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神秘の天体ショー オーロラを撮ろう

神秘の天体ショー オーロラを撮ろう

オーロラ撮影は、極寒の中、暗い場所で光りながら動くものを捕らえる特殊な撮影環境です。まず温度変化に強く、高感度撮影に対応しノイズの少ないカメラと広角で明るいレンズを準備しましょう。あとは美しいオーロラが出現するのを待つだけです。神秘の天体ショー、オーロラ撮影にトライしてみましょう!

撮影機材

旅を楽しみながらのオーロラ撮影では、撮影機材をコンパクトにまとめることはとても重要です。その点、レンズや三脚を含めた全ての機材をコンパクトにまとめられるミラーレス一眼は、最高のチョイスです。
私の場合、自由にアングルを変えて撮影するカメラ1台、三脚を固定したインターバル撮影専用に2台とカメラ3台体制でオーロラ撮影を楽しんでいますが、機材は驚くほどコンパクトです。
オリンパスの豊富なミラーレス一眼のラインナップの中でも、防塵防滴で-10℃耐低温、インターバル撮影機能が999枚に拡張されタイムラプス動画をボディ内で生成できるOM-Dシリーズが特にお薦めです。
お薦めのレンズは、明るく画角が広い M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0がオーロラ撮影の基本レンズです。

小貝 哲夫(こがい てつお)

小貝 哲夫(こがい てつお) 1960 年東京都生まれ。フォトライター。体育大学体育学部卒業後、海外青年協力に参加し世界の広さを知る。帰国後パラグライダー販売業の傍ら、世界中を旅する。1999 年フリーランスとして独立、自らを人生、興味、趣味の中を旅する「Traveler」と称し、その交差点で仕事をするというコンセプトの「CROSSROAD」を主宰。パラグライダー専門誌を中心にアウトドア、旅、もの、レスキュー、ミリタリーなど広い守備範囲のフォトライターとして活動。

オーロラを撮ろう

オーロラ撮影は花火や夜景、星景に通じるものがありますが、撮影のポイントは生き物のように刻々と変化するオーロラをどう表現するのかに尽きます。今回はJPGで仕上げる基本設定を紹介しますが、より高感度の設定やりシャッター速度を変えることで様々な表情を捉えることが可能です。

【私の基本設定】 撮影モード:マニュアル、シャッター速度:15 秒(※1)、ISO:400(※2)
ホワイトバランス:晴天(5300K)、手ぶれ補正:OFF、長秒時ノイズ低減:オート(※3)

※1、※2 オーロラの明るさや求める表現に応じて設定を変更
※3 撮影時間と同じ処理時間がかかるので場合によってOFFにすることもある

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 月明かりの夜、木々の間から見えるオーロラを狙い、テントをアクセントに加えた。テントの照明はローソクを使っている。(F2.0、シャッター速度10 秒、ISO 400)

オーロラ写真

明るい光源が遠くから迫ってくると、直に激しいオーロラが頭上を覆い尽くす。これがオーロラ爆発だ。(F2.0、シャッター速度10秒、ISO 400)

ピントは星に合わせよう

オーロラは北東から北西方向に出現するので、北を中心にカメラをセットするとよいでしょう。ピントは無限遠に合わせますが、明るい星を利用してライブビューで拡大表示して、星が一番小さく見える場所を探します。仮撮影して拡大表示再生で確認すると確実です。基本は星の撮影と同じ要領で、シャープネスを-2に設定すると星の写りが自然になります。

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 湖面に映り込むオーロラを狙って低い位置で三脚を設定。冬には凍ってしまうので秋のオーロラならでは一枚だ。(F2.0、シャッター速度15秒、ISO 800)

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 オーロラの明るさで写りは大きく変化する。星にしっかりピントを合わせないとせっかくの写真も台無しだ。(F2.0、シャッター速度15秒、ISO 800)

構図を考えよう

明るいオーロラならばモニターを見ながら構図を決めることもできますが、高感度で試写をして確認するのも有効です。オーロラ爆発の時は頭上でオーロラが渦巻き、弱いオーロラが空一面に広がることもあります。イメージを膨らませカメラの向きや角度、高さなどを変えて構図を決め、様々な表情のオーロラを切り取ってみよう。

オーロラ写真

モニターに僅かに映ったオーロラで構図を決めることも可能だ。

オーロラ写真

縦位置で夜空いっぱいに広がる静かなオーロラを表現した。(F2.0、シャッター速度15秒、ISO 400)

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 湖面から突き出た灌木を入れて湖面に映り込むオーロラに変化を付けた。(F2.0、シャッター速度10秒、ISO 500)

機能を使ってみよう

a. ライブバルブ/ライブタイム

ライブバルブ、ライブタイム機能はオーロラ撮影には欠かせない大変便利な機能です。モニター画面上で刻々と変化するオーロラを目で確認しながら長秒撮影ができ撮影できるので自分好みの撮影が可能になります。ただ闇夜ではモニターが必要以上に明るく見えてしまうのでモニターの明るさを暗めに設定することをお薦めします。またシャッターを押したり、閉じる時のぶれを防ぐために三脚とレリーズケーブルを必ず用意してください。

オーロラ写真

OM-D+ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye 赤道儀にカメラをセット、ライブタイム機能を使い立ちあがるオーロラと天の川を背景にパラグライダーを写し込んだ。(F3.5、シャッター速度61.4秒、ISO 640)

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 ライブタイム機能で山の向こう側から現れた弱いオーロラの繊細な光を切り取った。(F2.0、シャッター速度18.8秒、ISO 640)

b. インターバル撮影

インターバル撮影機能は、指定した撮影枚数と撮影間隔でオートマチックに撮影を続けてくれます。それを連続写真として再生したものがタイムラプス動画(微速度撮影)です。撮影終了と同時にボディ内で自動作成してくれるので、オーロラのような動きのある被写体にはぜひ試していただきたい機能です。定点撮影なので強風でもカメラが動かないようにしっかりと三脚を固定してください。

※機能メニュー2→インターバル撮影設定→[コマ数(0-999)][撮影開始待ち時間(24時間まで)][撮影間隔(24時間まで)][タイムラプス動画(ON/OFF)]

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 インターバル撮影機能で撮影した一枚。どこに激しいオーロラが出るかを予測してカメラを設置する必要がある。この時はオーロラベルトから離れていたので、北極星を中心にセットしている。(F2.0、シャッター速度15秒、ISO 400)

タイムラプス動画

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 インターバル撮影の後、カメラ内で自動生成されたタイムラプス動画。5秒間隔で約240枚を撮影し、10fps(10コマ/秒)で再生している。

オーロラ写真

OM-D+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 インターバル撮影の画像を使ってひとつの作品に仕上げるのも楽しい。フリーの比較明合成ソフトを使い、湖面に映り込んだオーロラと星の軌跡を浮かび上がらせた。撮影中はカメラを動かせないので、自由にアングルを変えて撮影できる2台目のカメラが欲しくなる。

オーロラ撮影を楽しむためのオススメ機材

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II-10℃耐低温、防塵防滴、インターバル撮影機能が可能