写真コミュニティフォトパスTOP > ナビゲーターズ写真ブログ > 内田 正洋の写真ブログ みどりの海へ 〜The way of Ocean Green〜

『みどりの海へ』 The way of Ocean Green


vol.10 遊ぶとは旅すること

2009年04月03日 11:00 テーマ [ アウトドア ]

先週末は、三重県の北牟婁郡紀北町とその隣の尾鷲市の海である熊野灘にいた。13回目になるシーカヤックアカデミーが行われたからだ。シーカヤックアカデミーは、99年に始まったからもう11年目。20世紀から21世紀になり、シーカヤックを取り巻く環境もだいぶ変化したと、感慨深い今日この頃だ。

当初は年に1回の開催だったけど、2年前からは年に2回、熊野灘の『シーカヤックアカデミー東紀州』と、もうひとつは九州天草灘での『シーカヤックアカデミー天草』が行われている。僕はずっと講師という立場での参加だが、実行委員長は地元のシーカヤックガイドが務めている。

以前は3日間で60時間ほどの授業が行なわれていたけど、あまりにも授業数が多いので、少しずつ減らしていった。そして今回は、1泊2日のキャンプツーリングという実践をしながら、そのつど授業というか講座を開いていくというスタイルになった。キャンプすることも講座の一部だ。

【尾鷲湾】
シーカヤックアカデミー東紀州は尾鷲湾で行われた。2日目はレンズ雲が出て結構な強風だった。転覆する人もいたが、それを救助するのも講座となる。キャンプ道具を積み込んでいるので、シーカヤックは重いが、その重さが安定感を生む。初めてシーカヤックの旅をする人にも、それが実感できる

初めてのスタイルなので、どうなるか分からなかったが、生徒たち(アカデミーなので参加者は生徒なのだ)には好評だった。さらに、アカデミー終了後の反省会で実行委員長の森田渉君が感涙にむせんだので、僕らは大成功だったと思った。何しろやってる側が面白くないとイケナイわけで、このスタイルがシーカヤックアカデミーの新しいカタチになるという予感さえしたのだった。来年は、2泊3日でやろうということになった。

【日本一周旅に出た森田渉君】
実行委員長の森田君は、19歳の時シーカヤックで日本一周の旅に出た。その経験がプロのシーカヤックガイドの道へとつながった。写真は昨年の模様。アカデミー3年目にして、新たなスタイルに気付いた。実行委員には、三重県、和歌山県でプロガイドをやっている連中が集まっている。

シーカヤックは、アウトドア活動のひとつだが、アウトドア活動というのは、端的にいうと旅のことである。特にシーカヤックは海旅だ。だけど、これまでのシーカヤックアカデミーは、会場を決めて、そこで室内講座と屋外講座、そして海上講座を同時にやっていた。講座は1時間ほどで、それぞれの講師が自分の経験から培ってきたノウハウや知識を伝えるという方式だった。同時に3箇所で行なわれるので、大学のように授業を選択しなければならない。

なぜそんな方式になったかというと、シーカヤックの世界はあまりにも多岐に及ぶ内容があるので、そうせざるを得ないと思っていた。ところが、11年もやっていると、少しずつだけどシーカヤックをどう伝えるかが見えてきたってことなのだ。僕らもアカデミーをやりながら学んでいる。そして、やはり旅を実践しながら学ぶ方式がいいのである。それがシーカヤックを始めるきっかけになったり、もう始めている人なら疑問の解決になれば成功だってことだ。

【たき火講座】
シーカヤックにたき火はつきもの。調理のためや、衣類を乾かしたり、熊よけにもなる。人類には、生活のためのたき火をしてきた長い歴史がある。太い流木を2本並べてのたき火は、縄文時代から行われていたという。濡れた流木も熱を閉じこめることで燃える。たき火には意味があり、それも講座になる。

つまりシーカヤックアカデミーは、学ぶための海旅なのだ。それが今回改めて分かった。また、シーカヤックは遊びでもあるが、本来遊びは旅のことだと知った。遊ぶとは、日常から心身を解放して別天地に身を委ねることだからである。元来は神事から来たらしく、神楽をすることも遊びである。さらには狩りをすることも遊ぶことだし、遠出をして風景を楽しむのも遊ぶ、である。だからこそ遊学なんて言葉があるんだろう。遊ぶことにそんな意味があるとは「ひぇー!」と驚くのだ。シーカヤックは旅学であり遊学。またひとつ、僕も学んだのである。

(つづく)

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