第4回 オリンパスプラザ FOCUS展

オリンパスプラザ FOCUS展とは

オリンパスのカメラ・レンズを使って表現力、創造性に富んだ作品を生み出すフォトグラファーに、発表の場を提供する写真展です。オリンパスプロ会員(OGPS会員)からの推薦により、年間2名をオリンパスプロサロンにて選出いたします。

第4回 FOCUS展 山田陽子写真展「ワタシイロ」

眼前に広がる美しい景色に心が躍る。
その瞬間の気持ちの高まりを大切にしたくて
私はその場で私の色を作っていく。

パステルカラーに彩られた信州の風景は
私を幸せな気持ちにさせてくれる。
もっと長野が好きになる。

私が見ているパステルカラーの信州を
一緒に旅するように見ていただけたら嬉しいです。

写真展のご案内

  • 会場:オリンパスプラザ東京 クリエイティブウォール
    開催日時:2019年9月20日(金)~ 9月25日(水)
    11:00 - 19:00

出展者インタビュー

1.写真を始めたきっかけと、今に至るまでの経緯を教えてください。
 6年前、友人が撮影した月の写真を見て、望遠鏡を使わずにクレーターまでくっきりと撮れることに驚き、私もこんな写真を撮ってみたいと思ったことがきっかけで写真を撮り始めました。5年前にOLYMPUS機を購入し、写真家 川野恭子先生の教室に通い写真の基本を教えていただきました。4年前写真家 むらいさち先生のフォトツアーに初めて参加し、写真で表現することの楽しさを学びました。そのツアーでむらい先生にかけていただいた言葉「好きを極めればオリジナルになる」は、今でも私を支えてくれているとても大切な言葉です。現在は地元長野で写真家 飯田久江先生の写真教室「chako photoクラブ」に通い、写真をいかに作品にまで高めていくかを学んでいます。

2.作品を撮るとき、何を大切にしていますか?
 「心躍る瞬間を、心躍る色彩で」をテーマに撮影しています。自分が楽しんでいること、目の前の景色に感動していること、この感動を伝えたいという気持ちをいちばん大切にしています。特にjpeg撮影にこだわっているわけではないのですが、そのときに感じたこと、そのときの気持ちを写真に乗せたいと思っています。その瞬間の色彩感覚を大切にしたいので、撮影しながらその場で色を作っています。そうやって試行錯誤して撮りたい景色を撮りたいと思っていた色で撮れた時の感動は、何度経験しても新鮮で、写真って楽しいな、好きだなと思う瞬間です。

3.「ワタシイロ」というタイトルに込められた想い、今回の展示のコンセプトは?
 今回展示のお話をいただいた時に、私の写真の特徴は何だろう?と考え、私にしか出せない色、私の色、だと思いました。現像なしでOM-Dでこのパステルカラーが表現できるということを見ていただきたいと思いました。私の作品は撮りたいものが明確で、パッと見て分かりやすいものが多いので、タイトルも抽象的なものではなく具体的で分かりやすいものが良いと思い、「ワタシイロ」というひとことをタイトルに選びました。
 昨年から撮り始めた地元長野の自然風景を、私の色、パステルカラーでクリエイティブウォールの白い空間を埋めたいと思いました。展示作品は、長野のいわゆる有名な景勝地ではなく、私が思う長野らしさ、長野のいいところを、トーンをそろえてセレクトしました。正面の展示スペースには、DMにも使用した長野の県木でもある白樺の作品を含むメイン4点をセレクトし、広い風景を展示しました。横の展示スペースには、ニリンソウ、ヒメオドリコソウ、ツリガネニンジンなどの山野草など足下の小さな世界も展示して、広がりを持たせました。さらに広い風景はフォトブックにまとめて展示しました。クリエイティブウォールの白い空間と作品がマッチするように、ドライフラワーなど小物のトーンも揃えました。
 また、今回は展示期間中に1日しか在廊できなかったので、来ていただいた方に作品の説明ができなかったので、撮影場所、撮影機材、撮影日をA3パネルにまとめて展示しました。

4.展示を終えて、制作準備や当日の在廊までの一連の流れを経て気づいたこと、感じたことはありますか?
 展示のお話をいただいてから緊張や不安、プレッシャーを感じて眠れない日々を過ごしていたのですが、先生方をはじめ、OLYMPUS様、たくさんの友人に支えられて個展開催ができてとても感謝しています。作品のセレクトはとても苦しい作業でしたが、自分と向き合う良いきっかけともなりました。展示の準備を進める中で、たくさんの人に支えられて今の自分があるということに改めて気付くことができました。
 今回は他のイベントが重なってしまい、展示期間中に一日しか在廊できなかったことがとても残念でした。足を運んでくださった方に直接作品の説明をしたり、展示の感想を聞いたり、来ていただいたお礼を言いたかったのですが、それができなかったことがとても心残りです。唯一在廊できた日には、遠くからたくさんの友人が駆けつけてくれて、とても嬉しかったです。あらためてこの場をお借りして心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。

5.今後取り組みたいテーマなどはありますか?写真の領域でも、それ以外でもなにかあれば教えてください。
 美しい景色、心躍る瞬間を求めて、これからも地元長野の風景を追っていきたいと思っています。私が思う長野のいいところを私らしい表現で発信していきたいな、と思っています。また、いつか消えて無くなってしまうものを記録としても作品としてもきちんと形に残していきたいと思っています。
 3年前から猫を飼っているのですが、その成長の記録も作品として残していきたいと思っています。セルフポートレイトなんかもチャレンジしてみたいです。今はハイキーな表現が多いですが、その表現も極めていきたいですし、いろんな表現方法をたくさん身につけて表現の幅をもっと広げていきたいと思っています。

出展者プロファイル

山田 陽子(やまだ ようこ) 長野県在住。2013年、友人が撮影していた月の写真に魅了され、写真を撮り始める。
2014年OLYMPUSカメラを購入し、デジタルカレッジなど撮影会において写真を学ぶ。
現在は写真家 飯田久江氏主宰chako photo クラブに通いながら“心躍る瞬間を、心躍る色彩で”をテーマに撮影を続けている。

推薦者コメント

「日本の屋根」と呼ばれる長野県。日本アルプスをはじめとした美しい山々に囲まれた地形、そして地域ごとに異なる気候は、信州の多様な生態系を育んでいます。
信州と言えば数多くの景勝地が存在しますが、今回の展示作品には信州らしい景色が含まれていません。それは、幼い頃から信州で暮らしてきた山田さんだからこそ。寒さ厳しい冬を過ごし、待ち望んだ春を迎え、短い夏を精一杯過ごそうと咲き誇る花々。日常的に信州の四季に触れてきた彼女は、眼前の景色を「色彩」で捉えてきたのだと思います。
目の前にある景色をただそのまま写すだけでなく、気持ちを色に変換し、彼女の世界へと再構築する。彼女ならではの色は、無意識のうちに私たちを信州に誘ってくれることでしょう。
写真家 川野 恭子

川野 恭子(かわの きょうこ) 日々と写真 主宰。京都造形芸術大学美術科写真コース卒業。
横浜・山下町の「アトリエ 日々と写真」を拠点とし、「日々が写真を紡ぎ、写真が日々が紡ぐ」をテーマにした写真の楽しみかたを提案。並行して、山を媒体にしながら自らの内面と向き合う作品を撮り続けている。写真講師のほか、雑誌や書籍での撮影・執筆、トークイベント、テレビ出演など、多岐に渡り活動。
近著に、写真集『山を探す』(リブロアルテ)、写真集『When an apple fell, the god died』(私家版)、『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)他多数。
HP:http://kyokokawano.com/


「地元信州の良さを伝えたい」、確か数年前、そんなことを彼女が話していた。
それまでの彼女は、花や身の回りの日々を撮影していた。
見た通り、アウトドアが似合うような雰囲気の無い彼女がカメラや三脚を担いで、冬の早朝に撮影に行ったり、山に登り始めたりと、その姿勢をもって本気を感じさせてくれた。時折SNSでアップされる彼女の写真は素晴らしく、彼女らしい表現方法で信州の自然を切り取っていた。それを見るたびに僕は、純粋に「いいなー行きたいなー」と思う、いちファンになった。言うは易いが、継続はとても難しい。だから友人である彼女はとても誇らしく、今回のお話をいただいた時、迷わず彼女を推薦させていただいた。
ぜひ、信州の素敵な景色と彼女の目に映る「ワタシイロ」をご覧いただきたい。
写真家 むらい さち

むらい さち 沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。
出版社を経てフリーランスになる。現在は、水中からオーロラまで、「しあわせのとき」を求めて一年の多くを取材先で過ごしている。
2019年に、YouTube チャンネル「うみさち TV」を開設、海の中の楽しい世界を発信している。
HP:http://muraisachi.com
Instagram:muraisachi
著書:写真集「しあわせのとき」、「FantaSea」、「きせきのしま」その他多数

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