
シンプル・スリムなフォルムに求める機能が凝縮されたOLYMPUS PEN Lite E-PM1
純正防水プロテクター PT-EP06L

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E-PM1を収納するPT-EP06Lは、内蔵フラッシュ光を撮影に利用できるようになった。フラッシュ部に透明のプラスチックを使い小さな窓から発せられるフラッシュ光だが、大型の拡散板を介して被写体まで照射される。水中ホワイトバランスを利用した撮影は、大量なフラッシュ照射が不用になり、ワイド撮影からクローズアップレンズを使った極小マクロ撮影まで、内蔵フラッシュ光で撮影が可能だ。 レンズポート部に新しくセットされた4個の高輝度LEDは、プロテクター内に収納される単4バッテリー2個で駆動する。 ON/OFFのスイッチはレリーズ下プロテクター前面に設置された。照射時間は、アルカリバッテリー使用で4時間とされているが、テストではエネループ使用で連続7時間を確認している。暗い環境では、このLED照射でAFの精度を低下させること無くスムーズな撮影が楽しめ、動画撮影ではメイン光源としても利用できる。 もっとも、明るい環境では点灯していることがわかりにくいのでLEDライトのON/OFFスイッチの状態に注意したい。 この防水プロテクターで使用できるレンズは純正の標準レンズ M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ(E-PL2の標準ズームレンズ)のみとなっている。PT-EP03で収納可能だった M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6(E-PL1の標準レンズ)は使用出来ないので注意が必要だ。水中での使用で気になる他メーカーのレンズとしてLUMIX 45mm MACROはポート全長が短くなった分、最大倍率が得られやすくなって使用可能であることを確認済み。 さらにPT-EP06Lではレンズポート前面に標準装備で67mmのレンズリングを装着している。収納するレンズをE-PL3の標準ズーム1本に絞った事には理由があり、今までは不可能とされていたワイドコンバージョンレンズの装着がポートの寸法をギリギリまで追い込むことで実現できた。1台の撮影システムで、ワイドコンバージョンレンズもクローズアップレンズも両方使いたいという要望にも応え、幅広いユーザ層に受け入れてもらえる撮影システムになったと感じたテスト撮影だった。このシステム単体では水中でゆっくり浮く程度の浮力がある。小さな片手グリップなどの使用が便利だ。 |

E-PM1+PT-EP06Lでの水中撮影を準備しよう
LEDライトのバッテリーを準備 |
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![]() LEDなので熱を持たず、色温度も高い。 |
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![]() バッテリーは単4電池。使用しないときは外しておく。入れたまま忘れて液漏れなどが起きないよう注意。 |
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![]() LEDライトのON/OFFスイッチはこの位置。 |

![]() 結構明るい!ナイトダイブで役に立つほど。 |
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![]() PT-EP06LのLEDを光源として撮影。 水中ワイドモード/フラッシュOFF/ISO:AUTO |
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![]() 真っ暗な洞窟の中で撮影。 LEDライトのおかげで真っ暗な洞窟の中でもオートフォーカスが作動する。 水中ワイドモード/フラッシュON/ISO:200 |

ズームギヤと反射防止リングをセットする |
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![]() 写真の位置にズームギヤをセットする。位置がずれると、ズームがきかない、レンズが外れるなどのトラブルになるのでチェックが必要だ。 |
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![]() 正しくセットできたかどうかは、一度フラッシュを外すと確認しやすい。ズームギヤとアイドルギヤのかみ合わせを確認する。 |

シリカゲルの準備 |
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![]() プロテクター下部に専用のポケットがある。使用するシリカゲルは1gタイプ。 |
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![]() 両端を少し折って入れるとよい。大きく折ると外れやすいので注意。プロテクター開閉時に交換が望ましい。 |

拡散板を取り付ける |
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![]() 流失防止のため拡散板にはストラップを装着。 |
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![]() 拡散板は不用意にぶつけても破損しないように2分割構造になっている。 |

外部フラッシュの接続 |
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![]() 外部フラッシュは、UFL-1、UFL-2の両方のタイプが接続可能。 UFL-2を接続する場合には、メニューからRCモードをONにセットして使用する。UFL-1の場合RCモードは初期設定のOFFでOK。 |
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![]() 遮光用のフラッシュ窓カバーを挟んで光ファイバーケーブル、キャップを止まるまで押し込んで装着する。流失防止のストラップを固定する。 |

![]() 外部フラッシュ2灯使用時の構成例 |
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![]() 外部フラッシュ2灯使用時のセット方法 |
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水中モードの設定E-PM1には「水中モード」が搭載されている。水中撮影では陸上と撮影環境が大きく異なるために、陸上用の露出モードを使用しての撮影はお勧めできない。「水中ホワイトバランス」と「水中モード」を併用して撮影することが最も確実な方法といえる。私はワイド撮影に関しては半水面も含めて100%水中ワイドモードを使用している。水中らしい抜けの良いブルーの発色がこの理由の一つだ。以下、画面キャプチャー通り進めて設定する。 ![]()
![]() ■水中モードの切り替えを「連写/タイマー」ボタンに設定する方法 セットアップメニューからスパナマーク→歯車メニュー表示ON 以下、画面キャプチャー通り進めて設定する。
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連写/タイマーボタンによる水中モードの設定と切り替え上記の設定を行うと撮影モードがP、A、S、M設定時に、カメラ背面の「連写/タイマー」ボタンを押して水中モードを設定できるようになる。(iAUTO、SCN、ARTの位置では設定ができない。) 画面左下に水中モード専用のアイコンが表示される。魚マーク3匹が水中ワイド、1匹が水中マクロだ。 「連写/タイマー」ボタンを押すたびに2つの水中モードが交互に設定される。 「連写/タイマー」ボタンを長押しすると選択した撮影モードに戻る。![]()
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ワイド・マクロ撮影におけるホワイトバランス比較
フラッシュ使用時の水中ホワイトバランスと晴天ホワイトバランスを比較

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フラッシュON/従来のプリセット晴天ホワイトバランス | ![]() |
フラッシュON/水中ホワイトバランス |
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ワイド撮影時の水中ホワイトバランスと従来のプリセット晴天WBの違い 水中ホワイトバランス(以下、水中WB)は水面から下りてくる太陽光を利用しているので、フラッシュ光の届かないエリアにも効果が得られる。従来のプリセット晴天WBの場合、青被り状態で全体的に緑が強い仕上がりになる。上の例では、特に魚にフラッシュ光があたった部分の発色の違いが大きい。 右の画像が水中WBで撮影したJPEG画像、左の画像は右画像のRAWデータを晴天WBで現像した画像。 ![]() |
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レンズ:M.ZUIKO 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R 撮影モード:水中ワイド 絞り値:F9.0 シャッター速度:1/160 ISO:200 フラッシュ:ON(内蔵のみ) 露出補正:-1.0EV 撮影地:ラパス/メキシコ |

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フラッシュON/従来のプリセット晴天ホワイトバランス | ![]() |
フラッシュON/水中ホワイトバランス |
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マクロ撮影時の水中ホワイトバランスと従来のプリセット晴天WBの違い ワイド撮影時と同様、マクロ撮影でも水中WBの効果は大きい。カサゴの発色が大きく異なる。手前の砂地も青被りのない温かみのある発色になった。浮遊物の多い環境だったが、内蔵フラッシュの発光量が少なくマリンスノーは発生していない。 右の画像が水中WBで撮影したJPEG画像、左の画像は右画像のRAWデータを晴天WBで現像した画像。 ![]() |
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レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R 撮影モード:水中マクロ 絞り値:F9.0 シャッター速度:1/160 ISO:200 フラッシュ:ON(内蔵のみ)-0.3EV 露出補正:-1.3EV 撮影地:ラパス/メキシコ |

カメラの設定状況を一目で確認できる「スーパーコンパネ」機能

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撮影の設定状態と設定が一覧表示される左の画面がスーパーコンパネだ。 水中ホワイトバランス、水中ワイドモード、フラッシュの設定などを、OKボタンを押すだけで一目で確認できる便利な表示機能。 |

■OKボタンでスーパーコンパネを表示する方法
設定は、いたって簡単だ。セットアップメニューから以下画面キャプチャー通り進めて設定する。

![]() カメラコントロールを呼び出し→ P、A、S、Mにセット |
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![]() LVコントロールをOFF、 スーパーコンパネをONにセット |

水中アクセサリーを使ってみよう
水中撮影も何度か経験してくると、「もっと広い画角で撮りたい!」「もっと近接して撮りたい!」「被写体に陰影をつけたい!」という欲求が出てくる。そんな欲求を手軽に実現してくれるのがアクセサリーだ。
PT-EP06Lはこれらのアクセサリーが簡単に装着できるように設計されているのが嬉しい。

ワイドコンバージョンレンズ
![]() ワイドコンバージョンレンズ PTWC-01を装着 |
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ワイドコンバージョンレンズは画角を広げてくれるので、ワイド撮影時により広いエリアの撮影が可能になる。 PT-EP06Lには、ぜひ純正のPTWC-01を装着してもらいたい。レンズポートの寸法をギリギリまで追い込み純正のPTWC-01を使うときには、ケラレが出ないように設計されているからだ。 他のワイコンを装着すると、画角が合わずに画像周辺にケラレが生じるので注意が必要になる。 |

E-PL2&PT-EP03においてM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6を装着して撮影するより、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱの標準レンズにワイドコンバージョンレンズ PTWC-01を装着した方が画角は広い。またM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6の場合画面両端に流れが発生していたが、純正ワイコンなので、ケラレ、流れ共に起きていない。 |

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E-PM1&PT-EP06L M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ ワイドコンバージョンレンズ無し |
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E-PM1&PT-EP06L M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ ワイドコンバージョンレンズPTWC-01 有り ワイコンをつけると広い画角での撮影が可能に |

マクロコンバージョンレンズ
![]() マクロコンバージョンレンズ PTMC-01を装着 |
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マクロ撮影時に、近づくことによって被写体を大きく写すための接写用のレンズ。67mmのネジが切られているタイプであればサードパーティー製でもOK。 レンズの焦点距離によって異なる倍率を持ち、純正のPTMC-01は165mm、UN製のUNCU-02は100mmとなる。数値が小さくなるほど倍率が高く、装着すると遠くにピントが合わなくなるので必要に応じて装着するのが使い勝手がいい。 私はPTMC-01とUNCU-02の2枚のレンズを使い分けしている。オリジナルグリップのTOPにレンズホルダーを装着しておき、状況に応じて装着する。各レンズでの倍率の違いをテストしてみたので参考にしてほしい。 |

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マクロコンバージョンレンズ無し | ![]() |
マクロコンバージョンレンズPTMC-01有り |

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マクロコンバージョンレンズUNCU-02有り | ![]() |
マクロコンバージョンレンズPTMC-01+UNCU-02 2枚重ね |

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PTMC-01+UNCU-02 2枚重ねにデジタルテレコンONで撮影 |

水中ワイド撮影の作例
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ジンベイザメは透明度が良くない場所で出会う事が多い。マリンスノーを避けるために、フラッシュOFF&水中WBでシャッターを切った! コンパクトなシステムのE-PM1なら激しいスキンダイブでも邪魔にならず快適な撮影が楽しめた。 |
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紫色のイソギンチャクとハナビラクマノミは、大好きな被写体の一つ。温かみのあるイソギンチャクの色がたまらなく、新しいカメラが出ると必ず撮影している。 浮遊物が多い環境だったが、ノイズレスで撮影できた。 |
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ワイドコンバージョンレンズを使用
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たまたまワイコンの作例を!とダイビングをスタートしたら、きれいなアオウミガメに出会った。甲羅のきれいさを演出したいととっさに水中マクロを選択して絞りを2段絞って背景を落とした。 やや俯瞰気味の構図がワイド感、遠近感を演出させる。 |
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慶良間の沖には、まだ壊されていない琉球菊花サンゴの群生地がある。このサンゴの持つ温かみを出すために、背景をかなり落とした。 また、フラッシュをプロテクターから外して、手持ちで左斜め上から照射させ、陰影を作り立体感を演出した。 |
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水中マクロ撮影の作例
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大好きなヤシャハゼ。この被写体も新しいカメラが来たら必ず撮る。ジックリ時間をかけて寄りカメラで砂を押し分けるくらいにローアングルで背景をブルーに抜く。デジタルテレコンONなら極端に寄る必要が無くハゼにストレスを与えないので、ヒレ全開のシーンを狙えた。 | ![]() |
背景がきれいなポリプになる場所に黄色いスズメダイを見つけた。動きが素早く、しかも読めない被写体でも今度の高速AFは結構ついていける。ISO感度を少し上げてブルー抜きの部分を明るく仕上げてみた。 | ||||
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クローズアップレンズを使用
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音符の様な模様のホヤ。なかなか探せないがとってもきれいだ。透明感を出すのに少し飛ばし気味に内蔵フラッシュを調整する。 | ![]() |
赤い目をしたナデシコカクレエビ。目の色がナデシコ色ということらしい。 薄いピントと闘いながら撮影枚数を重ねピントが合うのを願う。AFの効きが良いのでイライラ感はない。 |
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水中動画撮影の作例

※こちらの動画はWEB掲載用にサイズ変更・圧縮処理を行っております

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ワイド撮影 | ![]() |
マクロ撮影 | ||||
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ワイコンを着けた状態で撮影。水中WBが効いて、美しい発色となった。フルハイビジョンの動画撮影なら感動をそのままリビングルームに持って帰れる。 | ![]() |
マクロの動画撮影も基本的には-0.3EVにセットすると良い。 ISO感度はAUTOにセットしておき、上限値をISO1600にすれば、暗くても手ブレが起きない感度まで自動で調整される。動画撮影時のC-AFの動作もいままでに比べ安定感が増している。 |
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E-PM1&PT-EP06L 清水淳スペシャル
![]() ●小型軽量ブラケット:MPBK-03 超軽量+高剛性、水中での浮力はほぼ中世浮力 ●オリジナル レンズホルダー(グリップの上部) |
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水中でワイドコンバージョンレンズ、クローズアップレンズを交換できるので不意に現れる被写体にも対応できる。 ワイコンは重いので不用な時は船上において撮影に臨むことが多かったが、今までのPENの場合、被写体に合わせてワイド系のレンズ、マクロレンズとプロテクターの蓋を開けてレンズ交換をしなければならなかったのでこのシステムなら水没のリスクも軽減する。結果的に今回のLEDポートはメリットが大きいようだ。 どうしてもワイド系のM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6が使いたい場合は、PT-EP03のポートやサードパーティー製のポートなどで対応も可能だ。使い手によって多くの可能性があるシステムと感じたテスト撮影だった。 |

システム構成例
E-PM1専用防水プロテクター PT-EP06L、アクセサリー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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使用レンズ
標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R(ブラック) 35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか113gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。 |
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標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R(シルバー) 35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか113gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。 |
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標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ(ブラック) 35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか112gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。 |
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標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ(シルバー) 35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか112gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。 |
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