九州の映画旅が始まるぞ!
暗い夜道を、車で走っている。
──田舎は、夜が夜だからいいのね。
ぽつりと口にしたのは、恭子さん。
なるほど、なるほど、と納得する。
またまた、大分です。
《22才の別れ》、映画上映の旅の中、です!
東京を離れる前日は、当日を迎えても未だ青山のスタジオに籠もっていた。
《転校生》公開が近づいて、携帯電話で発信する『ムービーエッセイ』なる5分ほどの映像作品を三作作る。その二作目の編集作業であります。
5分とは言え、もうぼくの事務所の編集室で始めてから、五日目になっている。《転校生》は二十五年目の再映画化だが、その二十五年前にぼくの事務所のスタッフで助監督を務めた中村明君が、今度は独立した監督として、撮影演出もしてくれている。ああ、二十五年!であります。
朝、野川の空に、飛行機雲が!
八重桜の木洩れ日が、道に映っている。
こんなものに、心が動く。
幸福感が湧き上がって来る。
《22才の別れ》、九州公開の上映の旅にこれから出るのだ。
ちょうど一年前の朝も、こうやって撮影の旅に出た。一年経って、今二本の新しい映画が、ぼくの掌の中にある!
時は経ち、人は生きて何かを為し、何物かを残す、──ぼくらは、そうやって生きて来た。それを喜びと感じながら。……
恭子さんと羽田へ。正やん知ちゃんと待合わせ、九州へ飛ぶ。
福岡到着。さっそく正やん、おっと伊勢正三さんとラジオ局へ。《22才の別れ》は正三さんの名曲から生まれた、同名の映画なんですよね。
正三さんなどと呼んでいると妙な気分なので、やっぱり正やん。
正やんも五十五才。ぼく六十九才。兄弟のように仲良しです。
正やん夫人、和ちゃんの旧友たちのパーティーに雪崩込む。すると福岡市長のお顔があったりするのですね。
ご縁とは面白いもので、《22才の別れ》の福岡ロケで、筧利夫君演じる主人公が努める会社のオフィスに、福岡市の市長室をお借りした。前の市長さんの時代だが、その時映画用に飾りつけたままの市長室がお気に召して、現市長の吉田宏さんはそのままお使いになっている。
そのヒロシさんが知ちゃんの少女時代からの顔馴染みだって! 面白いね。
お若くて、活動的な市長さんでいらっしゃる。
続いて知ちゃんのママの馴染みのフランス料理屋さんへ。
知ちゃんのお兄さん夫妻にそのお嬢ちゃん、それに《22才の別れ》で恭子さんのアシスタントプロデューサーを務めた山ちゃんと。
翌朝はホテルから、福岡市内の劇場へ。
新しく買ってくれたピンクのセーターを恭子さんに着せて貰う。
──年取ったらスマートに生きなきゃ、ね。
なるほど、なるほど、とここでも納得。
恭子さんの一言は身に沁みて有難い。
なにしろ、もう五十年、一緒に生きて来たんですからね。
という訳で、正やん知ちゃん夫妻に山ちゃんと揃って、九州の旅が始まりました。
今日は東京から、仲間が大勢駆け付ける。
それから皆で、小倉に寄って大分へ。
《22才の別れ》上映の旅と続いていくのです。
──お楽しみは、次回へ!


コメント (3)
窓ガラスに反射する、カメラを構えた監督の姿。
素晴らしいお天気に恵まれて、幸先のいいスタートです。
2007年05月10日 16:01 投稿者 : ガッツ
大人になっても『正やん 知ちゃん』なんて呼び合える仲って良いですね。『22才の別れ』『転校生』楽しみです。
2007年05月10日 17:14 投稿者 : 絢音ママちゃん
伊勢正三さんといえば「22歳の別れ」、「なごり雪」、「雨の物語」、「海岸通」、「あの唄はもう唄わないのですか」、「ささやかなこの人生」、「君と歩いた青春」、「海風」そのほかにも名曲沢山ありますね。新曲もお待ちしています。
2007年05月14日 11:36 投稿者 : 飯塚笑店