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昆虫写真ブログ 熱帯の森

熱帯の森


Vol.12 命をつなぐということ

2010年03月26日 11:00

自然は私達に色々なことを教えてくれています。

森の中を歩いていると大きな木の上で、ひな鳥の声がするので、見上げると親鳥が子鳥に口移しで餌を与えていました。親は子を育てるために一生懸命餌を穫ってくるのでしょう。


メラネルペス・プチェラニ(キツツキの仲間)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

蝶を補食するズグロミツドリのオス
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

葉の上で翅を休めている一匹の蝶を見つけました。その時何か気配を感じたのでふと振り向くと、蝶をじっと狙っている鳥がいました。その視線を感じたと思った瞬間にそのくちばしに蝶をくわえてしまいました。

これが生き物達の宿命なのです。生き物は避けることの出来ない生と死というつながりによって、次の命へとつながっていきます。



体を持ち上げて前進するシャクトリムシ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

落葉の中から芽生える若木
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

森は日ごとに変化していきます。鳥が運んできた小さな種が土の上に落とされ、そこから新しい命が芽吹き、育った植物たちの葉や実を、昆虫や小動物や鳥たちが食べます。落ち葉や枯れ枝などは土の中の微生物によって分解され、再び植物の養分として土に戻っていきます。それぞれの役割を果たしながら共存して生きています。

人間も地球の生態系の一生命なのです。広い宇宙の中でたったひとつの地球。そこには、多種多様な生命が絶妙なバランスで互いの命をつないでいる世界が広がっているのです。


木にぶら下がっているミツユビナマケモノ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD


求愛中のアナルティア・ファティマ。左がメス。右が口説こうとするオス。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

朽木に生えるキノコ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

夜が明け、陽射しが森の木々を照らし始めました。
また森の新しい一日が始まろうとしています。



Vol.10 森の中の闇へと

2010年03月12日 11:00


イチジクの大木に生い茂る着生植物。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

モンテベルデの森の中に滝があるというので細い林道を降りて行きました。

昼間でも木々が密集していて足元は暗く、まだ昨日の雨でぬかるんでいました。
わずかな光が届く地上付近でも微生物や動植物の命で溢れています。

森の闇の中に入るとなんとなく怖さを感じます。そして、闇の奥に存在する何かを感じます。
闇は人が忘れている感覚を呼び起こしてくれます。闇の中でも見えなかったものが見えてくるようになります。意識下で闇があるから光を感じるのでしょう。


カメラという暗箱の中に一筋の光が入り、そこに映る像を定着させることが写真の原点です。この大きな森という暗箱の中に光を通して森の生命を見ているのかもしれません。まるで自分が植物になったかのように僅かな光でも敏感に感じます。


フリクトゥス・キンケパルティトゥス(ビワハゴロモの仲間)。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

木漏れ日がオオホザキアヤメにあたっていた。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

大きな樹の幹の根元に陽が差し込む。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

滝へと続く道の途中に大きな木が倒れていました。日が当たらないので肉眼では見えにくいのですが、その木の底を覗き込むと白い糸の様なものがたくさん垂れていました。

これは、キノコバエという昆虫の幼虫が作る罠で、そこには小さな蚊のような虫が引っかかっていました。キノコバエの幼虫は糸を引き上げ引っかかった獲物を食べます。自分が吐いた糸も、タンパク源として摂り込み、再利用するといいます。


キノコバエの幼虫の巣にかかった蚊のような虫。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

光が届かない世界。そこにも命は宿っています。暗闇の世界にも広がりを感じます。
しばらく歩いて行くと木立の間からもれてくる光の向こうから水が落ちる音が聞こえてきました。


ソクラテア・エクソリザという歩くヤシの木。気根でささえられてる。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

木の上で丸まっているヤスデの一種。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

次回は、幻の鳥ケツァールの話です。




Vol.09 虫の気持ちになって

2010年03月05日 11:00


葉先にしがみつくハムシ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

奇妙な形をしているヴェスティスティルスというツノゼミの仲間
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro


森に降るモンテベルデ特有の細かい雨
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

この日は、風に乗ってゆっくりとなびくように降るモンテベルデ特有の細かい雨が降っていました。

しばらくすると雨も上がったので、宿舎の前にある草むらに足を踏み入れてみました。なるべくまわりの植物を痛めないようにしゃがみ込んで動かずに目の前の植物をじっと観察していました。
すると小さな虫たちが濡れた葉の裏からひょこひょこと表側に出て来ました。虫たちの仕草や動き方をいくら観ていても飽きません。

植物の一部が少し動くように見えたので、よく見ると緑色の枝のように擬態したナナフシでした。そっと近づいてみたら、枝から脚を離して地面に落ちてしまいました。触っても動きません。ナナフシの中には捕まると脚を切って逃げる者もいると言います。


今度はカメラを持ったまま地面近くまで自分の体を虫と同じようにひれ伏して観察してみました。すると虫たちが大きく見え始め、小さな草むらも虫にとっては大きなジャングルなのだと気付きました。

子供のころは蝶や虫を見つけても捕まえようと追いかけるだけだったのですが、こうして見方を変えて虫と同じ視線で森をみるとこんなにも世界が違ってみえるのだと驚きと発見の連続でした。


緑に溶け込むように静止するナナフシ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro


鮮やかな赤色が緑に映えるアワフキムシの成虫
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MacroFL-50R

草むらに飛んできたカミキリムシ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

次回は、森の中へ行った時の話です。



Vol.05 一生同じ木に棲み続けるアステカアリ

2010年02月05日 11:00


サラピキ地方のパイナップル畑
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ハナシュクシャの花(ショウガの仲間)
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ラ・セルバからラ・フォルトゥナの町へ移動中、探検昆虫学者の西田賢司さんが、道路沿いの草むらでちょっとユニークなアステカアリというアリを見ることができると教えてくれたので、車を止めました。


アステカアリとセクロピアのグリコーゲンの白い粒
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

西田さんは、草むらでセクロピアという木の幹を折って中身を見せてくれました。空洞になった幹の中には、細かい白いグリコーゲンの粒がいっぱい詰まっていて、そこには数匹のアリがいました。

セクロピアはアステカアリに白いグリコーゲンの粒を提供し、そのお返しにアステカアリはセクロピアの葉っぱを食べる虫を退治します。


アステカアリは一生をその木で過ごし、幹の中で命を終えたアリたちは、セクロピアの栄養源として吸収されると西田さんは教えてくれました。
そこにはきちんと蟻と植物の共存の世界があります。


グリコーゲンの粒(ミュラー体)が貯蔵されている部屋
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

ある部屋ではカイガラムシを飼っていて、蜜をもらっている。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

若木のセクロピアに棲むアステカアリ。竹のように節がある。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

一本の樹の中にこんな世界があることを初めて知りました。人間は、目の前の豊かさを求めて色々なものを作りだし消費しています。その中には自然に還らないものがたくさんあります。

自然に還るということはどういうことなのか?
このアステカアリとセクロピアの循環の世界には大切なメッセージがあるのではないでしょうか。

次回は、とてもすばしっこいハチドリの話です。




Vol.03 蝶と向き合いながら

2010年01月22日 11:00


ドクチョウの中でも大型のオオキマダラドクチョウ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

チリメンナガボソウの花の上を飛ぶアオネセセリチョウの一種
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

コスタリカには千種類以上もの蝶が生息しているようです。

蝶の飛び方にはいろいろあります。
パタパタと一生懸命飛ぶもの、風のながれに乗ってスーと飛ぶものやスローモーションのようにふわりと優雅に飛ぶもの、ふわふわとゆっくり上下に揺れるように飛ぶものもいます。鮮やかな美しい翅で飛ぶその姿に見とれてしまいます。


ヘリコニア・シッタコラムの花とミツバチとセセリチョウ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

飛んでいるのを追いかけていっても不規則に方向を変えたり、いきなりスピードを上げたりするし、葉の上で翅を休めたと思うとまたすぐに飛びたってしまいます。

なかなかうまく撮れないので花が咲いているところに待ち伏せてみました。


ちょうどそこに一匹の蝶が花に止まり蜜を吸おうとしています。30cmぐらいのところまでそっと近づいてみました。


キジマドクチョウ、英名では「長い翅のシマウマ」と呼ばれている。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

蝶の眼は複眼で視界が広範囲なのでどこから近づいても私とカメラを写し込んでいるはずです。しかし敵意を感じないのでしょうか、飛び立ちません。
そこでマクロレンズに切り替え、さらに近づいてみました。

たぶん蝶は、身の危険を感じながらも生きるために蜜を吸うほうが大事だと判断したのでしょう。少しも動かないので蝶と向き合いながらゆっくりとシャターを切りました。

次回は、突然の雨で雨宿りした話です。


日光浴するアナルティア・ファティマタテハチョウ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

縄張り行動を取るセセリチョウの一種
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD



Vol.02 ハキリアリって?

2010年01月15日 11:00


空中トラムから見た熱帯雨林
E-3ZUIKO DIZITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

サンホセからカリブ海側へと移動の途中、自然保護区に立ち寄りトラムに乗って熱帯雨林を見た後、長い道程を経てコスタリカ北東部にあるラ・セルバのバイオロジカルステーションに着きました。

宿舎に荷物を運ぼうとしていた時、ふと足下も見るとちぎられた葉っぱがゆらゆらと地面を移動しています。
なんだろうと目を凝らして見るとハキリアリが自分の体の倍ほどもある大きさの葉を顎にくわえて運んでいるところでした。


葉を顎で担いで運ぶハキリアリ
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro


どこまでも続くハキリアリの 道と行列E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

段差のあるところもよじ登り超えていくE-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

荷物を置くのも忘れ、しばらくずっとその行進を眺めていました。
アリにとっては相当な重さだと思うのですが、かなりの速足です。 何十メートルも続く行列の途中に石などの障害物があるところでは渋滞をおこしていました。まるで人間社会の混雑をみているようです。


ハキリアリの巣の出入り口
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

「この行列はどこからどこへ繋がっているのだろう?」と想っていると、もう周囲はすっかり日が暮れてしまっていました。

ハキリアリは主に中南米に生息し、切り取った葉を地下の巣の中へと運び、菌糸を植え付けてキノコを栽培し、それを食糧としている特殊なアリです。


虫や小さな生き物の営みにそれほど興味がなかった都会育ちの私が、ハキリアリとの遭遇によって、次第にこの森に棲む生物たちの世界へと引き込まれていきました。


次回は、蜜を吸う蝶と眼が合った話をします。


アルピニア・プルプラタの花(ショウガ科)E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD