吉住 志穂の

「冬の円舞曲」

春に芽吹いて
花が咲き

夏に茂って
虫が舞い

秋に染まって
散り落ちて

真白な冬は
華ざかり

夜のダンスホールに
朝陽が射し込む

氷のドレスを輝かせながら
木や草たちがワルツを踊る

私は娘の手をとって
くるり くるり

キラキラの粉雪が
かわいい笑顔に舞い落ちる

光の魔法がとけるまで
雪原は白銀の舞踏会

生きとし生けるものたちよ
ありがとう

花を撮っている私にとって、冬は被写体の少ない季節です。しかし、そのぶんサザンカやスイセン、ウメなど、秋と春を結ぶ数少ない花々を見ると、嬉しく感じます。また、花など咲くこともないきびしい冬の山で出会える花もあります。枯れたユリやススキに霧氷が付着した様はまるで冬の花。その姿は命を終う前の輝きを見せてくれるかのようで、愛おしくてならないのです。
詩では「生きとし生けるものたちよ ありがとう」と結びました。美しい自然の中にいると、全てのものに感謝したくなるような優しい心が自然と湧いてくるのです。みなさんもカメラを持って、自然の不思議な力に触れてみてはいかがでしょうか。

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