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「私にとってカメラは、何かを探して歩く道具でした」
新作「トイレット」公開を控えた、
荻上直子監督に聞きました。

「第二回クリエイティブフォト・コンテスト」の審査委員長をつとめていただく、映画監督の荻上直子さん。映画を撮り始める前は、高校、大学と写真を撮り続ける日々だったそうです。当時のカメラへの思い、そして最新作「トイレット」のことなどをお聞きしました。

高校の頃はカメラが大好きで、ずっと写真を撮っていました。

荻上直子さん 写真
高校生時代から大学まで、ずっと写真を撮るのが好きだったという荻上さん。最初のきっかけは、両親と旅行に行ったときに撮った写真だったといいます。
「その時は適当に風景写真などを撮って、特にうまく撮ろうという意識もなかったんですが、現像されてきたら意外ときれいに撮れていて面白いなあと。それから、当時の重い一眼レフを持ち歩いて写真を撮り始めました。現像も自分でやっていました。とても楽しかったです。もちろん普通の風景写真なども好きで撮っていましたが、まさに今回の公募テーマで出させていただいたような、なんだか変なモノ、オカシイことを探して歩いていました」
代表作「めがね」では主要登場人物がすべてめがねをかけていたり、「メルシー体操」というヘンテコな体操が出てきたり。荻上さんの映画では、なんとなく「変」なことがさりげなくユーモラスに描かれています。今回の公募テーマ「身近な変」は、荻上さんにとって創作の原動力なのかもしれません。
「私にとってカメラは、何かを探して歩く道具でした。日常にあるちょっとおかしなこと、変なこと、きれいなこととか。カメラを持つと『何か撮ってやろう』という気持ちになる。当時はそんな感じでした」
カメラを持っているときと持っていないときとでは意識が切り替わる、と荻上さん。自分の感性に響くモノをキャッチする道具として、カメラを持ち歩くこと。ちょっとした気持ちの違いなのかも知れませんが、こうしたことにこそ、クリエイティブな才能を磨く秘密があるような気がしました。
荻上さんの転機は、大学時代に訪れました。コマ撮り写真を使った「パラパラ写真」をつくったときに「絵が動くのが面白い」と思い、大学卒業後、本格的に映画制作を学ぶために南カリフォルニア大の映画学科へ。以降、映画監督としての道を進まれてきた荻上さん。カメラでの写真撮影は、今回のOLYMPUS PENが久しぶりだったそうです。
「今回、すごく久しぶりにカメラを持ちました。面白いですね。本当に押すだけできれいに撮れる。フォーカスも全部合わせてくれるし、いいなと思ったらすぐにシャッターを切れば撮れる。昔は瞬時に絞りとフォーカスを合わせて撮らなければいけなかったけれど、今はすごく身近に撮れる感じです」

「トイレ」がストーリーの鍵になる?! 最新映画「トイレット」。

トイレット 写真
(c) 2010“トイレット”フィルムパートナーズ
「私の映画にはあまり悪い人が出てこない、とよく言われます。自然にそうなっちゃうんです。悪い人が好きではないので(笑)
荻上さんは、自分の撮る映画についてこんな風に語ってくれました。「トイレット」は、荻上さんの3年ぶりの新作です。今回の作品は「家族」がテーマとのこと。舞台は北米。日本人キャストはおばあさん役のもたいまさこさんだけ。しかも「トイレ」が重要な役割を担うとあって、やはり荻上さんならではのユーモラスな物語が想像されます。
「今回の映画は、バラバラだった家族が、あるきっかけでひとつにまとまっていくお話です。全編英語ですし、行ったこともなかった北米で、まったくはじめて会った人たちと仕事をして一緒につくったというのは、自分にとっては新しいチャレンジでした」
ずっと同じところに止まっているよりも、やるからには次のステップとして、違うことや新しいことにチャレンジしていきたいと語る荻上さん。穏やかな印象の内側に、クリエイティブな仕事への情熱が秘められていました。
「この映画で、全編英語で撮影しながらも自分の日本人としてのアイデンティティみたいなものを表現できた気がします。どこで撮っても、何語で撮っても、私らしいカラーをつくり上げることができる。そんな自信に繋がりました。映画を撮ることについては、どこの国も変わらない。言葉の違いも何とかなるものです」
荻上さんの新作映画トイレットは、8月28日公開の予定です。それに先だって開催される第二回クリエイティブフォト・コンテスト、応募締切は7月8日です。荻上さんの感性に響く「身近な変」をテーマとする作品に、ぜひチャレンジしてください。最後に、荻上さんからメッセージをいただきました。
「写真を撮るときのワクワクした感じを、一緒に味わいたいと思います。皆さん、応募をよろしくお願いします」

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