OM-D E-M1Xで撮る昆虫写真

E-M1Xで撮る昆虫写真

E-M1Xが登場した。E-M1 Mark IIの後継機種ではなく、新機軸として登場したカメラだ。特長は堅牢性がより高く、バッテリーグリップが一体型だ。これまでE-M1 Mark IIに縦位置グリップ(HLD-9)を装着していた人には朗報のカメラだ。ホールディング性はとてもよい。皆さんは望遠レンズを装着した時のホールディング性がよいと言うが、ぼくはED 12-100mm F4.0 IS PROを装着した時にカメラボディーだけを握って撮影できるのが嬉しく、主にED 12-100mm F4.0 IS PROとの組み合わせで使っている。特に手を伸ばしてチョウを撮影するにはとてもホールディング性が良い。勿論E-M1 Mark IIの機能は全て搭載されているから、この組み合わせはチョウの飛翔写真に最適だ。

2匹のチョウにピントが合うようにF6.3で撮影。もう少し絞った方がよいかもしれない。160mm相当(35mm判換算)で撮影。

手持ちハイレゾショット

E-M1Xを使って最もびっくりしたのは新機能の手持ちハイレゾショットだ。E-M1 Mark IIに搭載されているハイレゾショットは三脚使用が前提だが、野外での昆虫写真では三脚はあまり使用しない。三脚をセットしているうちに昆虫は逃げてしまう。そのため今まではほとんどハイレゾショットは使わなかった。E-M1Xでは手持ちによるハイレゾ撮影が可能になったと言うので早速使ってみた。マイクロフォーサーズで5000万画素相当*3の写真が撮れるというのはとても楽しい。この撮影には手ぶれ補正が7.5段*4も効くED 12-100mm F4.0 IS PROを使うのがよいと思う。動いている被写体には使えないが、羽化したばかりや休んでいるチョウ、熱心に吸水しているチョウには十分使える。チョウの鱗粉までもが解像した素晴らしくシャープな写真が撮れる。

カメラを地面に置いて手持ちハイレゾショットで撮影。被写体が動かなければ、チョウでも高画素で撮影が可能だ。手持ちハイレゾショットは手ぶれ補正機構を利用して撮る方式だが、マクロ撮影ではカメラはある程度は固定した方がうまく撮れる。

200mm相当(35mm判換算)で撮影

カメラを地面から少しうかせて手持ちハイレゾショットで撮影。160mm相当(35mm判換算)

プロキャプチャーモード

プロキャプチャーモードはぼくが最もよく使う機能で、撮る写真の半数以上がプロキャプチャーモードでのチョウの飛翔写真だ。プロキャプチャーモードでチョウの飛翔を撮ると、速いシャッター速度を使わなければならないので、どうしてもISO1600とか3200という高感度を使うことも多くなる。E-M1Xでは高感度時にノイズが低減されるように改善された。さらに、カードへの書き込み中に撮影内容の確認や本体の設定の変更ができるなど、ストレスなく使えるようになったことも、プロキャプチャー愛好家には嬉しいことだ。

  • E-M1X + ED 40-150mm F2.8 PROMC-14
  • 焦点距離:420mm相当(35mm判換算)
  • 絞り値:F4.0
  • シャッター速度:1/3200
  • ISO感度:1250

F4.0 1/3200秒で撮影。晴れてはいたがISO1250。本当はシジミチョウは1/4000秒以上で撮影したいところ。画質をとるか、ピタッととめることを優先するか悩むところだ。420mm相当(35mm判換算)で撮影。

フタオチョウは極めて速いので1/5000秒で撮影。よく晴れた日で、ISO320、24mm相当(35mm判換算)で撮影。

下にとまっているのはモンキアゲハ。飛んでいるのはオオクビワチョウ。両方にピントを合わせるため、斜め後ろから撮影。開放で1/4000秒、ISO800、140mm相当(35mm判換算)で撮影。

深度合成の進化 より短い時間で、確実なフレーミングが可能になった

カメラ内深度合成が大幅に進化したのもE-M1Xの特長の一つだ。拡大撮影になることの多い昆虫写真では、絞っても全体にピントの合った写真は撮れない。カメラ内深度合成はカメラがピントをずらしながらカメラ内でピントの合った部分だけを合成してくれるモードだ。今までは8枚撮って合成していたのが、3~15枚まで撮影枚数を選べるようになった。このことで、必要な部分だけにピントを合わせることが可能になった。
大きな昆虫はF5.6かF8で3枚か4枚撮れば十分にピントが来るが、2cmぐらいの小さな昆虫や、顔のアップなどを撮るには8枚では足りなかったので10枚以上の枚数を選ぶ。枚数が少ないほど撮影にかかる時間も短い3~4枚なら瞬時で撮影が終わるから、触角が動いてしまうことも少なく、成功率は格段に高くなる。またED 12-100mm F4.0 IS PROとの組み合わせでは、手ぶれもほとんど気にしなくて良いレベルまで進化した。
カメラ内深度合成では、周辺がカットされた画像が生成される。E-M1Xでは深度合成枠がファインダーに表示されるので、撮ったら、脚がかけてしまったなどと言うことがなくなった。フレーミングが安心してできるようになったことで、より使いやすくなった。

深度合成枠が表示されるようになったので、フレーミングがやりやすくなった。従来だともう少し小さく撮らないと、前脚が欠けたりした。132mm相当(35mm判換算)で撮影

※文中の焦点距離表記は35mm判換算です。

  • *3:RAW+JPEGモードでは、50M JPEGまたは25M JPEG、80M RAW(ORF)、20M RAW(ORI)の3種類が保存されます。
  • *4:使用レンズ:ED 12-100mm F4.0 IS PRO焦点距離 f=100mm(35mm判換算200mm相当)、半押し中手ぶれ補正:OFF、フレームレート:高速、CIPA規格準拠、2軸加振時(Yaw/Pitch)

ページトップへ戻る