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Earth Color


Vol.06 失敗を恐れずどんどん撮影すべし!

2009年12月24日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

ブレークアップの瞬間。天空が裂け、眩いばかりの光が降り注ぐ。 大自然が繰り広げるスペクタルショーの前では、余程冷静な人間でない限り、引き込まれてしまい写真を撮り続けることは難しい。

頭上に広がるブレークアップで、眩いばかりの光が広がる。この光景には恐怖感さえ感じる。ISO320、15秒で撮影。E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

事前情報を頭に叩き込んでいても、初めてのオーロラ撮影は戸惑うことが多い。ヘッドライト頼みの真っ暗闇、そして耐え難い寒さ。冬の撮影ならば-10℃は当たり前、時には-40℃になる可能性もある。 寒さ対策は次回に持ち越すとして、まず暗闇でも自分のカメラを自在に操作できる練習をする。通常撮影のように手に持った状態ではなくて、三脚に装着した状態で思い通りの操作ができることが重要。手の中では慣れで難なく操作できても、三脚装着状態では微妙に感覚が異なる。

やっと撮影した貴重なオーロラ写真は、再生してチェックする。その結果を2枚目以降に生かすプロセスは、前回までに触れてきた。
この時、失敗作でも決して消去してはならない。メモリー容量に限りがあるのでついつい消してしまいたくなるのだが・・・。

オリンパスEシリーズ、ペンシリーズとも、撮影時に「仕上がり」や「シャープネス」「コントラスト」「彩度」「階調」などを設定できる。E-30以降のモデルなら、アートフィルターでオーロラを撮影しても楽しい表現ができるだろう。

撮影時にはガッカリした失敗作も、落ち着いて見直すと違う認識が生まれることがある。ホワイトホース市街地の灯りで赤く色付いた雲が邪魔したが、変わった雰囲気の写真になった。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ところが、撮影の現場で細かな操作は難しい。いちいち結果を細かく確認していたのでは時間の無駄。オーロラはどれくらいの時間出ているのか分からないのだから、撮影に集中するべきだ。
こんな時には、オリンパスが提供している画像ソフト「OLYMPUS Master 2」、或いは別途購入する「OLYMPUS Studio 2」(両者の違いは、写真のセレクト機能とRAW現像機能の充実度の差)の純正ソフトが便利。
RAWで撮影しておけば、後から設定の変更や(E-3以外ならば)アートフィルター加工を加えることができるのだ。

OLYMPUS Studio 2で甦ったオーロラ。目視では確認できなかった空を覆うグリーンや上端の紫が浮かび上がった。

ISO200、15秒で撮影したが失敗。確認後、ISO感度を上げて撮影を続けた。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

E-3がそのまま出すJPG画像には大変満足していたので、今まで僕はJPG(画質はラージスーパーファイン)のみで撮影してきた。E-3の画像は対応していないが、対応機種で撮影した画像をアートフィルターで遊んでみたいので、今後はRAW+JPG(JPGはパソコンでの確認やブログで簡単に使いたい時用)で撮影して「OLYMPUS Studio 2」で現像することに決めた。

「OLYMPUS Master 2」「OLYMPUS Studio 2」で補正すれば、失敗作でもそれなりに見栄えを整えることができる。画質は若干落ちたとしても、ゼロではない。何より貴重なオーロラ写真、0か1(0.5でも)ならば僕は後者を選ぶ。

OLYMPUS Studio 2で加工すると、複雑な形のオーロラと微妙なグラデーション浮かび上がり、撮影時の感動が甦ってきた。

繊細なオーロラをISO200、15秒で撮影したが、真っ暗で何が何だか分からない写真になってしまった。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

20日からは一足先にオーロラ撮影のためユーコンへ向かう。E-P1で撮影したオーロラ写真や、バッテリーの消耗、記録メディア、撮影時に知っておきたい小技をユーコン現地からレポートする。


定点撮影で、ISO設定を変えて画像比較をしながら約50分間に86カットを撮影、それを繋ぎ合わせオーロラの動きを再現した。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye


Vol.05 ひと味違ったオーロラ写真

2009年12月16日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

天空が割れるような激しいオーロラを、ブレークアップという。しかし、この壮大な天空ショーには、なかなかお目に掛かれないのが現実だ。今回は、静かに控えめなオーロラを、キラリと光るオーロラ写真にする撮影テクニックの話をお届けする。

まずオーロラ撮影は、イメージを膨らませながらロケハンから始まる。
今回訪れるホワイトホースならばオーロラベルト(※)の南に位置するので、オーロラは北の方角に現れる。コンパスやGPSを使って大まかな方角を把握してなるべく開けた場所を捜す。次に三脚を立てメインで使用するレンズを装着、こうして明るいうちに全体の構図を大まかにチェックする。

レンズのピントは無限大に合わせて、テープで固定すれば撮影中にずれる心配がない。
距離目盛りが付いているレンズならば∞のマークに合わせるのだが、意外とこの範囲がアバウトなので一度風景を試し撮りで確認することを薦める。

※オーロラベルトとは?
地磁気極を中心に地球の両極にドーナツ状にオーロラは現れ、その位置は地磁気緯度で65〜70度になる。


北極圏という言葉に駆り立てられるように、頻繁にユーコンを目指す。フラッシュをたいて、北極圏のモニュメントを浮かび上がらせた。撮影の定番、ISO200、F2.8、15秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

この時、漠然とオーロラだけを写しても、何の面白みもない。山や針葉樹のシルエットなど風景を写し込めばオーロラのスケールが表現できる。また、街路灯や建物の窓灯りなど、アイデア次第では面白い演出ができる。

森の中から立ち上がるように現れたオーロラ。ISO400、F3.5、60秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye
スプルースの森の中、灯りがついたティピーを入れアクセントにした。ISO400、F3.5、60秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

今回宿泊するインオンザレイクは、マーシュ湖畔の北側に位置している。湖は凍っているので、湖上に出て撮影すればロッジの灯りが良いアクセントになる。
何本かのレンズを使用するならば、同じように予備レンズもテーピングしておく。

E-30、E-620、E-P1、E-P2には電子水準器が付いているので、撮影中でも簡単に水平が出せる。微妙に傾いているのは気持ちが不安定になるが、水平が必ずしも良いとは思わない。被写体の迫力が表現できれば、思い切りアングルをつけても面白い写真が撮れる。

たき火で暖をとりながらオーロラを待つと、薄い三筋のオーロラが現れた。ISO200、F3.5、3.2秒で撮影。 (E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

写し込む対象物が近くにあれば、フラッシュを使用するのも面白い。加えて人物やテントなどを浮かび上がらせれば、臨場感を上手に演出できる。
この時、問題がひとつ。

ロケハンでレンズは無限大に合わせているので、そのままでは手前の被写体はぼけてしまう。しかし、真っ暗な中ではフォーカスを合わせるのは至難の業だ。

こんな時は、オートフォーカス設定に戻しヘッドライトを被写体に当てピントを合わせ、再びマニュアルモードに変更してピントリングをテープで固定する。特にE-3は暗所でのオートフォーカスに優れているので、この方法は有効だ。


刻々と変化するオーロラ。当然、ロケハン通りに行かないことは多々ある。そんな時の対処法も紹介しよう。

暗闇の酷寒。この環境下では、自分の行動もままならない。慌ててばかりでは仕方がないので、まずゆっくりオーロラを眺めてみよう。
そのなかで「どうしたいのか」「どんな写真が撮りたいのか」を落ち着いて考える。その為に「どんなレンズを使おうか」「こんなアングルで撮影したら面白い」と、あなたのイマジネーションを自由に働かせる。慌てる必要はない。

満月の夜、ツンドラの原野で待ったオーロラは言葉にできない。その感動を表現するために、自分のシルエットを写し込みISO800、F3.5、15秒で撮影。
(E-510/ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

もしヘッドライトだけでは視界が限られるならば、大きめのランタンを灯して身の回りを整理するのも手だ。
但し周囲に他のカメラマンがいる場合は、点灯には注意が必要だ。これはオーロラ撮影の大切なマナー。まず一声掛けてから!

僕の場合、一人でいることを大切にしているので、初めから一人でいられる場所を選択しているが・・・。



Vol.04 オーロラ撮影に使うレンズは?

2009年12月09日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

前回はISO感度設定を変えながら撮影するコツを紹介したが、今回はどんなレンズを使えば良いかの話をしよう。
夜空一杯に広がるオーロラをカメラに収めるには、画角は広い方がよい。理想を言えば、35mm判換算で20mmほどあれば、ダイナミックに切り取ることができる。それでは、オリンパスの誇るズイコーレンズ群の中から、オーロラ撮影に適したレンズをピックアップしてみよう。


頭上に迫るオーロラをISO320、シャッター速度を15秒、焦点距離14mmで撮影。ファインダーを覗きながら、臨機応変に画角を変更する柔軟さも必要だ。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

まず、E-3の標準ズームレンズとして汎用性の高い【ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD】(ハイグレード)は、日中は風景を撮影したままオーロラ撮影に移行できるオールラウンダー。山に入って撮影するなど機材を最小限に抑えたい時は、迷わずこのレンズを選ぶ。
加えて【ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD】(ハイグレード)と【テレコンバーターEC-20】があれば、描写と機動性を両立できる最強の組み合わせになる。


絡み合うような複雑なオーロラを、ISO200、シャッター速度10秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

ED 12-60mmの登場で中途半端なポジションになった感がある【11-22mm F2.8-3.5】(ハイグレード)だが、11mm(35mm判換算22mm)F2.8の"単焦点レンズ"と考えれば魅力的な存在。焦点距離の差は僅か2mm(35mm判換算)でも、『たかが2mmされど2mm』なのだ。
ズイコーレンズ群の中、画角の広さと明るさを備えているのでオーロラ撮影必携、コストパフォーマンスの高い1本と言える。

それでも、夜空いっぱいに広がったオーロラを表現することはできない。そこで、変化球として使いたいのが【ED 8mm F3.5 Fisheye】(ハイグレード)だ。多用するとワンパ ターンになりがちなこのレンズだが、独特の世界観を表現できるお気に入りの一本だ。

ISO感度を変更しながら撮影するスタイルは、このレンズを使ってどう撮影するかの試行錯誤から生まれた。 視界の広がりを表現したい時は横位置で、頭上の空間的な広がりを表現したい時には縦位置でと、オーロラの出方やロケーションに応じてポジションを変えれば全く違う表現ができる。


ED 8mm Fisheyeを使い、ISO800、シャッター速度25秒で横位置撮影。下の弱い光は微妙な線が出ているが、上の強い光は潰れてしまった。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye


頭上に広がるオーロラの優しい光。ISO1000、シャッター速度40秒で縦位置撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye

年末、20日から再びユーコンにオーロラ撮影に行くが、今回、是非持っていきたいのが次の2本のレンズ。

まず、明るいレンズの筆頭【ED 14-35mm F2.0 SDW】(スーパーハイグレード)は、F2.0通しなのでオーロラの出方に応じて多彩な画角変化が楽しめる魅惑の1本だ。
そして、是非チャレンジしたい【ED 7-14mm F4.0】(スーパーハイグレード)は、ズイコーレンズ群一の超広角レンズ。こいつの実力の高さは、周知の事実。少し暗いのが難と言えば難だが、小技を駆使してどんな表現ができるかが楽しみ。

合わせて【ED 9-18mm F4.0-5.6】(スタンダード)も持って行こう・・・待てよ、その前にそんなに頻繁にオーロラが出るのか?
それが一番の問題だ!





Vol.03 デジタルカメラのオーロラ撮影

2009年12月02日 11:00 テーマ [ オーロラ ]

今回からは、オーロラ撮影の具体例を紹介しながら、話を進めていく。

オーロラは常にその形を変え続けているので、シャッター速度が遅いとオーロラがぶれてしまう。オーロラ撮影には明るいレンズがベストとされている理由だ。
確かに明るいレンズのメリットは大きいが、個人的な意見としてはデジタル時代には決定的なデメリットにはならないと考えている。


デジカメなら誰だってオーロラ撮影は可能だ。僕はまずISO200、15秒で一枚目を撮影することが多い。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

デジタルカメラの最大のメリットは、ISOを自由にコントロールできること。このメリットを最大限に利用すれば、誰だって簡単にオーロラ撮影ができる。

一般的に高感度に弱いと言われるフォーザーズだって、その特性と上手に付き合っていけば良いのだ。


僕の撮影プロセスはこうだ。
撮影モードはマニュアル、シャッタースピード15秒、F値は開放に設定する。リモートケーブルがあればより良いが、必須ではない。ISOはまず200に設定し様子伺いをする。
ノイズリダクションは処理に時間が掛かるのでOFF。
仕上がりやシャープネス、コントラスト、彩度、階調は個人の好みで良いと思うが、RAWで撮影すれば、オリンパスのソフト(OLYMPUS Studio 2/OLYMPUS Master 2)で後から自由に変更できる。後でできることは後回しにして、とにかく撮影に集中する。

撮影後、画像を再生してチェックする。必要ならば5倍に拡大すると良い。
オーロラが弱くハッキリ写っていなければ、ISOを一段、更に一段と変えながら撮影していく。


設定はISO320、F4.0、15秒で撮影。オーロラにメリハリを付けたければ、彩度をあげると記憶に近い色になる。
E-3ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

ISO400、F2.8、15秒で撮影。オーロラの強さが刻々と変化する中で、やや弱い周期の撮影だった。こんな時はISOを一段上げるようにしている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

E-3の場合、状況に応じてISOを250-320-400と変え、ISO400辺りをひとつのラインにしている。ISO400を越えると、撮影条件によってはノイズが目立つようになるが、僕はISO800までは躊躇なく使っている。限られたチャンスをものにするには、ノイズにこだわるよりも、まずカメラに収めることが最優先だ。


ISO800、F3.2、15秒で撮影。ISO800になると星も映し込めるので、良いアクセントになっている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

但し、高感度での長時間撮影はノイズが極端に目立つようになるので注意したい。
数日間の撮影日程ならば、初日にピクセルマッピングを行うことを薦める。

※ピクセルマッピングとは──
撮影素子の画素に欠損が生じた際の補完など、CCDと画像処理機能のチェックと調整を同時に行う機能。カメラのメニューから設定できる(未対応機種もあり)。


ISO1000、F2.8、15秒で撮影。ピクセルマッピングを事前に行っていれば、もう少しノイズは押さえられただろう。 E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ISO3200、F2.8、15秒で撮影。ISO3200ではノイズがかなり目立つ反面、優しい輝きが表現できている。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

愛機E-3は、オリンパスの現行ラインナップでは一番古いモデルになってしまった。
後に登場した、E-30、E-620、E-P1/E-P2は高感度特性が向上しているので、限界はもっと高くなっている。この冬、是非E-P1でオーロラ撮影をしてみたい。

今回はオーロラの強さとISOの関係を見て頂くために、シャッタースピード15秒の写真をピックアップした。オーロラが強ければ、10秒、8秒とシャッタースピードを速くすれば良い。

現像所でポジを受け取り開封するまでの緊張感、ライトボックスで対面した時の興奮・・・
もう過去のものだ。


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