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Earth Color


Vol.10 行ってきましたオーロラ撮影ツアー!(その1)

2010年03月03日 11:00

ユーコンの大自然を堪能!

このブログを通じて募集していた、極北のカナダ・ユーコンオーロラ撮影会。いったいどんな旅だったのか? 2回に分けて報告する。

ユーコン準州の街や道の位置関係がひと目でわかる簡略化地図はこちら
※クリックでウィンドウが開きます。


バンクーバーから小型機で2時間、ユーコン準州の州都ホワイトホースに到着する。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

成田空港を19時のAC004便で発つと、冬季オリンピックで盛り上がるバンクーバーには同日10時に到着。さらに目的地ユーコン準州の州都ホワイトホースへは、国内線に乗り換え約2時間、14時過ぎには到着する。
旅の予定は4泊5日、到着した晩からオーロラ撮影のチャンスがやってくる!

マーシュ湖畔にあるインオンザレイクロッジまでは、約50kmほど。ロッジに向かう前に、市内のマーケットに寄り食料品などの買い出しを行う。ロッジの場所は大自然のど真ん中、コンビニなどはない!


今回宿泊したマーシュ湖畔に経つインオンザレイクロッジ、本館はログハウスのお洒落な外観を持つ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0


ロッジに宿泊していた仲間が集まり、防寒具を着込んでオーロラ撮影に挑む!
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

インオンザレイクロッジは食事ができる本館と、森に囲まれた4棟のコテージからなる。コテージは自炊設備も整っているので、自分の家で暮らすように極北の生活が堪能できる。もちろん今回は、コテージに宿泊した。

真冬のユーコン・・・気になる温度だが、幸いなことにマイナス15度前後と暖か(?)な日が続いている。東京でこんな温度になれば大変なことになるが、空気が乾燥しているせいか、厳しい寒さとは感じないから不思議だ。


チェックインの後、周辺を自由に散策。
夕食の後、一旦部屋に戻り撮影準備を整え、23時に集合し暖かな室内でオーロラの話しで盛り上がりながらタイミングを待つ。0時過ぎ、北の空に兆候が現れ凍ったマーシュ湖の上に移動を開始する。空には満天の星、どんなオーロラが現れるのか期待が高まっていく。

暫くすると北の空が、淡いグリーンに輝き始める。見上げるような激しいオーロラは出なかったが、オーロラの状態に応じて設定やアングルを変えて夢中で撮影を続ける。途中で休憩を入れながら、結局4時過ぎまで撮影が続いた。


極寒の中、凍った湖上にでてオーロラ撮影。残念ながら遠方に現れただけで、激しいオーロラは撮影できなかった。ISO800、30秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

翌日は朝9時にロッジを発ち世界遺産クルアニ国立公園への観光フライトへ。カナダ最高峰のローガン山(5,959m)を中心に、世界最大規模の氷河が創り出す絶景を堪能する。


世界遺産になっているクルアニ国立公園への観光フライトは圧巻。高度3,000m、氷河の奥に標高5,959m、幻の山ローガン山が現れた。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ローガン山は広大な氷河に囲まれているため、平地から見ることはできない。また太平洋から入り込んだ湿った空気が山塊にぶつかり雲になり、その姿を現すことは滅多にない。ローガン山が、幻の山といわれる所以だ。

さらに天候が安定しない季節、入念に天候をチェックしてフライトは決行された。4人乗りの小型機は明るみだした飛行場を離陸し1時間ほどでクルアニ国立公園に到達、朝日に映える氷河の中を漂うように進んでいく。


クルアニ国立公園は世界最大の氷河地帯、幾つもの氷河がぶつかり大きな流れを作る。カスカウルシュ氷河上空で。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


自炊設備が整ったコテージを貸し切り、極北の生活を堪能できる。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

正面には、赤く照らされたローガン山が見えている。シーズンに10日とない最高の天候に恵まれ、まるで夢の中にいるような不思議な時間を満喫した。

2日目の夜、次第に曇が増え始め、厚い雲が夜空を覆う。前日と同じように遠方にかすかなオーロラが現れたが、日本を発ってからノンストップで遊び続けたため疲れが溜まっている。
好転が望めないと判断し、早めの就寝となった。




Vol.09 雪と氷の3,900kmドライブ(その2)

2010年02月10日 11:00

ホワイトホースへ帰ろう!


ツンドラの荒野。微妙な色彩の優しいオーロラが現れた。ISO800、60秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 11-22mm F2.8-3.5

引き寄せられるように到着したツクトヤクツクは、人口1,000人の小さな町。住民の殆どがイヌイットで、大規模な油田開発や東西冷戦のレーダー基地などで発展した町だ。

この時期、11時過ぎに明るくなり15時には暗くなる、太陽は全く顔を出さない。薄暗い町を走りながら、宿泊施設を探すがなかなか見つけられない。観光客が来ない冬期は閉まっているのだが、頼み込んでB&B(家族経営などの小規模な宿泊施設)を開けてもらい、どうにか一夜の宿を手に入れることができた。帰国便は8日後、日程にはまだまだ余裕がある。

夜、オーロラは厚い雲に阻まれ現れず、風が強くなり何度も目が覚める。窓の外は地吹雪で真っ白、嫌な予感が徐々に高まっていく。朝を迎えても状況は変わらず、アイスロードが通行止めになっていることを知らされる。
「帰れない」

この日は大晦日。夕方には天候が回復し、新年を迎えると銃やクラクションなど音が出る物が一斉に鳴り始め、スノーモービルが町中を走り回る。新年を迎える光景は、どの国も同じようなものだ。
暫くすると待ちに待ったオーロラが現れ、小高い丘に登り極北のオーロラを堪能。しかし、数時間後にはまたブリザードで真っ白な世界に逆戻りした。

元旦は、一日中ブリザードが吹き荒れ部屋の中に缶詰。翌朝も天候は変わらず、「帰国便に間に合わないのでは・・・」と焦りが募る。こんな気持ちを察してか、隣の住人が昼食に招待してくれ、ベルーガやカリブーなどのイヌイット料理を頂いた。

午後遅くブリザードが去り、夜空いっぱいにダイナミックなオーロラが現れた。しかし直ぐにアイスロード開通とはならない。まず町の除雪作業を優先、数台の除雪車は朝からフル稼動している。町の中を歩いていると「明日の朝にはアイスロードが開通するから心配するな」と人々が声を掛けてくれる。


ツクトヤクツクを代表する1931年建設のカソリック教会とオーロラ。ISO200、4秒、F2.0、お気に入りのZUIKO DIGITAL ED 14-35mmで撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD


「さぁ帰ろう」整備されたアイスロードを走り始めると、西の空が次第に明るくなっていく。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ツクトヤクツク最後の晩、またしても素晴らしいオーロラが現れた。町の最北まで移動して撮影を始めるが、冷たい風が雪を巻き上げ極北の寒さが襲いかかってくる。撮影を終えて引きあげる時、アイスロード周辺では幾つもの光が行き来している。夜を徹して除雪作業が行われている。

残り時間は3日間、ここまでは時間を掛け小刻みに来たが、帰りは制限時間付きで一気にホワイトホースへ、1400kmのロングドライブだ。


翌朝、オープンと同時に一番乗りでアイスロードに入り、除雪作業中の中を進む。特に吹きだまりには注意が必要で、不用意に突っ込むとスタックして動けなくなってしまう。それでも緊張感は往路には及ばない。知っているということの安心感が心強い。

イヌビックで給油、デンプスターハイウェイで峠を越えユーコンに戻り、日が変わる頃イーグルプレインズに到着し一安心。
夕食の準備をしていると、かすかな光が立ち上っている。

「オーロラが来る」


アイスロードで出会った犬ぞりの一行はツクトヤクツクに向かう。シンプルな交通手段だが、故障のない確実な手段だ。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD


寒さの余り、雪の中に屈み込んだ。小動物が見上げるとオーロラはこんな感じに見えるのだろう。ISO800、20秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD

静かで優しいオーロラが、夜空に大きな橋をつくる。ふかふかの雪の中に腰を下ろし、オーロラを見あげる。吹きさらしにいるより、雪に埋もれている方が暖かい。

結局、寒さに耐えきれず撮影を切り上げた、仮眠の準備を続ける間もウインドウの外にはオーロラがゆらゆらと揺らめいている。


朝、サイドミラーに映った真っ赤な朝焼けで目が覚めた。久しぶりに見る輝きに、気力が漲ってくる。給油を済ませ、また走り始める。残り850km、焦らず慎重な運転を心掛ける。

目一杯走り、疲れたら仮眠を繰り返し、翌朝には無事にホワイトホースに帰着。どうにか帰国便には間に合った。

ある程度の悪天候は計算していたが、最後の一週間は天気予報と睨めっこで大いに緊張感を味わった。


目が覚めるような鮮やかさ。この3時間後には、夕焼けを撮影しているから面白い。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

極北カナダの厳しさとそこで生きる人々の暖かさ、美しいオーロラ、野生のカリブーと価値ある貴重な旅になった。少々無謀なドライブではあったが、変わりゆく地球の色を自分の目に焼き付けることができた。



Vol.08 雪と氷の3,900kmドライブ(その1)

2010年02月03日 11:00

ベーリング海の町ツクトヤクツクへ!

今回は、年末に出かけた無鉄砲なオーロラ撮影の話し。
一足先にユーコンに向かったことは前回冒頭で触れたが、到着と同時に寒波に見舞われいきなり-30℃の中に放り込まれた。ホワイトホースでツアーの打ち合わせとロケハンを済ませ、4日目の夜、オーロラを求め北上を開始した。


どこまでも続く雪の道を慎重にドライブ(デンプスターハイウエイで)。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

ユーコン準州を北に伸びるクロンダイクハイウェイ(2号線)、フロントウインドウの向こうにはオーロラがゆらゆらと輝いている。視界が開けると車を止めて撮影、そしてまた走り出す。明け方には力尽き、車の中で朝まで仮眠した。

目が覚めるとまた走り出す。
昼過ぎに北極圏に続くデンプスターハイウェイ(5号線)に入るが、ガソリンスタンドがあるイーグルプレインズは370km先、日照時間が短いので到着する頃は真っ暗になってしまう。交通量の少ない荒野の雪道、リスクを避けて引き返し最寄りのモーテルで一泊、翌朝再チャレンジすることにした。

朝9時に出発、明るくなるのは11時頃なのでまだ真っ暗。今回の旅のもう一つの目的は、季節移動で南下しているカリブーの群れを撮影すること。2008年には南下している群れを待ち受けたが、この旅では南下した群れを捜す。


野生動物を追いかけて雪原へ。
E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

カリブーは、雪に埋もれた地衣類を食料にしている。 夏の景色を思い出しながら、地衣類が広がっているであろう場所に車を止め雪原に分け入る。

雪に埋もれブッシュをかき分けて進むと、目の前に400〜500頭の大群が現れた。夢に見た光景が眼前に広がっている。静かに近づき夢中でシャッターを切る。接近し過ぎたのか、僕の存在に気が付いてカリブーは小走りで離れていった。


冷たい風は雪を巻き上げ、厚い霧が僅かな明るさを遮る。人間にも厳しい環境だが、撮影にも厳しい条件だ。マグネシウム合金のボディは冷たくなりやすいが、体感-40℃以下になってもノントラブルで撮影を続けられた。タフなE-3は心強い。


霧の中、季節移動で南下したカリブーの群れを発見。
静かに忍び寄って夢中でシャッターを切った。

E-3ZUIKO DIGITAL ED 300mm F2.8

イーグルプレインズに到着したのは、午後4時過ぎ。クリアーな夜空を期待していたが、雪雲に覆われている。さらにこの晩から3日間、ブリザードのため北に向かう道は通行止めになった。

イーグルプレインズの標高は約800m、更に北に進み峠を越え隣のノースウエスト準州に入れば、限りなく広がるマッケンジーデルタと呼ばれる平野部に出る。「そこでオーロラを撮影しよう!」


開通を待って、陸路で行ける最北の町イヌビックを目指して走り出した。距離は370km。
イヌビックには2日間滞在。この間、決して太陽の活動は活発ではなかったにも関わらず、毎晩オーロラは現れた。

凍ったマッケンジー川に車で乗り入れ、氷上での撮影。希に通りかかる車は、停車している僕の車を見つけると傍らに停車し『何かあったのか、大丈夫か?』と必ず声を掛けてくれる。厳しい自然の中、ひとつのトラブルが生死に関わるからだ。


イヌビック近郊、凍ったマッケンジー川の上に
出現したオーロラ。ISO200、10秒で撮影。

E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD

連夜のオーロラ撮影で一安心、気分を良くした僕はもっと北に行きたいと考えた。冬の間だけ、凍ったマッケンジー川からベーリング海の町ツクトヤクツクまで、194kmの氷の道・アイスロードが開通する。

「どんな町なのだろう?」「オーロラベルトの北側に位置するツクトヤクツクでは、南の空にオーロラが見えるのだろうか?」・・・沸き上がる好奇心を押さえられない。

ユーコンに来て11日目。アイスロードを走り出し、時速30km/hの超低速運転で極北の町を目指す。アイスロードは波のようにうねっていたり、亀裂や小さな段差が所々にあるので、乗用車ではこの速度が限界だ。


例年のアイスロードは鏡のようにフラットで、時速100km/hで走行できるのだとか。今年の状況は異常のようで、亀裂や段差がない場所を探しながらアイスロードのルートは頻繁に変更されている。これも地球温暖化の影響なのだろうか。

やっとの思いで辿り着いた最果ての町、ツクトヤクツクで出会ったオーロラ。ISO200、10秒で撮影。
E-3ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD



Vol.02 オーロラ撮影は、北の大地ユーコンで!

2009年11月25日 11:00


ユーコンの自然は、呆れるほど何もない。E-3ZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4.0 SWD

【そこでしか撮れない写真】という言葉を大切にしている。
至極当然のことだが、僕の思いはこうだ。
冒険家が大きなリスクを負って辿り着く至高の場所ではなくて、誰でもチョットの頑張りと小さな勇気があればいける場所へ。準備やアプローチを楽しみ、自分が置かれている環境をアクティブに楽しむ。


結果が得られない好例が野生動物。カリブーを求めて荒野をひたすら歩いても、空振りに終わることの方が多い。
E-510/他社製レンズ

目を見張る風景や追いかけ続け出会えた野生動物、パラグライダーに乗って空から見た景色、荒野でひとり待ち続けて見るオーロラなど・・・
一枚の写真は、"そこ"を求め続けた結果として生まれる。
もちろん、結果を得られない場合もある。


光栄なことに、今回、オリンパスが1月と2月に開催するオーロラ撮影会に同行させて頂くことになった。
僕はこの機会を通じて、単なるオーロラ撮影旅行ではなくて、ユーコンの自然に向き合い、五感をフルに働かせ美しさやスケール、厳しさを感じる旅にしたいと考えている。

舞台になるユーコン準州は、カナダ北西部に広がる広大な大地。
面積は日本の約1.3倍、西はアラスカ州、南はブリティッシュ・コロンビア(BC)州、東をノースウエスト準州、そして北は北極海のボーフォート海に囲まれている。
多くが針葉樹林帯、いわゆるタイガと呼ばれる亜寒帯森林に覆われ、北緯66度33分は北極圏(アークティックサークル)で極北の入口になっている。
ユーコン川を流れに委ねてゆっくりと下る。川面からみる風景はひと味違う。
ユーコンを最も有名にしているユーコン川は、BC州アトリン湖を源流とし、ユーコン準州からアラスカ州(USA)を経てベーリング海に注ぐ全長3,185kmの川。

先住民ルーシュー族の言葉で【最も偉大なる川】の意味を持つ『ユーコー』に由来し、1800年代に頻繁に訪れていたイギリス商人が、この地方を『ユーコン』と言ったことが始まりだ。


ユーコン準州の州都ホワイトホースには、人口の75%が集中する。
州都ホワイトホースへは、バンクーバーから国内線で約2時間。午後に成田を発つと、夜には現地に到着してオーロラ撮影が始まる。
ところが、一般的なオーロラ鑑賞ツアーは、街中に宿泊し夕食後に郊外にある専用施設に移動する。どんなにオーロラが出ていても、ツアー終了時間が決まっているので、後ろ髪を引かれながら帰らなければならない。自然現象をツアー予定に組み込むことは難しい。

その点、今回のツアーはかなりスペシャルだ。郊外のロッジ滞在なので、日中にロケハンして自分らしい"そこ"を捜しだし、自分のペースで思う存分撮影に集中できる。存分に五感で地球を感じて欲しい。

ホワイトホースの夜、ユーコン川上空に現れたオーロラ。

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