写真コミュニティフォトパスTOP > ナビゲーターズ写真ブログ > 内田 正洋の写真ブログ みどりの海へ 〜The way of Ocean Green〜

『みどりの海へ』 The way of Ocean Green


vol.9 都会の海もアウトドア

2009年03月27日 11:00 テーマ [ アウトドア ]

先日、横浜でシーカヤックを漕いだ。横浜港の内側、インナーハーバーと呼ばれる海だ。横浜港もそうだけど、今や港の機能が沖合に出てしまい、港の内側は閑散としているところが多い。日本の都市はほとんどが港を持っているけど、荷物の運搬がコンテナになったせいで、昔使われていたところが使えなくなった。それで閑散としている。

横浜港もやはりそうなって久しい。インナーハーバー沿いの陸側は、みなとみらいと呼ばれる地区で、ショッピングセンターやマンションが建ち並び、とてつもない数の人々が闊歩している。でも、海はほとんど利用されていない。海も今やかなりきれいになり、陸上の喧騒を横目に静かな海域が拡がっている。何とも魅力的な空間なのだ。

【横浜インナーハーバー】
みなとみらい地区のシンボル、ランドマークタワーを見上げながらシーカヤックを漕ぐ。港には運河が連なり、横浜のシーカヤックフィールドは、結構な拡がりがある。でも運河は県の管理で、港は市や国の管理。行政が入り組んでいて実に面倒。とはいえ、縦割り行政の弊害も最近はかなり減少しているな。

今の日本は、人口が都市に集中している。それはそれは異常と思えるほど、人口が偏っている。大都市圏なんていう言い方があって、例えば東京や横浜、千葉などの首都圏は、関東大都市圏というらしい。首都圏の人口は、3500万人を越えていて、何と世界一の大都市圏だそうな。他にも大都市圏は、大阪を中心にした近畿圏や、名古屋の中京圏があり、さらには福岡、札幌、仙台、広島を中心にした大都市圏もあるらしい。

他にも新潟、浜松、岡山、熊本、鹿児島といった「大」の付かない都市圏があり、人口はそれぞれ100万人を越えていて、これらの大都市圏と都市圏を合わせると、人口は8000万人以上になる。残りの4000万人が他の小都市や町村に分散しているわけで、まぁ日本人のほとんどは都市圏に住んでいるようなもんだ。

そんな日本の都市圏をよくよく考えてみると、すべてが海沿いにあり、海に近いことが分かる。つまり日本人の多くは海に近いところに住んでいることになる。海というアウトドアフィールドが、すぐそばにあるわけで、そこでシーカヤックを漕ぐことも本来は可能だ。

横浜港でシーカヤックを漕ぎ始めたのは、もう10年ほど前のことだ。ショッピングセンターの脇でシーカヤック教室までやっていた。港を管理する港湾局などと話合い、この閑散とした海を活用する方法としてシーカヤックを提案し、それで始めた。とはいえ、港ってのは行政の網が色々とかかっており、当時はなかなか自由にならなかった。

【日本丸パーク】
横浜港には帆船の初代「日本丸」が、係留展示されている。その横で以前はシーカヤック教室をやっていた。その流れが今も続いていて、「横浜シーフレンズ」というNPOのシーカヤッククラブが、週末シーカヤック講座を開いている。クラブの会員も募集していて、都会の海を自由に漕げる環境を作ろうと奮闘努力中。

ちなみに、横浜港のような大きな港には、港則法という法律があって、シーカヤックは雑種船という扱いになる。雑種船は、他の船舶の邪魔さえしなければ港内を漕ぐことはできるが、こういう港にはシーカヤックを手軽に海に下ろせる場所がない。あったとしても陸上側の使用許可が必要になる。そのあたりが面倒だった。

ところが、シーカヤックの認知度が上がっている今日この頃、行政側も港内でのシーカヤック利用について少しずつ積極的になり始めている。時代の欲求が出てきたなと感じる。21世紀になってもう9年目、ようやく時代が変化してきたようだ。もちろんこの大不況は困りものだけど、新たな時代が訪れている実感はある。

横浜港でシーカヤックが普通に見られるようになれば、シーカヤックの本場であるアメリカのシアトルやカナダのバンクーバーのような環境の良い都市になれる。都市に住む人々の目が、海に行くようになり、海をきれいにしようという気にもなり、海からの視点で物事を考える人たちが増えていく。

都会の小学生や中学生が当たり前に港内でシーカヤックを漕ぐ経験をすれば、10年後にはもう大人になっているわけで、すると海からの視点を持って日本を考える大人たちになっていく。そんな国になれば日本は魅力的になるんだけどなぁ。

【子供たちとシーカヤック】
これは昨年の写真。子供たちにも横浜港でシーカヤックを体験させてみた。陸上で簡単に手ほどきをしてから海に出る。二人乗りのシーカヤックを使い、お母さんやお父さんと一緒に漕いだ。みんな嬉々として漕いでいた。彼らの反応を見ていると、実に頼もしいと思ったのだった。

(つづく)

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