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昆虫写真ブログ 熱帯の森

熱帯の森


Vol.08 青い翅をもつモルフォチョウ

2010年02月26日 11:00 テーマ [ モルフォチョウ ]


ディスモルフィア・ザソエ(コバネシロチョウの一種)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

マエモンジャコウアゲハチョウの一種
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

今回の旅の目的は、動物行動学者の日高敏隆先生と脳科学者の茂木健一郎さんと一緒にコスタリカの生態系、特に熱帯雨林と熱帯雲霧林の生態系をじっくりと観察することでした。

皆さんと話し合った結果、明日は蝶がたくさん捕れそうな場所で昆虫採集をしようということになりました。


クリソニムスドクチョウ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


小さな昆虫を吸虫管に移している日高先生
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

翌朝は快晴で、気温も上がり昆虫採集にはとてもよい天気になりました。蝶の通り道になっている場所を見つけた私達は、そこで捕虫網を振ることにしました。

日高先生は、短い網をとりだし地表近くの植物をすくうように採集して、網の中に入った小さな昆虫を吸虫管(小さな虫を吸い取って捕まえるための道具)に移していました。
茂木さんは解き放たれた少年のように網を振りながら蝶を追いかけていました。


その時に向こうのほうで茂木さんが「あっ!」と突然大きな声を出して勢いよく走り出しました。
よく見ると樹の茂みの向こうに一瞬飛び立った青い翅が見えました。
モルフォチョウです。

何度か網を振りながらも追いかけていく茂木さんがついにモルフォチョウを捕まえました。網からだしたモルフォチョウを日高先生も一緒にニコニコしながら見つめています。

翅を閉じた時は、褐色に目玉模様で地味に見えるのですが、その翅を開けると鮮やかなブルーが目に飛び込んできます。


ヘレノールモルフォチョウの翅を広げたところ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

この光沢のある青は、翅の表面が微細に刻まれた鱗粉の構造により光が干渉し、青い波長の光だけを反射して現れるそうです。
モルフォチョウの美しい翅の青さに自然が作り出す色の不思議な力を感じます。


ヘレノールモルフォチョウの卵
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ヘレノールモルフォチョウの幼虫。派手な警戒色を装っている。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

次回は、虫の気持ちになった話です。



Vol.07 旅の食事は・・・

2010年02月19日 11:00 テーマ [ コスタリカ ]

車窓の左にアレナル湖を臨みながら次の目的地モンテベルデに向かいました。コスタリカに到着してからもう五日間が過ぎ、やっと現地の時間や食べ物に慣れてきました。


コスタリカ最大のアレナル湖
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

キダチキンバイの花(アカバナ科)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

それぞれの国によって料理には特色があります。コスタリカの料理はメキシコのように辛い味付けはせず、素材を生かした塩味が主流で、細長いお米と小豆に似たインゲン豆が主食です。お米はインディカ米で日本のお米のように粘り気がなく、少し固めに料理されています。豆は毎回の食事に大量にでてくるのでびっくりしますが、そこは自分なりに食べ合わせに工夫をこらしたりします。


カサドというコスタリカの一般的な昼食
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

食欲のない時は、チリソースの一種だと思うのですが、“Negrini”という辛いソースをかけると食が進みました。食材の選び方や料理の仕方などの食文化の違いによって、その土地の風土と歴史を垣間みることができます。

モンテベルデの研究所に着いた時は、夕方近くになっていました。お腹がすいていましたが、夕食まで時間があったので草むらを散歩することにしました。


ノボタンの花に止まっているホタルの一種
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


水辺の木の枝に止まり獲物を探すミドリヤマセミ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

イチゴヤドクガエル。低地ジャングルの暗がりでよく見かけられる
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MacroFL-50R


寄生蜂の一種 ペレシヌス・ポリトゥラトル(Pelecinus polyturator)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

草が生い茂ったところの葉の上にペレシヌス・ポリトゥラトル(Pelecinus polyturator)と言う奇妙な形をした寄生バチの一種が止まっていました。最初は少しも動きませんでしたが、じっと見ていると後ろ脚をゆっくりと上げたり下げたりし始めたではありませんか。

その動きはまるでダンスをしているかのように見え、思わずその名演技に拍手をしてしまいました。


次回は、美しい翅をもつモルフォチョウの話です。



Vol.06 Hummingbird=ハチドリ

2010年02月12日 11:00 テーマ [ ハチドリ, ]


アレナル火山。活火山で頻繁に小規模な噴火が起こっている。E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD
動物たちにはそれぞれの活動の時間があります。
多くの鳥たちは早起きです。
夜が明ける頃から鳥たちのさえずりが聞こえてきたのでその姿を見ようと外に出てみました。声は聞こえるけれど、どこにいるのかそう簡単に見つけられません。枝からさっと飛び立ったかと思うと、またすぐに梢の中に隠れたりします。

そこで目をつぶって音に集中してみました。鳥のリズミカルな鳴き声と飛んでいる時の羽音が聴こえてきました。
ゆっくりと目を開け、その方向を見ると花が咲いている木の茂みの中をせわしく飛び交う小さな鳥に気付きました。よく見るとハチドリです。

その動きはとてもすばしっこく、一瞬のうちに目の前に現れたり消えたりします。ファインダーを覗きながらでは追いかけられません。だからこの自分の眼で追いかけ、観察することにしました。


メガリンクス・ピタングア(タイランチョウ科)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD


枝に止まり休憩中のアオボウシモリハチドリ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

エメラルドハチドリの雌。尾羽を広げて日光浴?
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

ソウロウベア・ギルギという着生植物(マルクグラウィアの仲間)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ハチドリは枝に止まらず花のあるほうに向かって飛んで来ました。花びらと向き合って蜂のようにブーンブーンと羽音をたてながら、空中に静止しているではありませんか。羽ばたきのスピードはなんと一秒間に50回以上と言われています。

ハチドリがストローのようなくちばしから舌を出して花の蜜を吸いはじめたその瞬時に無心でシャッターを切り始めていました。


蜜を吸うハイバラエメラルドハチドリ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

次回は、コスタリカの食事の話です。



Vol.05 一生同じ木に棲み続けるアステカアリ

2010年02月05日 11:00 テーマ [ コスタリカ, 昆虫 ]


サラピキ地方のパイナップル畑
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ハナシュクシャの花(ショウガの仲間)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ラ・セルバからラ・フォルトゥナの町へ移動中、探検昆虫学者の西田賢司さんが、道路沿いの草むらでちょっとユニークなアステカアリというアリを見ることができると教えてくれたので、車を止めました。


アステカアリとセクロピアのグリコーゲンの白い粒
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

西田さんは、草むらでセクロピアという木の幹を折って中身を見せてくれました。空洞になった幹の中には、細かい白いグリコーゲンの粒がいっぱい詰まっていて、そこには数匹のアリがいました。

セクロピアはアステカアリに白いグリコーゲンの粒を提供し、そのお返しにアステカアリはセクロピアの葉っぱを食べる虫を退治します。


アステカアリは一生をその木で過ごし、幹の中で命を終えたアリたちは、セクロピアの栄養源として吸収されると西田さんは教えてくれました。
そこにはきちんと蟻と植物の共存の世界があります。


グリコーゲンの粒(ミュラー体)が貯蔵されている部屋
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ある部屋ではカイガラムシを飼っていて、蜜をもらっている。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

若木のセクロピアに棲むアステカアリ。竹のように節がある。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

一本の樹の中にこんな世界があることを初めて知りました。人間は、目の前の豊かさを求めて色々なものを作りだし消費しています。その中には自然に還らないものがたくさんあります。

自然に還るということはどういうことなのか?
このアステカアリとセクロピアの循環の世界には大切なメッセージがあるのではないでしょうか。

次回は、とてもすばしっこいハチドリの話です。