今浦 友喜の

植物は面白い。
秋にあんなにも鮮やかな赤や黄に葉色を変化させ人々の目を楽しませる。
やがて地面に降り積もった枯れ葉の上を歩けば耳も楽しい。
しかし植物がなぜ紅葉するのかの構造はわかっても“目的”は現在でもよくわかっていないそうだ。花の色や香り、実や種子の味や形。こうしたものにはすべて理由があってときに人には思いもよらない方法で種を存続、拡大させている。だが紅葉だけは諸説あれどやっぱりわからない。きっと人がいくら頭を絞ってもわからないすごい理由があったりするんだろう。
でもそれがもし人や生き物たちへの「もうすぐ冬が来るから準備なさい」という言語を持たない植物たちの言葉だったなら、などと考えると世界が面白くやさしく見えてくる。

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