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女性建築家 村上由季子の自然素材の家


ちょっぴりおセンチなエピローグ

2007年09月07日 11:00 テーマ [ ]

まるで暦がカレンダーの日付を知っているように、9月に入ったとたん秋風が吹き、急に涼しくなりましたね。
この季節、暑さが和らいでほっとすると同時に、終わり行く夏を思うと少し物寂しく感じます。
まるで、今の私の心境を表しているかのようです。

このブログ「自然素材の家」も今回が遂に最終回です。
6月初旬、夏の準備段階の頃に始まり、夏の終わりと共に終了です。
今年の夏が記録的な猛暑だったように、私にとっても2007年の夏は記録的に熱い夏となりました!!
S様邸の竣工、そしてそれを追って書かせていただいたこのブログのおかげ!!

始まりの頃の紫陽花


初回に書いたように私はバーチャル難民でした。
インターネットのバーチャル世界の中に自分の居場所を見つけることがなかなか出来ない人だったのです。
リアルな世界のコミュニケーションは終着点があり、お互いに線が結ばれて成立します。
一方、バーチャル世界のコミュニケーションは、太陽の光みたいに一方的に発信されます。
この終着点が決まっていない相手の見えない感覚が、苦手意識の原因だったと思います。
このブログを書き終えた今は、逆に終着点が決まっていないことが一番面白い事に気づかされました!
読んでくださっている読者さんがコメントを下さったり、懐かしい友達が、たまたま見つけたよ!と連絡をくれたり、紹介させていただいたメーカーさんの方から、ご連絡頂いたり。
思わないところに新しい出会いが生まれたからです。
この楽しみがバーチャル世界の醍醐味なんだな!っと180度発想転換できました。

相棒のμ770SW工事キットとの出会いも、楽しみの一つになりました。
あまりこだわって写真を撮るタイプではなかったため、今まで写真を撮る時はシャッターを押すだけのことが多かったのです。
けれでも、μ770SW工事キットの様々な機能や、使い方のご指導を開発者のI様から聞いたり教えていただき、撮る楽しみももらった気がしています!
本当に建築現場に適したカメラなので、これからもいい相棒です!

夜まで続いたカメラの使い方の講義!とっても勉強になりました。


ブログ記事として偉そうに自然素材について多く書かせていただきましたが、実は私自身、100%自然素材のみを使用した家を建てたことがありませんでした。
コストの問題であったり、お客様の価値観の問題があったりするため、100%自然素材を使用した家はやりたくても出来なかったのです。
S様邸、そしてこのブログと共に自然素材に正面から向き合ってみて、改めてその素晴らしさを体感しました。
有機野菜も食べてみて初めてその美味しさが分かるように、自然素材も使ってみて初めてその良さが本当に分かったのです。
一番の良さは、『自然素材は人にエネルギーをくれる!』という事です。

自然のもつエネルギー


自然素材は、天然のものを使用しているため自然界のサイクルに沿って変化します。
天然フローリングは、夏になると湿気を吸い込み膨張し、冬になると乾燥して収縮します。
この変化で、フローリングに隙間が出来たりする弊害はもちろんあります。
この弊害をなくすために作られたのが、合板でまったく変形しないフローリングです。
でも発想を変えると、変化するという事は生きている証拠でもあります。自然と共に呼吸しているのです。

例えばペットや観葉植物がお家にいると、それだけで癒し効果がありませんか?
生き物と共にいると、無条件にそれだけで気持ちが安らぐと思います。
それとまったく同じで、呼吸する自然素材の家と一緒にいると、不思議な事に無条件に気持ちが安らぐのです。

人工物は古くなるとただ朽ちていくだけのところがあります。
一方自然素材は、古くなっても「味」が出てくるのです。素材自身に時が刻み込まれていくのです。
例えば、古くなっていい味の壁紙になってきたという事はほとんどなく、「汚れてきたから張り替えましょう」という発想になります。
一方、土壁は時と共にいい風合いが出てくるので、汚れという意識にはならないのです。

呼吸し、年月を共に刻んでいける、自然素材には生き物としての性質を残しています。
そのことが、強さ・優しさとなって、人にエネルギーをくれるように感じるのです!
これからはよりいっそう自信を持って自然素材を使った家を推奨していきたいなと思います。

完成したS様邸


さて最後になりましたが、読者の皆様長い間のご愛読本当にありがとうございました!!
ブログとしては、記事が長すぎる!とのご指摘も頂くくらい毎回長々とお付き合いいただいた事本当に嬉しく思っております。

共に夢を見させてくださったS様
このブログを書くチャンスを下さったオリンパスイメージングの皆様
μ770SW工事キットを熱く語っていただいた(株)オリンパスイメージングのI様
いつも応援してくださった(株)女性建築家チームの西村様・大谷様
イベントを率先して起してくださった現場監督の林さん
一緒にS様邸を作ってくださった多くの職人さん
読んだ感想をくれた良き友人の皆様
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

今後も益々精進していきたいと思っていますので、末永くどうぞよろしくお願いいたします。
本当に長い間ありがとうございました!!

集合写真




巣立ちゆくわが子

2007年09月05日 11:00 テーマ [ ]

遂にやって来ましたこの日が。
クライアントのS様(以下S様)邸の引渡し日です。
以前も少し書きましたが、この日は私にとって複雑な気持ちのする一日なのです。
朝、家を出るときはちょっぴりおセンチな気持ちになります。
巣立っていくわが子を見送るような気分です。
立派に育ってくれて嬉しいのですが、ずっと成長を見守ってきただけに手元から離れていく寂しさがあるのです。

そんなおセンチな日、女性建築家チームは素敵なイベントを開いてくれました!
記念写真撮影会です!!
家を建てるということは、人生の大きなイベントのひとつです。
その記念に、真新しい家の写真を撮ってアルバムを作り、お客様にプレゼントするのです。
お客様にとっても私達にとっても、とてもいい思い出になります。

プロのカメラマンが来てくださって、大撮影会開始!!
S様邸への思いを、カメラマンの伊藤さんにご説明し、どういう部分を映していただきたいか打合せをします。
その思いを伊藤さんが汲んでくださって、写真を撮ってくださる。
すると、流石プロのカメラマンだけあって、日々私が撮影する時は思いも付かないアングルから撮影してくださったりします。
そういう時すごく気持ちが高揚します。やっぱりその道のプロってかっこいいなって思います!
プロが撮るアングルを真似て撮れば間違いないとの事で、金魚の糞のように伊藤さんの後にピッタリくっついて、同じアングルでパシャ!パシャ!


カメラマンのアングル


実は私も、本当のアルバムをめくるように写真を見る事ができる、蔵衛門御用達という工事写真管理ソフトを使って、お玄関の欄間や、リサイクルの扉、オーダーした鍵など、思い出の場所をメッセージ付電子アルバムでS様にプレゼントする予定なのです。

本当のアルバムみたいでしょ



写真、メッセージ、音までファイルできちゃいます。


さてさて最後に、工事関係者が集まって記念撮影です。
本当の写真スタジオに来たようなセットの中、撮影されると緊張が!
「そんな硬い表情でなくて朗らかに朗らかにー!!」
手前から、現場監督の林さん・女性建築家チーム西村社長・S様・私。

記念撮影


ここで、S様を見てびっくりされた方もいらっしゃるのではないでしょうか!?
何人かブログを読んでくださっている方からS様はどうも男性だと思っている方のほうが多いとお聞きしました。
実は、とってもチャーミングな女性なのですよ!

次回は、この「自然素材の家」ブログも遂に最終回です。
こちらもとっても寂しいですが、最後までお付き合いよろしくお願いいたします!



今日は「Memo 男の部屋」の取材日!

2007年09月03日 11:00 テーマ [ ]

ー女性にとって使い勝手がいい住宅ーという特集で、S様邸を紹介頂くことになりました!
今日はその取材日です!!

Memo表紙


ちょっぴりドキドキ。
しかしお見えになった編集者の方も、ライターさんも女性の方。
取材というと急にかしこまってしまいそうですが、リラックスした雰囲気で色々とお話しすることが出来ました!
新築の住宅をすべて壊して、リフォームしたお話をすると非常に驚かれ、新建材の持つ問題点にも共感していただけました。

「是非スリッパを脱いで、はだしで歩いてみてください。温かくて気持ちよくないですか?」
「本当ですね。歩いていてやわらかくて心地いいです」

合板で作られたフローリング材とは違う、無垢材フローリングの良さは実際に肌に触れてみると直ぐに伝わるようです。
一通り、自然素材のご説明をして私達の取材は終了。


取材風景


「すみません、施主様のS様にもお話お伺いしてよろしいでしょうか?」
今度は、S様への取材です。
「新築をリフォームされたそうですが、いかがですか出来上がりは?」
おお!!短刀直入な質問!
「おかげさまで家に落ち着いて住めるようになりました。このことは、私にとって本当にありがたいことです。パーフェクトですね!!」
この言葉を聞いたとき、ほんと泣きそうでした。よかったー!!
S様に喜んでいただけているという、喜び!!
また最初の命題『健康を害せず住んでいただける家に造り替えないといけない!』に合格印を頂いた喜び!!
色んな問題が発生し大変な事もありましたが、そんなマイナスの思いは一気に吹っ飛んでいってしまいます。
お客様に喜んでいただける事、夢が叶って思い描いていた生活が始まることが、私にとって、最高のご褒美です!
この瞬間があるから、設計のお仕事を続けていられるんだなーとしみじみと感じた一日でした。


Memo掲載記事



試運転開始!!

2007年08月31日 11:00 テーマ [ ]

クライアントのS様(以下S様)邸、朝から家具の搬入です。
倉庫で眠りっぱなしになっている家具の中から、S様邸にピッタリのものをピックアップして配置していきます。

息を吹き込まれたS様邸


家具の配置は、例えるならば列車の試運転みたいなものです。
数々の製造過程を経て、ようやく完成した列車を初めて試運転し、運転開始に備えるような感覚です。人々を乗せて走る時に快適に走れるか、同じレールの上を実際に走らせてみてシュミレーションするのです。
家も同じで、生活を始める前に家具を配置して、実際の生活が滞りなく進められるかシュミレーションします。

列車は、人々を乗せてレールの上を走って、初めて列車としての役割を十分に全うします。
家も様々な過程を経て、ようやく完成を迎えますが、その中での活動が無いものは、やはりただの箱で、その中で人が生活することによって、初めて住宅としての命を吹き込まれるように思います。人が住んでいないと家は傷むとよく言いますが、生活があって家も活かされるのです。

ワイン樽


メルシャンで購入したワイン樽は、リビングのアクセントになり、ワイン樽上部にTVを置くとベンチに寝転がりながら見るには丁度いい角度です。
出窓には、和紙製のブラインドを取り付け柔らかな光が入ってくるようにしました。

ベンチ+和紙ブラインド


思い出の詰まったソファーは、愛犬ランディー・愛猫アサマちゃんのベットになると共に、お日様がサンサンと入るスペースでS様も愛犬・愛猫とゆったりした時間を過ごせるようにレイアウトを考えました。

ランディー+アサマちゃんのベット


賢いアサマちゃんが勝手に扉を開けないようにと作った、手作りの鍵もアクセントになっています。

手作り鍵


テラスのデッキスペース上部には、オーニングを設置し、開口部には格子をはめ込み、テラスなのに落ち着いた部屋みたいな空間が生まれました。
家具を入れるとぐっとお家に活力が出てくるように思いませんか?

デッキ



書くよりも録音でスピーディな竣工検査

2007年08月29日 11:00 テーマ [ ]

写真を撮って音声を吹き込む!
相棒のμ770SWの録音機能は現場ではとっても便利なツールです。

拡大して写真を撮ってしまうと、似たような部分ってすごく多くて、撮ったはいいが後から見直した時「ん??どの部分の写真だったかな?」と、分からなくなってしまうことは良くある事。
今度の相棒は、写真を撮った後、すぐその写真にコメントを音声で録音できるので、
今までみたいに、いちいち「何枚目の壁の写真・・・・穴補修」などメモする必要はありません。また写真と直接関連付けができるので、整理がしやすくスピーディ!

今回は、完成したクライアントのS様(以下S様)邸竣工検査でこの機能を使って建物調査です。

キッチン横壁汚れ



和室壁穴補修してください



和室コンセント下巾木汚れ


上の写真にコメントが無いと、一体どの部分か分からないでしょ!?
でも、写真と一緒に音声を録音すれば間違えることはありません。
はじめ吹き込む時はちょっと照れますが、慣れるとワンタッチで簡単です。

とても丁寧に造ってくださったS様邸。
でも、人の手で一つ一つ作り上げるものなので、手直しが必要な部分や、付け忘れている部分がやはりなんらか出てきます。
修正作業を、音声指示入り写真でCD-Rに保存しておきましたので、監督の林さん、修正よろしくお願いします!

キッチン床下収納枠ビス留忘れ(音声入り)



デッキ部分網戸ビス留忘れ(音声入り)



自然素材の家ついに完成!

2007年08月27日 11:00 テーマ [ ]

「村上さん、今メルシャンに来ているのですが、ワイン樽買っていっていいですか!?」
クライアントのS様(以下S様)から、いつものごとく元気のよい声でお電話です。
メルシャンというのは、軽井沢にあるワインメーカー・メルシャンの美術館です。
そこで、使わなくなったワイン樽を販売していて、新S様邸のインテリアとしてどうでしょうか?というご相談のお電話です。

「いいですよ。買ってきてくださいね」

ワイン樽


届いたワイン樽は想像していたよりもすごく大きい。
でも、ワイン樽が過ごしてきた年月が風格となって染込んでいるいい味の樽です。
柿渋で塗装すれば、もっといい雰囲気になりそうです。
リビングのワンポイントにはピッタリです!

秋田杉天板


材木屋さんに見に行った秋田杉の天板が届きました。
柔らかな木目がすごく美しい。
玄関の王子様をより一層引き立ててくれます!

玄関の王子様と天板


キッチン収納にも秋田杉の天板を取り付け、食器類はオープン棚に並べて飾る予定です。
素材そのものの風格がキッチンにグレード感を増してくれた気がします。
ここに食器が並ぶのが楽しみです。

キッチン天板


床・枠等に塗装をすると、S様邸はついに完成です!!
新建材ばかりの新築だったお家が、自然素材だけの体に優しいお家に変身しました!!

リフォーム前



リフォーム後



建具もリサイクル!

2007年08月24日 11:00 テーマ [ ]

今日は、建具の取り付けです。
だんだん完成が近づいてくると、嬉しさ半分、寂しさ半分複雑な気持ちになってきます。
一生懸命育てあげた子供が、少しずつ自立してもう直ぐ親元離れて巣立っていってしまうような、嬉しいけれど、なんだか寂しい複雑な気分。
この世に形すらなかった物が、少しずつ形を持って出来上がってきて、色んなところで問題を起して、それもすべて乗り越えて成長してきた自分の子供を見るような気持ちでしょうか?(まだ、本当の子供は育てた事はないのですが(笑))
そろそろそんな空気感がS様邸に流れてきました。

今回は、せっかくエコハウスにするのだから、使わなくなった建具をリサイクルして使いましょう。ということで、建具屋さんに、既存の建具を加工してもらうことになりました。

玄関・階段扉


先ず、写真の左手の扉は、玄関を入ってきて直ぐの扉です。
周りの色の違う部分は、新たに付け足していただいた部分です。
小さい扉だったので、玄関扉として高さ、幅とも大きくしていただきました。
色の違う部分は、柿渋で塗装して仕上げます。
右手の扉は、大きさがほぼピッタリ!!
上部が枠なしの硝子になっているので、2階への階段部分との繋がりができ、宙に浮いたような開放感があります。

押入れ扉


こちらは、4枚の開き扉を加工してもらって、折れ扉+開き扉に!

猫用格子


S様の愛猫アサマちゃんが飛び出さないように、外部のデッキ部分に格子枠を入れました。風景を遮断することで、外に部屋が一室できたような落ち着いた雰囲気になりました。

愛犬・愛猫スペース扉


奥の部屋が、愛犬ランディと愛猫アサマちゃんのスペースです。リビングとの仕切り扉は、硝子を多用し、閉鎖感がないように工夫しました。
さらに、このスペースを中心に、写真右手にテラス、左手にデッキがあるため、二匹が自由に3つの場所を行き来できるようにと、通称「パタパタ扉」を設けました。

犬・猫専用扉


S様邸、これで、ほぼ骨格は出来上がり!
後は、塗装工事と、前回見に連れて行ってもらった天板の取付けを残すのみとなりました。



エコは完全循環社会!

2007年08月22日 11:00 テーマ [ ]

クライアントのS様(以下S様)邸、段々完成が近づいてきました。
新建材の塊だったS様邸が、今や自然素材のオンパレード!!
本当に、流れている空気が優しい空気に変わりました。

すると、目を瞑っていた場所もどうしても気になってきます。
そんな中“キラーン”S様の目に留まったのは、玄関の靴箱と、キッチンの収納。
周りがすべて自然素材で出来てくると、新建材でできた収納は、ひょっこり飛び出た突起物のような違和感を持ってきます。
S様「この収納を取ってしまって、木の天板一枚に変更できないかしら?」
私も、現場監督の林さんも、女性建築家チームの西村社長も有無を言わず大賛成!!

はじめ、フローリング材の余りを継ぎ合わせて、天板を作ろうということになりました。ところが、なんと現場監督の林さんから素敵なプレゼントです!
杉の一枚板でよいものがあるので、せっかくだから一枚板で作りませんか?とのご提案!!S様も私も大喜び!

本日は、その天板を見せていただくために、新木場の材木屋さんに連れて行ってくださることになりました!
例のごとく、ワクワクワクワク!
材木屋さんに行くのは、初めての経験です。
山のように詰まれた材木。
フローリングであったり、柱材であったり、板材etc。
様々な形に製材された材木が整然と積み上げられているのは圧巻です。

材木屋さん



林さんからの杉天板


さて、これですと見せて下さった、秋田杉。
「うわっ素敵!!」
耳つきの杉の一枚板です。
もちろんこれで200点満点!文句は何一つありません!林さん最高!
天板の向きや大きさを決定すると、
「ではこれで、製材所でカットして仕上げますね」と林さん。
さらに「製材所も見せていただけませんか?」と私。

製材所


もちろん、優しい林さんは、製材所まで連れて行ってくださりました(笑)。
この製材所のシステムがすごいんです!完全なエコです!!
大型の精密な機械で、木材を製材する過程もすごく面白かったのですが、
私が一番感動した事は、ゴミがほとんど“ゼロ”であることなのです。

製材機材


大型の機械で、木を削っていくときに出る、おがくずは、それぞれの機械に備え付けられたダクトを通って、工場の中のおがくず集積所に集められます。
そのおがくずを、おがくず業者が買い取りに来ます。
おがくず業者は、おがくずを牧場にもって行き、牛のし尿とおがくずを混ぜて、肥料を作ります。
その肥料を、農家が買い取り、食物を育てるのです。
おがくず→牧場のし尿と混合→肥料→植物が育つ
完全ごみゼロが実現している、循環社会の完成です!
本当に驚きました!!

おがくず集積所


不純物を含まない、天然の自然素材だからこそ実現する理想的な循環社会の縮図を見たような気がしました。



難有和紙貼り

2007年08月20日 11:00 テーマ [ ]

「ありがとう」という言葉は、「有り難し」が変化したものです。
「有り難し」という言葉は、中国語で「難有」と書きます。
この真ん中にレ点を打って、有り難しと読むのだそうです。
つまり、「難」が「有る」からこそ「有り難い」気持ちが生まれるのだと言うお話を聞いたことがあります。
そういう意味で、クライアントのS様(以下S様)邸の王子様を飾る和紙は、まさに難有和紙だなと思うのです。

「いやー薄いですねー」と林さん。
王子様を飾る難有和紙を見ていただいた、第一声。
やっぱり・・・・。
「腕のいい経師屋さんに頼んでみます。袋貼りにすれば何とか大丈夫かな」

経師屋さんの荒木さん、薄い和紙を見て、「いやー薄いですね。難しそうだけど、大丈夫だよ」
心強いお言葉!
ふーよかった!!

ここで少し話は逸れますが、和紙を貼るための天然接着剤アイクロスについて驚いた事があるので紹介させてください!
なんとこの接着剤、賞味期限があるのです!!
糊の賞味期限なんてあまり耳にしませんよね。
防腐剤の入った食品が長持ちして、防腐剤の入らない天然食品の賞味期限が短いのと同じようなものでしょうか。
完全自然素材でつくった生ものなのだなと実感する次第です。
また、すごく香りがいいのです。
クロスを貼っている間、現場はヒバのいい香りが満ちています。

荒木さんから、貼れるよー。とのお墨付きを頂いた難有和紙。
手漉き和紙に手書きで金の紋様を描いているため、一枚として同じものはありません。
その表情の違う、手漉き和紙を並べる順番の大検討会!


和紙貼り検討中


私とS様、女性建築家チームの西村社長であーでもないこーでもないと、あれやこれやとやっていると。
経師屋さんの荒木さん、職人魂に火がついて一緒になって検討してくださいました!!
総勢4人で、随分長い間検討していると、各々の和紙に入った金紋様と隣の紋様をなんとなく繋げるように並べていくと、抽象絵画のような躍動感が生まれてきました!!
おおーこれは面白い!ということになり1時間近くかかった大検討会は終了です!

後は、荒木さんと今井さんの腕を信じてお任せです。
なんと言っても、貼る順番まで決まっていて、一枚の失敗も出来ません。
おまけに、ごく薄!!
まさに「難有」です。

決定した和紙順序


しかし、見てください!
見事に一枚の失敗もなく、バッチリ貼ってくださいました。
王子様も引き立っています!
うーん本当に有難い!お玄関の出来上がりです!!
ありがとうございます!!

王子様を飾る有難い和紙!



大問題発生!!

2007年08月17日 11:00 テーマ [ ]

大問題発生です!
天井クロスがクライアントのS様(以下S様)の体に合わない様なのです。
S様チェックで一発合格だったはずのクロスなのですが・・・・
(詳しくは「バックは持たずに!材料探し奮闘記ークロス編ー参照)

実際貼ってみると、どうも体に合わないという事に・・・

これは大問題です。
大命題の『健康を害せず住んでいただける家に造り替えないといけない!』が崩壊する事になります!!
そのために、新築をリフォームしているのですから、是非とも健康で快適に過ごしていただける家にしなければなりません。
何とか、解決の糸口をみつけなければ!

このクロスは、トイレの壁と、すべての天井に貼っています。
これをやりかえるとなると、かなり大仕事!
林さんを交えて大検討会議開始です!

第一のコース♪
「壁材に使用した霧島壁を天井にも塗る」
霧島壁はバッチリ体に合ってお気に入り!
天井も同じように霧島壁で仕上げられないかを検討する事にしました。
先ず、クロスの上から、霧島壁を塗れないかをメーカーに確認です。
解答はクロスが霧島壁の重さに耐え切れず剥がれてきてしまうという理由で無理だということでした。残念。
では、クロスを剥して霧島壁を塗る方法は?
クロスを剥すと、天井の下地材に使っているプラスターボード表面を保護している表面材も一緒に剥がれてしまいます。
表面材が剥がれた状態で、霧島壁を塗ると、霧島壁の水分をプラスターボードが吸い込んでしまい内部からカビてしまいます。
よって、第一のコースは失格!!

第二のコース♪
「杉材を貼る」
これは理想的な空間が出来ますが、非常にコストがかさみます。
よって、第二のコース即失格!!

第三のコース♪
「クロスの上からも塗れる漆喰材を塗る」
漆喰材は、S様の体にも合いOKです!
しかーし、漆喰塗りの下地材となるパテが体に合わない!
パテ材は、材料探し奮闘記でも随分と探しましたが見つからなかったので、これは探しても駄目だろうという事で第三のコースも失格!

第四のコース♪
「布クロスを貼る」
麻100パーセント布クロス、S様に確認をして頂き合格です!!
現在のクロスを剥してしまい、下地に和紙を二重貼りにし、その上から布クロスを貼るという方法で、現場確認をして頂くと、今度は大丈夫とのお墨付き!
第四のコース合格です!!

林さんと私はほっと一息。
何とか、解決の糸口は見つかりました!!

さて、決定した工法は、実際貼る立場になると、すごーく経師屋さん泣かせです。
下地に貼る和紙は、クロスを貼るようにはいかないのです。
天井に、アイクロスという天然糊(詳しくは「バックは持たずに!材料探し奮闘記ークロス編ー」参照)を塗り、少し乾かしてから、1500角くらいの和紙を一枚ずつ貼っていかなくてはなりません。

シオンの糊


すべての作業は、上向きの作業です。
経師屋さんの荒木さんと今井さん、
「こんなに上向いて作業したのは久しぶりだよー。首が痛くなっちゃうよー」
と、そんな事を言いながらも、バッチリ綺麗に仕上げて下さる所はプロですね!


首が痛ーい和紙貼り


皆様に助けていただき、S様邸の天井が完成です!
今度は、S様もバッチリ大丈夫と非常に喜んで頂けました。
この場を借りて、本当にありがとうございました!!


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