OM-D E-M5 Mark IIIで撮る山の風景写真

ピントの山がハッキリわかるビューファインダー

接写撮影のときはAFを使用するよりもピントをマニュアルで撮影すると効率が良いことがあります。特にマクロレンズで等倍撮影するときはピントリングを最短撮影距離に設定し、ファインダーを覗きながら徐々に近づいてピントが合った距離でシャッターを切ります。そこで重要になるのがピントの山がわかりやすいファインダーであること。OM-D E-M5 Mark IIIのビューファインダーはボケとピントの差がわかりやすくMFでの操作感がとても好印象です。身体を前後しながらピントの山を探し出す作業がスムーズに行うことができます。

滴を纏ったチングルマ。滴写真は滴の輪郭をシャープに写し出すことが重要です。そうすることで滴の不安定で直ぐ落ちてしまう繊細な描写を生み出すことができるようになります。

背景のボケは絞りを開けて撮影することが基本ですが、それだけでは思うようなボケを作り出すことはできません。ボケを作るためにはできるだけ望遠側にして主役の花の背景に充分なスペースが確保されているか確認しましょう。

星の撮影ではAF撮影ができないためMFでピントを合わせる必要があります。背面モニターでピント合わせをすることも多いのですが、小屋周りではギャラリーが多く集中できないのでビューファインダーを使ってピント合わせます。LVブースト2に設定して拡大表示をし、ピントリングを回して行くと星のピントが良くわかります。

シャッターチャンスに強いAF

AF方式はE-M1 Mark IIと同じハイスピードイメージャAFを採用しクロスタイプ位相差AFになっており、あらゆるシュチュエーションでもテキパキとピントを合わせることが可能になっています。だから、とっさの出会いの被写体や動いている被写体にも瞬時にピントを合わせることが可能です。測距点も121点あり測距点モードもE-M1 Mark IIと同じ様に使い分けることが可能になっています。撮影時に快適だと感じるポイントの1つはAFのスピードです。そう言った意味でも快適に撮影が行えるカメラに仕上がっています。

小屋に物資を運んで来たヘリコプター。AFターゲットを動かし構図を整えて撮影。ヘリコプターの回転翼が少しブレて写るようにシャッター速度を1/60秒に設定して撮影しています。回転翼がブレることで飛んでいるイメージが膨らみます。

小さな滝の前を登山者が通過。予想していなかった出会いでしたが絵になるシーンに思わずシャッターを切りました。突然の出来事にも対応出来るAFスピードと操作性の良さがお気に入りです。

広い風景の中、ピントの位置決めに戸惑いを感じることがあると思います。そんなときは目立つものにピントを合わせると良いと思います。この作品であれば白い花(コバイケイソウ)になります。そして、絞りはF5.6~8程度と考えましょう。そうすることで全体にピントが合い纏まった景色を写し出すことができます。

早朝、霧が立ち込めコントラストの低い状況です。この時はコントラストが高い山の稜線など黒と白がハッキリ分かれている場所にAFターゲットを持って行くとピントを合わせやすくなります。それでもピントが合わないときはMFに切り替え、稜線を拡大表示しピントを探りましょう。拡大表示をカスタム設定でお気に入りのボタンに設定しておくと作業がスムーズになります。