保護区 (Yukon Wildlife Preserve)と市内観光が3日目のプログラムだ。


ユーコンの冬はオーロラだけじゃない。ユーコンの大自然全てが素晴らしい被写体になる。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ユーコン野生動物保護区は700エーカーの広大な土地に、ユーコンに住むカリブー、エルク、マウンテンゴート、ムース、ミュールディア、ジャコウウシ、バッファロー、ホーンシープ、北極地リス、カナダリンクスなどの貴重な動物が飼育されている。
傷ついた野生動物を保護し完治後野生に戻すプログラムだったが、現在は教育観光施設として運営されている。

ユーコンをドライブ中、野生動物に偶然出会うことはあるが、いざ見ようとすると簡単ではない。しかし野生動物保護区に行けば、身近に、そして確実に出会うことができる。飼育される環境も、本来の住環境に近い環境がそれぞれ提供されているので、野生に近い姿を観察できる。



ユーコンに生息する動物たちが、本来住むべき環境に近い環境で大事に育てられている。12月に雪原を捜してやっと撮影したカリブーもこの通り、毛並みが綺麗で良く肥えているのが唯一の違いか?
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

本来は近寄ることができない野生動物を、ごく身近に感じカメラに収めることができる。写真はミュールディアの子ども。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

探し続けたジャコウウシも、至近距離で撮影できる。柵などの人工物が入らないようチャンスを待ってシャッターを切るのが、野生っぽく撮影するコツだ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

野生動物に興味が湧けば、彼らを探して荒野に出る旅が始まる。最初のワンステップとしては、とっても便利な施設なのだ。

僕はここ数年、ジャコウウシを求めてユーコンの荒野を彷徨ってきたが、こんなに簡単にジャコウウシに出会えるとは!(野生のジャコウウシを是非とも撮影したいというモチベーションも高まった!)

ユーコン野生動物保護区では、予定時間を超過して撮影に熱中。あくまで予定は予定、臨機応変に時間を楽しむことが撮影ツアーでは大切だ。その後、市内に戻りバッファロー肉のハンバーグで軽く腹ごしらえ、先ほどみたバッファローが目の前に・・・不思議な気持ちを味わった。

この晩は曇天、時折静かに雪が舞い落ちる。遠くの空にはオーロラの輝きが見え隠れするが、天候は好転することなく最後の夜に望みを託す。


ツアー参加者の皆さんも、−15℃の寒さの中、身を伏せて最高のアングルを追いかける。撮影を始めると、あっと言う間に時間が過ぎていく。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


一年中賑わいを見せるホワイトホース市内。その規模も年々拡大中だ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

4日目は、ホワイトホース市内へお土産の買い出しに。ホワイトパスユーコン鉄道の駅舎やゴールドラッシュ時代に使われた蒸気船クロンダイク号、1900年に建てられたログハウスの教会、珍しい4階建てのログハウス、ミュージアムなどを撮影した後、たくさんお土産を買い込んだ。

そして最後の夜。
この晩は、突如として太陽活動が活性化、オーロラ予報も3レベルも上昇し、偶然とは言え完璧な展開に期待は高まる。スプルースの森から見るオーロラを撮影すべく、ロケーションを変えて臨んだ。

ところが、夜が近付くにつれ雲が張り出してきた。曇り空の隙間から静かなオーロラが顔を出したものの、見上げるようなオーロラ爆発が起こることはなかった。


森の中を移動しながら、アングルや設定を変えてオーロラ撮影に興じた。

『よく見るオーロラ写真のイメージばかりが先行していたが、オーロラ撮影の楽しさと難しさが理解できた貴重な体験だった』とは、参加者の声だ。


最後の晩、曇り空の隙間、森の向こうにオーロラが現れた。ISO500、60秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD



Vol.10 行ってきましたオーロラ撮影ツアー!(その1)


2010年03月03日 11:00 テーマ [ オーロラ, ユーコン ]

ユーコンの大自然を堪能!

このブログを通じて募集していた、極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会。いったいどんな旅だったのか? 2回に分けて報告する。

ユーコン準州の街や道の位置関係がひと目でわかる簡略化地図はこちら
※クリックでウィンドウが開きます。


バンクーバーから小型機で2時間、ユーコン準州の州都ホワイトホースに到着する。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

成田空港を19時のAC004便で発つと、冬季オリンピックで盛り上がるバンクーバーには同日10時に到着。さらに目的地ユーコン準州の州都ホワイトホースへは、国内線に乗り換え約2時間、14時過ぎには到着する。
旅の予定は4泊5日、到着した晩からオーロラ撮影のチャンスがやってくる!

マーシュ湖畔にあるインオンザレイクロッジまでは、約50kmほど。ロッジに向かう前に、市内のマーケットに寄り食料品などの買い出しを行う。ロッジの場所は大自然のど真ん中、コンビニなどはない!


今回宿泊したマーシュ湖畔に経つインオンザレイクロッジ、本館はログハウスのお洒落な外観を持つ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0


ロッジに宿泊していた仲間が集まり、防寒具を着込んでオーロラ撮影に挑む!
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

インオンザレイクロッジは食事ができる本館と、森に囲まれた4棟のコテージからなる。コテージは自炊設備も整っているので、自分の家で暮らすように極北の生活が堪能できる。もちろん今回は、コテージに宿泊した。

真冬のユーコン・・・気になる温度だが、幸いなことにマイナス15度前後と暖か(?)な日が続いている。東京でこんな温度になれば大変なことになるが、空気が乾燥しているせいか、厳しい寒さとは感じないから不思議だ。


チェックインの後、周辺を自由に散策。
夕食の後、一旦部屋に戻り撮影準備を整え、23時に集合し暖かな室内でオーロラの話しで盛り上がりながらタイミングを待つ。0時過ぎ、北の空に兆候が現れ凍ったマーシュ湖の上に移動を開始する。空には満天の星、どんなオーロラが現れるのか期待が高まっていく。

暫くすると北の空が、淡いグリーンに輝き始める。見上げるような激しいオーロラは出なかったが、オーロラの状態に応じて設定やアングルを変えて夢中で撮影を続ける。途中で休憩を入れながら、結局4時過ぎまで撮影が続いた。


極寒の中、凍った湖上にでてオーロラ撮影。残念ながら遠方に現れただけで、激しいオーロラは撮影できなかった。ISO800、30秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

翌日は朝9時にロッジを発ち世界遺産クルアニ国立公園への観光フライトへ。カナダ最高峰のローガン山(5,959m)を中心に、世界最大規模の氷河が創り出す絶景を堪能する。


世界遺産になっているクルアニ国立公園への観光フライトは圧巻。高度3,000m、氷河の奥に標高5,959m、幻の山ローガン山が現れた。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ローガン山は広大な氷河に囲まれているため、平地から見ることはできない。また太平洋から入り込んだ湿った空気が山塊にぶつかり雲になり、その姿を現すことは滅多にない。ローガン山が、幻の山といわれる所以だ。

さらに天候が安定しない季節、入念に天候をチェックしてフライトは決行された。4人乗りの小型機は明るみだした飛行場を離陸し1時間ほどでクルアニ国立公園に到達、朝日に映える氷河の中を漂うように進んでいく。


クルアニ国立公園は世界最大の氷河地帯、幾つもの氷河がぶつかり大きな流れを作る。カスカウルシュ氷河上空で。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


自炊設備が整ったコテージを貸し切り、極北の生活を堪能できる。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

正面には、赤く照らされたローガン山が見えている。シーズンに10日とない最高の天候に恵まれ、まるで夢の中にいるような不思議な時間を満喫した。

2日目の夜、次第に曇が増え始め、厚い雲が夜空を覆う。前日と同じように遠方にかすかなオーロラが現れたが、日本を発ってからノンストップで遊び続けたため疲れが溜まっている。
好転が望めないと判断し、早めの就寝となった。




Vol.09 雪と氷の3,900kmドライブ(その2)


2010年02月10日 11:00 テーマ [ オーロラ, ユーコン ]

ホワイトホースへ帰ろう!


ツンドラの荒野。微妙な色彩の優しいオーロラが現れた。ISO800、60秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 11-22mm F2.8-3.5

引き寄せられるように到着したツクトヤクツクは、人口1,000人の小さな町。住民の殆どがイヌイットで、大規模な油田開発や東西冷戦のレーダー基地などで発展した町だ。

この時期、11時過ぎに明るくなり15時には暗くなる、太陽は全く顔を出さない。薄暗い町を走りながら、宿泊施設を探すがなかなか見つけられない。観光客が来ない冬期は閉まっているのだが、頼み込んでB&B(家族経営などの小規模な宿泊施設)を開けてもらい、どうにか一夜の宿を手に入れることができた。帰国便は8日後、日程にはまだまだ余裕がある。

夜、オーロラは厚い雲に阻まれ現れず、風が強くなり何度も目が覚める。窓の外は地吹雪で真っ白、嫌な予感が徐々に高まっていく。朝を迎えても状況は変わらず、アイスロードが通行止めになっていることを知らされる。
「帰れない」

この日は大晦日。夕方には天候が回復し、新年を迎えると銃やクラクションなど音が出る物が一斉に鳴り始め、スノーモービルが町中を走り回る。新年を迎える光景は、どの国も同じようなものだ。
暫くすると待ちに待ったオーロラが現れ、小高い丘に登り極北のオーロラを堪能。しかし、数時間後にはまたブリザードで真っ白な世界に逆戻りした。

元旦は、一日中ブリザードが吹き荒れ部屋の中に缶詰。翌朝も天候は変わらず、「帰国便に間に合わないのでは・・・」と焦りが募る。こんな気持ちを察してか、隣の住人が昼食に招待してくれ、ベルーガやカリブーなどのイヌイット料理を頂いた。

午後遅くブリザードが去り、夜空いっぱいにダイナミックなオーロラが現れた。しかし直ぐにアイスロード開通とはならない。まず町の除雪作業を優先、数台の除雪車は朝からフル稼動している。町の中を歩いていると「明日の朝にはアイスロードが開通するから心配するな」と人々が声を掛けてくれる。


ツクトヤクツクを代表する1931年建設のカソリック教会とオーロラ。ISO200、4秒、F2.0、お気に入りのZUIKO DIGITAL ED 14-35mmで撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD


「さぁ帰ろう」整備されたアイスロードを走り始めると、西の空が次第に明るくなっていく。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ツクトヤクツク最後の晩、またしても素晴らしいオーロラが現れた。町の最北まで移動して撮影を始めるが、冷たい風が雪を巻き上げ極北の寒さが襲いかかってくる。撮影を終えて引きあげる時、アイスロード周辺では幾つもの光が行き来している。夜を徹して除雪作業が行われている。

残り時間は3日間、ここまでは時間を掛け小刻みに来たが、帰りは制限時間付きで一気にホワイトホースへ、1400kmのロングドライブだ。


翌朝、オープンと同時に一番乗りでアイスロードに入り、除雪作業中の中を進む。特に吹きだまりには注意が必要で、不用意に突っ込むとスタックして動けなくなってしまう。それでも緊張感は往路には及ばない。知っているということの安心感が心強い。

イヌビックで給油、デンプスターハイウェイで峠を越えユーコンに戻り、日が変わる頃イーグルプレインズに到着し一安心。
夕食の準備をしていると、かすかな光が立ち上っている。

「オーロラが来る」


アイスロードで出会った犬ぞりの一行はツクトヤクツクに向かう。シンプルな交通手段だが、故障のない確実な手段だ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


寒さの余り、雪の中に屈み込んだ。小動物が見上げるとオーロラはこんな感じに見えるのだろう。ISO800、20秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD

静かで優しいオーロラが、夜空に大きな橋をつくる。ふかふかの雪の中に腰を下ろし、オーロラを見あげる。吹きさらしにいるより、雪に埋もれている方が暖かい。

結局、寒さに耐えきれず撮影を切り上げた、仮眠の準備を続ける間もウインドウの外にはオーロラがゆらゆらと揺らめいている。


朝、サイドミラーに映った真っ赤な朝焼けで目が覚めた。久しぶりに見る輝きに、気力が漲ってくる。給油を済ませ、また走り始める。残り850km、焦らず慎重な運転を心掛ける。

目一杯走り、疲れたら仮眠を繰り返し、翌朝には無事にホワイトホースに帰着。どうにか帰国便には間に合った。

ある程度の悪天候は計算していたが、最後の一週間は天気予報と睨めっこで大いに緊張感を味わった。


目が覚めるような鮮やかさ。この3時間後には、夕焼けを撮影しているから面白い。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

極北カナダの厳しさとそこで生きる人々の暖かさ、美しいオーロラ、野生のカリブーと価値ある貴重な旅になった。少々無謀なドライブではあったが、変わりゆく地球の色を自分の目に焼き付けることができた。

■オーロラ撮影ツアー(申し込み終了)
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年2月17日(水)〜2月22日(月)

上記ツアーのお申し込み受付は終了となりました。
お申し込みありがとうございました。


■関連サイト
カナダ観光局 公式ホームページ



Vol.08 雪と氷の3,900kmドライブ(その1)


2010年02月03日 11:00 テーマ [ ユーコン ]

ベーリング海の町ツクトヤクツクへ!

今回は、年末に出かけた無鉄砲なオーロラ撮影の話し。
一足先にユーコンに向かったことは前回冒頭で触れたが、到着と同時に寒波に見舞われいきなり-30℃の中に放り込まれた。ホワイトホースでツアーの打ち合わせとロケハンを済ませ、4日目の夜、オーロラを求め北上を開始した。


どこまでも続く雪の道を慎重にドライブ(デンプスターハイウエイで)。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ユーコン準州を北に伸びるクロンダイクハイウェイ(2号線)、フロントウインドウの向こうにはオーロラがゆらゆらと輝いている。視界が開けると車を止めて撮影、そしてまた走り出す。明け方には力尽き、車の中で朝まで仮眠した。

目が覚めるとまた走り出す。
昼過ぎに北極圏に続くデンプスターハイウェイ(5号線)に入るが、ガソリンスタンドがあるイーグルプレインズは370km先、日照時間が短いので到着する頃は真っ暗になってしまう。交通量の少ない荒野の雪道、リスクを避けて引き返し最寄りのモーテルで一泊、翌朝再チャレンジすることにした。

朝9時に出発、明るくなるのは11時頃なのでまだ真っ暗。今回の旅のもう一つの目的は、季節移動で南下しているカリブーの群れを撮影すること。2008年には南下している群れを待ち受けたが、この旅では南下した群れを捜す。


野生動物を追いかけて雪原へ。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

カリブーは、雪に埋もれた地衣類を食料にしている。 夏の景色を思い出しながら、地衣類が広がっているであろう場所に車を止め雪原に分け入る。

雪に埋もれブッシュをかき分けて進むと、目の前に400〜500頭の大群が現れた。夢に見た光景が眼前に広がっている。静かに近づき夢中でシャッターを切る。接近し過ぎたのか、僕の存在に気が付いてカリブーは小走りで離れていった。


冷たい風は雪を巻き上げ、厚い霧が僅かな明るさを遮る。人間にも厳しい環境だが、撮影にも厳しい条件だ。マグネシウム合金のボディは冷たくなりやすいが、体感-40℃以下になってもノントラブルで撮影を続けられた。タフなE-3は心強い。


霧の中、季節移動で南下したカリブーの群れを発見。
静かに忍び寄って夢中でシャッターを切った。

E-3ZUIKO DIGITAL ED 300mm F2.8

イーグルプレインズに到着したのは、午後4時過ぎ。クリアーな夜空を期待していたが、雪雲に覆われている。さらにこの晩から3日間、ブリザードのため北に向かう道は通行止めになった。

イーグルプレインズの標高は約800m、更に北に進み峠を越え隣のノースウエスト準州に入れば、限りなく広がるマッケンジーデルタと呼ばれる平野部に出る。「そこでオーロラを撮影しよう!」


開通を待って、陸路で行ける最北の町イヌビックを目指して走り出した。距離は370km。
イヌビックには2日間滞在。この間、決して太陽の活動は活発ではなかったにも関わらず、毎晩オーロラは現れた。

凍ったマッケンジー川に車で乗り入れ、氷上での撮影。希に通りかかる車は、停車している僕の車を見つけると傍らに停車し『何かあったのか、大丈夫か?』と必ず声を掛けてくれる。厳しい自然の中、ひとつのトラブルが生死に関わるからだ。


イヌビック近郊、凍ったマッケンジー川の上に
出現したオーロラ。ISO200、10秒で撮影。

E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD

連夜のオーロラ撮影で一安心、気分を良くした僕はもっと北に行きたいと考えた。冬の間だけ、凍ったマッケンジー川からベーリング海の町ツクトヤクツクまで、194kmの氷の道・アイスロードが開通する。

「どんな町なのだろう?」「オーロラベルトの北側に位置するツクトヤクツクでは、南の空にオーロラが見えるのだろうか?」・・・沸き上がる好奇心を押さえられない。

ユーコンに来て11日目。アイスロードを走り出し、時速30km/hの超低速運転で極北の町を目指す。アイスロードは波のようにうねっていたり、亀裂や小さな段差が所々にあるので、乗用車ではこの速度が限界だ。


例年のアイスロードは鏡のようにフラットで、時速100km/hで走行できるのだとか。今年の状況は異常のようで、亀裂や段差がない場所を探しながらアイスロードのルートは頻繁に変更されている。これも地球温暖化の影響なのだろうか。

やっとの思いで辿り着いた最果ての町、ツクトヤクツクで出会ったオーロラ。ISO200、10秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD

■オーロラ撮影ツアー(申し込み終了)
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年2月17日(水)〜2月22日(月)

上記ツアーのお申し込み受付は終了となりました。
お申し込みありがとうございました。


■関連サイト
カナダ観光局 公式ホームページ



Vol.07 オーロラ撮影時に役立つ小物と小技の話し


2010年01月06日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

12月20日から一足先にユーコンへ。オーロラ撮影を続けながら移動を続け、各地で印象的なオーロラに巡り会っている。
夜間のオーロラ撮影では、氷点下-20℃に達することは珍しいことではない。風が吹けば体感温度はさらに低下する。そんな条件でも、何日間か過ごすと体が順応してくるから人体はすごい。 とはいえ、一番厄介なのは不自由な手先。暗い上に凍えているため、作業はままならない。そこで、今回はオーロラ撮影に役立つ・・・いや、必携の小物の話しだ。


月明かりで照らされた凍った川にでて、上空に現れた穏やかなオーロラをE-P2で撮影。設定はISO800、F4.0、15秒、最新機種のパフォーマンスを実感した一枚だ。
RAWで撮影してOLYMPUS Studio 2で現像した。

E-P2ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

まず一番重要なバッテリー、カメラが冷え切ってしまうとバッテリー交換のサイクルは必然的に早くなる。対策として、僕はプロテクターカバーをカメラに装着している。使っているのは、エツミの「デジタル プロテクターカバー2」という製品、保温性のある素材を使用しバッテリーがあるグリップ部分にポケットがあるので、カイロを入れ保温することができる。
本来は手を保温するためのポケットだが、撮影中グリップを握り続けていることはあり得ないのでリモートケーブルがあると便利だ。

カイロポケットが付いたプロテクターカバーは、長時間のオーロラ撮影に効果を発揮するが、透明の窓部分が硬化することと、操作がしづらいのがネックだ。
雲台への取り付け時。バッテリーカバー開閉の邪魔にならないようにマウントをずらして取り付けると後々便利だ。

それでもバッテリー交換の必要性は防げない。カメラを雲台に固定する時、バッテリーカバーが開閉できるように取り付けるだけでも、交換時のストレスはかなり回避できる。撮影環境やスタイルによっても異なるが、予備バッテリーは多めに持参したい。

バッテリーの次に重要なのがメディア。今まで紛失やクラッシュの可能性を考慮して4MBのコンパクトフラッシュカードを小分けにして使用してきた。しかし気が付いたら、十数枚を常に持ち歩いていた。

今回からはRAW+JPG撮影に切り替えることもあり、頻繁にカードを交換する必要性が高まった。
そこでE-3用にサンディスクのコンパクトフラッシュ「エクストリーム プロ」の32GB、E-P2用にSDカード「エクストリーム」の32GBを用意した。

大容量で低温や湿気対策が万全なサンディスク製エクストリーム プロ 32GB、今まで使用してきた4GBだとなんと8枚分!これで安心して撮影に集中できる。

超高速の読みとり/書込みに加え、特に厳しい撮影環境での作動と湿気や湿度に対する対応が強化されている。一回の撮影でも安心の大容量、使用環境が-25℃〜85℃とオーロラ撮影にはもってこいのメディアといえる。今回体感温度-43℃での撮影を体験したが、変わらぬスムーズな書き込みを実証してくれた。お気に入りのE-3と合わせ、タフな使用環境で欠かせないアイテムになった。

人差し指と中指が自由に使える便利なアクシーズクイン製の2WAYフィンガースルーミトングローブ、-20℃まで対応の牛革製がお気に入りだ。
防寒用の衣類はツアー参加者にはレンタルがあるが、グローブは自分のものを用意したい。特に凍える手での手作業が多くなるので、防寒性とサイズが合っていることは当然のこと、使いやすさが大切だ。 僕が使っているのは、アクシーズクインの「2WAY FINGER THROUGH MITTEN PRO」という-20℃まで対応している製品。
アウターは撥水加工された牛革のミトンタイプ、インナーグローブは防風フリース製で単体での使用も可能、人差し指と中指、親指の第一関節部分の切れ込みから指を出すことができる。

このグローブが優れているポイントは、ミトンの人差し指部分に付いている止水ファスナー。開けると指が出せるので、オーバーグローブを外すことなくカメラの設定変更などの作業が確実に行える。

部分的にナイロンを使用した-15℃まで対応の軽量モデルもあるが、しなやかさと保温性を考えると、オーロラ撮影には牛革製のPROがお薦めだ。

最後に撮影が終わったときの注意をひとつ。

外気で冷え切った機材を、暖かな室内に持ち込んだらたちまち結露してしまう。
大きめのジップロックやドライバッグに入れ、温度がなじんだら取り出すようにすれば、結露を防ぐことができる。

ジップロックも利用できるが、防水対策が万全なドライバッグならば耐久性もあり使い回しも可能だ。様々なタイプがアウトドアスポーツ専門店で購入できる。

■オーロラ撮影ツアーのご案内
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年1月17日(日)〜1月22日(金)、2010年2月17日(水)〜2月22日(月)
※小貝哲夫が同行します
※次回のブログ 2月3日にオーロラ撮影会のご報告をいたしますのでご期待ください。

ツアー詳細、お申込みは郵船トラベル株式会社のサイト

■関連サイト
カナダ観光局 公式ホームページ



Vol.06 失敗を恐れずどんどん撮影すべし!


2009年12月24日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

ブレークアップの瞬間。天空が裂け、眩いばかりの光が降り注ぐ。 大自然が繰り広げるスペクタルショーの前では、余程冷静な人間でない限り、引き込まれてしまい写真を撮り続けることは難しい。

頭上に広がるブレークアップで、眩いばかりの光が広がる。この光景には恐怖感さえ感じる。ISO320、15秒で撮影。E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

事前情報を頭に叩き込んでいても、初めてのオーロラ撮影は戸惑うことが多い。ヘッドライト頼みの真っ暗闇、そして耐え難い寒さ。冬の撮影ならば-10℃は当たり前、時には-40℃になる可能性もある。 寒さ対策は次回に持ち越すとして、まず暗闇でも自分のカメラを自在に操作できる練習をする。通常撮影のように手に持った状態ではなくて、三脚に装着した状態で思い通りの操作ができることが重要。手の中では慣れで難なく操作できても、三脚装着状態では微妙に感覚が異なる。

やっと撮影した貴重なオーロラ写真は、再生してチェックする。その結果を2枚目以降に生かすプロセスは、前回までに触れてきた。
この時、失敗作でも決して消去してはならない。メモリー容量に限りがあるのでついつい消してしまいたくなるのだが・・・。

オリンパスEシリーズ、ペンシリーズとも、撮影時に「仕上がり」や「シャープネス」「コントラスト」「彩度」「階調」などを設定できる。E-30以降のモデルなら、アートフィルターでオーロラを撮影しても楽しい表現ができるだろう。

撮影時にはガッカリした失敗作も、落ち着いて見直すと違う認識が生まれることがある。ホワイトホース市街地の灯りで赤く色付いた雲が邪魔したが、変わった雰囲気の写真になった。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ところが、撮影の現場で細かな操作は難しい。いちいち結果を細かく確認していたのでは時間の無駄。オーロラはどれくらいの時間出ているのか分からないのだから、撮影に集中するべきだ。
こんな時には、オリンパスが提供している画像ソフト「OLYMPUS Master 2」、或いは別途購入する「OLYMPUS Studio 2」(両者の違いは、写真のセレクト機能とRAW現像機能の充実度の差)の純正ソフトが便利。
RAWで撮影しておけば、後から設定の変更や(E-3以外ならば)アートフィルター加工を加えることができるのだ。

OLYMPUS Studio 2で甦ったオーロラ。目視では確認できなかった空を覆うグリーンや上端の紫が浮かび上がった。

ISO200、15秒で撮影したが失敗。確認後、ISO感度を上げて撮影を続けた。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

E-3がそのまま出すJPG画像には大変満足していたので、今まで僕はJPG(画質はラージスーパーファイン)のみで撮影してきた。E-3の画像は対応していないが、対応機種で撮影した画像をアートフィルターで遊んでみたいので、今後はRAW+JPG(JPGはパソコンでの確認やブログで簡単に使いたい時用)で撮影して「OLYMPUS Studio 2」で現像することに決めた。

「OLYMPUS Master 2」「OLYMPUS Studio 2」で補正すれば、失敗作でもそれなりに見栄えを整えることができる。画質は若干落ちたとしても、ゼロではない。何より貴重なオーロラ写真、0か1(0.5でも)ならば僕は後者を選ぶ。

OLYMPUS Studio 2で加工すると、複雑な形のオーロラと微妙なグラデーション浮かび上がり、撮影時の感動が甦ってきた。

繊細なオーロラをISO200、15秒で撮影したが、真っ暗で何が何だか分からない写真になってしまった。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

20日からは一足先にオーロラ撮影のためユーコンへ向かう。E-P1で撮影したオーロラ写真や、バッテリーの消耗、記録メディア、撮影時に知っておきたい小技をユーコン現地からレポートする。


定点撮影で、ISO設定を変えて画像比較をしながら約50分間に86カットを撮影、それを繋ぎ合わせオーロラの動きを再現した。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

■オーロラ撮影ツアーのご案内
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年1月17日(日)〜1月22日(金)、2010年2月17日(水)〜2月22日(月)
※小貝哲夫が同行します

ツアー詳細、お申込みは郵船トラベル株式会社のサイト

■関連サイト
カナダ観光局 公式ホームページ



Vol.05 ひと味違ったオーロラ写真


2009年12月16日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

天空が割れるような激しいオーロラを、ブレークアップという。しかし、この壮大な天空ショーには、なかなかお目に掛かれないのが現実だ。今回は、静かに控えめなオーロラを、キラリと光るオーロラ写真にする撮影テクニックの話をお届けする。

まずオーロラ撮影は、イメージを膨らませながらロケハンから始まる。
今回訪れるホワイトホースならばオーロラベルト(※)の南に位置するので、オーロラは北の方角に現れる。コンパスやGPSを使って大まかな方角を把握してなるべく開けた場所を捜す。次に三脚を立てメインで使用するレンズを装着、こうして明るいうちに全体の構図を大まかにチェックする。

レンズのピントは無限大に合わせて、テープで固定すれば撮影中にずれる心配がない。
距離目盛りが付いているレンズならば∞のマークに合わせるのだが、意外とこの範囲がアバウトなので一度風景を試し撮りで確認することを薦める。

※オーロラベルトとは?
地磁気極を中心に地球の両極にドーナツ状にオーロラは現れ、その位置は地磁気緯度で65〜70度になる。


北極圏という言葉に駆り立てられるように、頻繁にユーコンを目指す。フラッシュをたいて、北極圏のモニュメントを浮かび上がらせた。撮影の定番、ISO200、F2.8、15秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

この時、漠然とオーロラだけを写しても、何の面白みもない。山や針葉樹のシルエットなど風景を写し込めばオーロラのスケールが表現できる。また、街路灯や建物の窓灯りなど、アイデア次第では面白い演出ができる。

森の中から立ち上がるように現れたオーロラ。ISO400、F3.5、60秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye
スプルースの森の中、灯りがついたティピーを入れアクセントにした。ISO400、F3.5、60秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

今回宿泊するインオンザレイクは、マーシュ湖畔の北側に位置している。湖は凍っているので、湖上に出て撮影すればロッジの灯りが良いアクセントになる。
何本かのレンズを使用するならば、同じように予備レンズもテーピングしておく。

E-30、E-620、E-P1、E-P2には電子水準器が付いているので、撮影中でも簡単に水平が出せる。微妙に傾いているのは気持ちが不安定になるが、水平が必ずしも良いとは思わない。被写体の迫力が表現できれば、思い切りアングルをつけても面白い写真が撮れる。

たき火で暖をとりながらオーロラを待つと、薄い三筋のオーロラが現れた。ISO200、F3.5、3.2秒で撮影。 (E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

写し込む対象物が近くにあれば、フラッシュを使用するのも面白い。加えて人物やテントなどを浮かび上がらせれば、臨場感を上手に演出できる。
この時、問題がひとつ。

ロケハンでレンズは無限大に合わせているので、そのままでは手前の被写体はぼけてしまう。しかし、真っ暗な中ではフォーカスを合わせるのは至難の業だ。

こんな時は、オートフォーカス設定に戻しヘッドライトを被写体に当てピントを合わせ、再びマニュアルモードに変更してピントリングをテープで固定する。特にE-3は暗所でのオートフォーカスに優れているので、この方法は有効だ。


刻々と変化するオーロラ。当然、ロケハン通りに行かないことは多々ある。そんな時の対処法も紹介しよう。

暗闇の酷寒。この環境下では、自分の行動もままならない。慌ててばかりでは仕方がないので、まずゆっくりオーロラを眺めてみよう。
そのなかで「どうしたいのか」「どんな写真が撮りたいのか」を落ち着いて考える。その為に「どんなレンズを使おうか」「こんなアングルで撮影したら面白い」と、あなたのイマジネーションを自由に働かせる。慌てる必要はない。

満月の夜、ツンドラの原野で待ったオーロラは言葉にできない。その感動を表現するために、自分のシルエットを写し込みISO800、F3.5、15秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

もしヘッドライトだけでは視界が限られるならば、大きめのランタンを灯して身の回りを整理するのも手だ。
但し周囲に他のカメラマンがいる場合は、点灯には注意が必要だ。これはオーロラ撮影の大切なマナー。まず一声掛けてから!

僕の場合、一人でいることを大切にしているので、初めから一人でいられる場所を選択しているが・・・。

■オーロラ撮影ツアーのご案内
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年1月17日(日)〜1月22日(金)、2010年2月17日(水)〜2月22日(月)
※小貝哲夫が同行します

ツアー詳細、お申込みは郵船トラベル株式会社のサイト

■関連サイト
カナダ観光局 公式ホームページ



Vol.04 オーロラ撮影に使うレンズは?


2009年12月09日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

前回はISO感度設定を変えながら撮影するコツを紹介したが、今回はどんなレンズを使えば良いかの話をしよう。
夜空一杯に広がるオーロラをカメラに収めるには、画角は広い方がよい。理想を言えば、35mm判換算で20mmほどあれば、ダイナミックに切り取ることができる。それでは、オリンパスの誇るズイコーレンズ群の中から、オーロラ撮影に適したレンズをピックアップしてみよう。


頭上に迫るオーロラをISO320、シャッター速度を15秒、焦点距離14mmで撮影。ファインダーを覗きながら、臨機応変に画角を変更する柔軟さも必要だ。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

まず、E-3の標準ズームレンズとして汎用性の高い【ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD】(ハイグレード)は、日中は風景を撮影したままオーロラ撮影に移行できるオールラウンダー。山に入って撮影するなど機材を最小限に抑えたい時は、迷わずこのレンズを選ぶ。
加えて【ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD】(ハイグレード)と【テレコンバーターEC-20】があれば、描写と機動性を両立できる最強の組み合わせになる。


絡み合うような複雑なオーロラを、ISO200、シャッター速度10秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

ED 12-60mmの登場で中途半端なポジションになった感がある【11-22mm F2.8-3.5】(ハイグレード)だが、11mm(35mm判換算22mm)F2.8の"単焦点レンズ"と考えれば魅力的な存在。焦点距離の差は僅か2mm(35mm判換算)でも、『たかが2mmされど2mm』なのだ。
ズイコーレンズ群の中、画角の広さと明るさを備えているのでオーロラ撮影必携、コストパフォーマンスの高い1本と言える。

それでも、夜空いっぱいに広がったオーロラを表現することはできない。そこで、変化球として使いたいのが【ED 8mm F3.5 Fisheye】(ハイグレード)だ。多用するとワンパ ターンになりがちなこのレンズだが、独特の世界観を表現できるお気に入りの一本だ。

ISO感度を変更しながら撮影するスタイルは、このレンズを使ってどう撮影するかの試行錯誤から生まれた。 視界の広がりを表現したい時は横位置で、頭上の空間的な広がりを表現したい時には縦位置でと、オーロラの出方やロケーションに応じてポジションを変えれば全く違う表現ができる。


ED 8mm Fisheyeを使い、ISO800、シャッター速度25秒で横位置撮影。下の弱い光は微妙な線が出ているが、上の強い光は潰れてしまった。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye


頭上に広がるオーロラの優しい光。ISO1000、シャッター速度40秒で縦位置撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

年末、20日から再びユーコンにオーロラ撮影に行くが、今回、是非持っていきたいのが次の2本のレンズ。

まず、明るいレンズの筆頭【ED 14-35mm F2.0 SDW】(スーパーハイグレード)は、F2.0通しなのでオーロラの出方に応じて多彩な画角変化が楽しめる魅惑の1本だ。
そして、是非チャレンジしたい【ED 7-14mm F4.0】(スーパーハイグレード)は、ズイコーレンズ群一の超広角レンズ。こいつの実力の高さは、周知の事実。少し暗いのが難と言えば難だが、小技を駆使してどんな表現ができるかが楽しみ。

合わせて【ED 9-18mm F4.0-5.6】(スタンダード)も持って行こう・・・待てよ、その前にそんなに頻繁にオーロラが出るのか?
それが一番の問題だ!



■オーロラ撮影ツアーのご案内
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年1月17日(日)〜1月22日(金)、2010年2月17日(水)〜2月22日(月)
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Vol.03 デジタルカメラのオーロラ撮影


2009年12月02日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

今回からは、オーロラ撮影の具体例を紹介しながら、話を進めていく。

オーロラは常にその形を変え続けているので、シャッター速度が遅いとオーロラがぶれてしまう。オーロラ撮影には明るいレンズがベストとされている理由だ。
確かに明るいレンズのメリットは大きいが、個人的な意見としてはデジタル時代には決定的なデメリットにはならないと考えている。


デジカメなら誰だってオーロラ撮影は可能だ。僕はまずISO200、15秒で一枚目を撮影することが多い。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

デジタルカメラの最大のメリットは、ISOを自由にコントロールできること。このメリットを最大限に利用すれば、誰だって簡単にオーロラ撮影ができる。

一般的に高感度に弱いと言われるフォーザーズだって、その特性と上手に付き合っていけば良いのだ。


僕の撮影プロセスはこうだ。
撮影モードはマニュアル、シャッタースピード15秒、F値は開放に設定する。リモートケーブルがあればより良いが、必須ではない。ISOはまず200に設定し様子伺いをする。
ノイズリダクションは処理に時間が掛かるのでOFF。
仕上がりやシャープネス、コントラスト、彩度、階調は個人の好みで良いと思うが、RAWで撮影すれば、オリンパスのソフト(OLYMPUS Studio 2/OLYMPUS Master 2)で後から自由に変更できる。後でできることは後回しにして、とにかく撮影に集中する。

撮影後、画像を再生してチェックする。必要ならば5倍に拡大すると良い。
オーロラが弱くハッキリ写っていなければ、ISOを一段、更に一段と変えながら撮影していく。


設定はISO320、F4.0、15秒で撮影。オーロラにメリハリを付けたければ、彩度をあげると記憶に近い色になる。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

ISO400、F2.8、15秒で撮影。オーロラの強さが刻々と変化する中で、やや弱い周期の撮影だった。こんな時はISOを一段上げるようにしている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

E-3の場合、状況に応じてISOを250-320-400と変え、ISO400辺りをひとつのラインにしている。ISO400を越えると、撮影条件によってはノイズが目立つようになるが、僕はISO800までは躊躇なく使っている。限られたチャンスをものにするには、ノイズにこだわるよりも、まずカメラに収めることが最優先だ。


ISO800、F3.2、15秒で撮影。ISO800になると星も映し込めるので、良いアクセントになっている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

但し、高感度での長時間撮影はノイズが極端に目立つようになるので注意したい。
数日間の撮影日程ならば、初日にピクセルマッピングを行うことを薦める。

※ピクセルマッピングとは──
撮影素子の画素に欠損が生じた際の補完など、CCDと画像処理機能のチェックと調整を同時に行う機能。カメラのメニューから設定できる(未対応機種もあり)。


ISO1000、F2.8、15秒で撮影。ピクセルマッピングを事前に行っていれば、もう少しノイズは押さえられただろう。 E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ISO3200、F2.8、15秒で撮影。ISO3200ではノイズがかなり目立つ反面、優しい輝きが表現できている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

愛機E-3は、オリンパスの現行ラインナップでは一番古いモデルになってしまった。
後に登場した、E-30、E-620、E-P1/E-P2は高感度特性が向上しているので、限界はもっと高くなっている。この冬、是非E-P1でオーロラ撮影をしてみたい。

今回はオーロラの強さとISOの関係を見て頂くために、シャッタースピード15秒の写真をピックアップした。オーロラが強ければ、10秒、8秒とシャッタースピードを速くすれば良い。

現像所でポジを受け取り開封するまでの緊張感、ライトボックスで対面した時の興奮・・・
もう過去のものだ。

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Vol.02 オーロラ撮影は、北の大地ユーコンで!


2009年11月25日 11:00 テーマ [ ユーコン ]


ユーコンの自然は、呆れるほど何もない。E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

【そこでしか撮れない写真】という言葉を大切にしている。
至極当然のことだが、僕の思いはこうだ。
冒険家が大きなリスクを負って辿り着く至高の場所ではなくて、誰でもチョットの頑張りと小さな勇気があればいける場所へ。準備やアプローチを楽しみ、自分が置かれている環境をアクティブに楽しむ。


結果が得られない好例が野生動物。カリブーを求めて荒野をひたすら歩いても、空振りに終わることの方が多い。
E-510/他社製レンズ

目を見張る風景や追いかけ続け出会えた野生動物、パラグライダーに乗って空から見た景色、荒野でひとり待ち続けて見るオーロラなど・・・
一枚の写真は、"そこ"を求め続けた結果として生まれる。
もちろん、結果を得られない場合もある。


光栄なことに、今回、オリンパスが1月と2月に開催するオーロラ撮影会に同行させて頂くことになった。
僕はこの機会を通じて、単なるオーロラ撮影旅行ではなくて、ユーコンの自然に向き合い、五感をフルに働かせ美しさやスケール、厳しさを感じる旅にしたいと考えている。

舞台になるユーコン準州は、カナダ北西部に広がる広大な大地。
面積は日本の約1.3倍、西はアラスカ州、南はブリティッシュ・コロンビア(BC)州、東をノースウエスト準州、そして北は北極海のボーフォート海に囲まれている。
多くが針葉樹林帯、いわゆるタイガと呼ばれる亜寒帯森林に覆われ、北緯66度33分は北極圏(アークティックサークル)で極北の入口になっている。
ユーコン川を流れに委ねてゆっくりと下る。川面からみる風景はひと味違う。
ユーコンを最も有名にしているユーコン川は、BC州アトリン湖を源流とし、ユーコン準州からアラスカ州(USA)を経てベーリング海に注ぐ全長3,185kmの川。

先住民ルーシュー族の言葉で【最も偉大なる川】の意味を持つ『ユーコー』に由来し、1800年代に頻繁に訪れていたイギリス商人が、この地方を『ユーコン』と言ったことが始まりだ。


ユーコン準州の州都ホワイトホースには、人口の75%が集中する。
州都ホワイトホースへは、バンクーバーから国内線で約2時間。午後に成田を発つと、夜には現地に到着してオーロラ撮影が始まる。
ところが、一般的なオーロラ鑑賞ツアーは、街中に宿泊し夕食後に郊外にある専用施設に移動する。どんなにオーロラが出ていても、ツアー終了時間が決まっているので、後ろ髪を引かれながら帰らなければならない。自然現象をツアー予定に組み込むことは難しい。

その点、今回のツアーはかなりスペシャルだ。郊外のロッジ滞在なので、日中にロケハンして自分らしい"そこ"を捜しだし、自分のペースで思う存分撮影に集中できる。存分に五感で地球を感じて欲しい。

ホワイトホースの夜、ユーコン川上空に現れたオーロラ。

■オーロラ撮影ツアーのご案内
極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会 6日間 (オリンパス・郵船トラベル共同企画)
期間:2010年1月17日(日)〜1月22日(金)、2010年2月17日(水)〜2月22日(月)
※小貝哲夫が同行します

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