吉住 志穂の

梅雨の花 夏の花

雨の日

水鏡のなかを
花たちが泳ぐ

ゆらり ゆらり
はらり ゆらり

なにも知らない
そんな顔をして・・・

晴れの日

太陽が
眩しくて 眩しくて
目を閉じる

暗い闇の中で
花は陰となる

陰と陽が交わる場所で
青い空へと昇っていく

梅雨の花、水鏡、夏の空。いずれもイメージする色は“青”。今回の作品は自然と青色で統一されました。夏ならば植物たちが勢いよく茂る姿を想像しますが、どの花々もどこか陰鬱な姿を覗かせています。しかし、シルエットになった花は強い意志を持っているように感じられますし、水に映る花は自分の体をゆらゆらと漂わせながら、その自由さを楽しんでいるようです。青い、暗いというのはさみしげなイメージを与えますが、それとは逆の印象です。哀しいときがあれば、楽しいときもある。悔しいことがあれば、負けないようにと奮い立つ。人の心も同じですね。

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