この日は、風に乗ってゆっくりとなびくように降るモンテベルデ特有の細かい雨が降っていました。
しばらくすると雨も上がったので、宿舎の前にある草むらに足を踏み入れてみました。なるべくまわりの植物を痛めないようにしゃがみ込んで動かずに目の前の植物をじっと観察していました。
すると小さな虫たちが濡れた葉の裏からひょこひょこと表側に出て来ました。虫たちの仕草や動き方をいくら観ていても飽きません。
植物の一部が少し動くように見えたので、よく見ると緑色の枝のように擬態したナナフシでした。そっと近づいてみたら、枝から脚を離して地面に落ちてしまいました。触っても動きません。ナナフシの中には捕まると脚を切って逃げる者もいると言います。
今度はカメラを持ったまま地面近くまで自分の体を虫と同じようにひれ伏して観察してみました。すると虫たちが大きく見え始め、小さな草むらも虫にとっては大きなジャングルなのだと気付きました。
子供のころは蝶や虫を見つけても捕まえようと追いかけるだけだったのですが、こうして見方を変えて虫と同じ視線で森をみるとこんなにも世界が違ってみえるのだと驚きと発見の連続でした。
次回は、森の中へ行った時の話です。
コメント(1)
虫の気持ちになってモンテベルデの森の中なんて素敵な体験ですね。ほんと、小さな虫たちはどんなふうに感じているのかなぁ。
地面に落ちたナナフシは死んだふり?