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E-SYSTEMで世界の旅を届ける 地球クルーズ 第1章

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2008年10月

 

Vol.12 エピローグ 地球を巡る様々な出会い

2008年10月28日 11:00 テーマ [ ]

船旅カメラマンとなって節目の十年を迎えました。
カメラを持ち、写真を撮るようになったのはそれから数年以上さかのぼりますが、船旅カメラマン自体は客船専属の写真師としての仕事がきっかけでした。
そして船旅というジャンルに携わるようになって以来、この仕事の魅力でもあるのですが、様々な出会いに恵まれました。船上での出会い、寄港地での出会い、船を追って旅したときの出会い。それは時に人との出会いであり、また自然との出会いでもありました。
ボクはあるときから、人との別れに切なくはなりますが、悲しみをあまり覚えなくなりました。
20数年前の流行曲の冒頭で「さよならは別れの言葉じゃなくて、再び会うまでの遠い約束...」とありますが、きっと縁があればまた会える、そう思うといつかくるその日がとても楽しみになります。

昨年2007年秋にフランス・リヨン在住の友人宅を訪れ、10数年ぶりに再会しました。そのときもその長い長い年月を感じることはほとんどありませんでした。
縁とはそういう見えないけれども、感じるものかな、と思います。


おもちゃのカメラで遊ぶ仲良し2人組 ハバナ/キューバ (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

牧場見学に来ていた子供たち。顔をペインティングしたりして何かを演じていた。 ダブリン郊外/アイルランド (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

地球を巡り、旅するとき、一番楽しみなのは世界中の子供たちに出会えることです。
月並みな物言いかもしれませんが、彼らの瞳には無限の可能性が見えます。「ボクでは到底かなわないな」と感じる何かです。
そして雄大な自然の前に一人立ったとき、やはり「到底かなわないな」と同じ感覚を覚えます。
そんな彼ら子供たちや雄大な自然をレンズ越しに眺めているとき、とても幸せな気持ちになります。それはどことなく普段疎かにしてしまう謙虚さを感じるからかもしれません。


山の上に家が建つスラム街 ミルクのような飲み物を片手にニコリと笑ってくれた。 カヤオ近郊/ペルー (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

南インドの人たちは表情が柔らかい。撮影でお世話になったドライバーさんの息子とお孫さん コーチン/インド (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

マオリの村を訪れた。カメラは交流の手段。 オークランド郊外/ニュージーランド (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

木の陰は意外に涼しい。はにかむ彼女たちをパチリと。 ラバウル近郊/パプア・ニューギニア (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

2008年盛夏、新しい家族が増え、長男の名前を「和帆」と名付けました。
学生時代、ボクは体育会ヨット部に所属していました。
ヨット部時代はカメラ(写真)とは無縁でしたが、カメラマンとしての礎となったのは帆に風を受け、気がつけば海にいたあの頃の要素が強いように思っています。最初は一枚の帆で自分自身の道を切り開くという意味合いから「一帆」に命名しようと思ったのですが、一枚の帆よりたくさんの帆のほうがより風を受け、より自由に進むことができることから、「和」という字を選びました。


イスラムの国の子供たちは仕草がとても優しく、はにかみやが多い。 トリポリ郊外/リビア (E-300 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

教会の孤児院を訪ねた。自立した生活を目指し、子供たちは強く生きる。 リオ・デ・ジャネイロ/ブラジル (E-1 / ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5

街角で出会った少年。コミュニケーション次第で気持ちは通じる。 ブエノスアイレス/アルゼンチン (E-1 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

日本人としてのアイデンティティの「和」、ピースな世の中を夢見る「和」、人と人を繋ぐ「輪」(和)、穏やかで人と仲良くする意味の「和」などなど。世界を旅するとき、その土地に住む人々を尊重すること、調和を保つことが大切となります。
そして文化を知るとき、日本人としての自分を意識します。
ボクには彼に見せたい世界があります。彼と一緒に見たい世界があります。
世界を届け、地球を巡る旅はまだまだこれからも続きます。

『 E-SYSTEMで世界の旅を届ける 地球クルーズ 』 連載第一弾終了



Vol.11 白い大陸、夢の南極

2008年10月21日 11:00 テーマ [ ]

2007年夏、田園調布のDeco's Dog Cafe にて写真展「夢大陸〜南極の詩(うた)〜」、今年2008年夏には国分寺のカフェスローにて写真展「南極×南太平洋」(水本俊也&Stacy Hughes)をそれぞれ開催させていただきました。

これも様々な方とのご縁、ご支援の元に実現した写真展であり、企画展でした。2004年の暮れに初めて南極という未知の世界を訪れる機会に恵まれ、続いて2006年、2008年と計3回訪れることができました。
なかなか容易には足を踏み入れることのできないこの異世界に、行けば行くほど、撮れば撮るほど被写体に魅了されている写真家としての自分がいます。
写真というのは画面の中から不要なものを排除する作業が大切になっていきます。すなわちシンプルになればなるほど、写真としての伝える力が増していくのです。
南極には人間の力が到底及ばない圧倒的な自然が存在し、目の前にあるのは氷と海と空、そしてペンギンを初めとした様々な生き物たちです。
地球規模の大自然、それが白い大陸、夢の南極でした。


ナンキョクオットセイはあくびを繰り返し、ひたすら寝ていた (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

まだタマゴだった12月、生まれてまもない2月初旬、体重が親ペンギンに追いつきそうな3月(写真) (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

日本ではまだ冬の気配が残る2008年3月初旬、南半球に位置する南極は短い夏が終わりへと近づいていました。
前年、エンジェル・フォールへ向かうボートの上でびしょ濡れになった教訓を活かし、街での撮影と辺境地での撮影の機材を分けたボクは防塵・防滴を誇り、「もう、撮れない世界はない」と謳ったE-3を2台携えて意気揚々と南極へと向かいました。
この南極行きでは著名な動物写真家の方と新聞社のベテランカメラマンの方とご一緒させていただくという非常に稀な組み合わせだったのですが、あらゆる面で刺激にも勉強にもなった有意義な撮影紀行となりました。


南極で迎えた朝。太陽は静かに昇る (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

湧き上がる雲が雄大な自然をよりいっそう大きく見せる (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

青と白のコントラスト。乱反射する光が美しい (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

夜の帳を迎える頃。グレーの世界はボクを優しく包んでくれた (E-3 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

100人乗りの客船からゾディアックという小型のゴムボートに乗って、南極半島の島々や大陸に上陸をしたり、遊覧をしたりするのですが、3人一緒のボートに乗るのが常でした。なぜなら立場は違いますが、同業のカメラマン。早く上陸してたくさんの写真を撮りたいからです。
ボートの上で少し可笑しくも誇らしい気持ちになりました。なぜなら3人のカメラマンの中でカメラを両肩にむき出しにかけていたのはボク一人だけでしたので。
(ちなみにカメラはズイコーレンズの12-60mm/2.8-4.0 SWDと50-200mm/2.8-3.5 SWDをそれぞれ装着したE-3が2台です。)ときに雪が散らついたり、雨が降ったりするのですが、なんのその。
ボクは最強のカメラという平和な武器を手にしたのです。


人もペンギンも同じか。氷山の上ではペンギンそれぞれの生活が営まれている (E-3 / ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD + 1.4x Teleconverter EC-14 + 2x Teleconverter EC-20

船で南極を訪れる。最高の贅沢であり、最も確実な手段でもある (E-3 / ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5

Vol.12 エピローグ 地球を巡る様々な出会い編に続く...



Vol.10 最後の秘境・ギアナ高地(ベネズエラ)

2008年10月14日 11:00 テーマ [ ]

大正琴の音がテレビから聞こえていた元旦明けの1月2日、空路成田から経由地を経て、撮影機材を背負って一人向かった先はベネズエラとブラジルの国境にまたがるギアナ高地の一角、世界遺産に指定されるカナイマ国立公園。ギアナ高地には大小100ものテーブルマウンテンが存在し、その中でも有名なのが、2560メートルの高さのアウヤン・テブイ(悪魔の山を意味する)の頂から流れ落ちるエンジェル・フォールです。その高さたるや979メートルというから驚きですが、それ以上に不思議なのは滝つぼがないこと。あまりの落差に流れ落ちる水が地上に到着する前に霧となって消えてしまうのです。エンジェル・フォールの滝つぼへのアクセスは小さな乗り合いボートでした。小型・軽量のオリンパスE-500を2台、両肩に携えての撮影となりましたが、2台のカメラと3、4個の交換レンズをカバンに収めても携帯荷物は全く苦になりませんでした。


エンジェル・フォールの滝つぼまで、船を乗り継ぐこと2回、小さなボートが水を切り、水を被ることに成す術なく (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

カナイマ国立公園に広がる雄大な大地 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

船を下り、今度は登山。間近に目にしたエンジェル・フォールは大迫力(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

茶色く染まった川を源流に向かって遡ること5、6時間。この茶色、熱帯特有の植物からにじみ出た「タンニン」という植物成分からくるもの。このボートの旅の難点は、ときに頭から水を被り、ひたすらカメラバックを胸元に抱え、我慢、我慢の連続だった点です。なんだかマイナスイオンを浴びて気持ち良さそうに思うのですが、このときほど防塵・防滴の元祖E-1を1台カメラバックに入れておけば良かった、と後悔したことはありません。撮影自体は天候に恵まれ、良い結果を得ましたが、ずぶ濡れになったことは言うまでもありません。


植物成分「タンニン」の溶けた川の水 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

至るところで巨大な滝が見られる (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

数日後、機上の人となり、空の上からエンジェル・フォールの撮影を試みました。このギアナ高地の地層は20億年近く前という気の遠くなる歳月のものがそのまま残っていると言われます。名探偵シャーロック・ホームズの産みの親であるコナン・ドイルはこの地をモチーフに「The Lost World(失われた世界)」を執筆しました。カナイマ国立公園を初めとしたギアナ高地一帯にはコナン・ドイルが産み出した恐竜たちが闊歩していてもおかしくないような世界が広がっています。今から2億5千年前に存在した幻の大陸「ゴンドワナ」。地球の地殻変動に伴い、南米、アフリカ、インド、オーストラリア、南極へと分裂、移動しました。ここギアナ高地は神秘の名にふさわしい最後の秘境でした。


絶壁で隔離されるギアナ高地の上は峰々で異なる生物が生息する(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

979メートルの落差は世界一 (E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

ジュラシック・パークを想わせる地球を感じる大地 (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

最後の秘境にもここ数年たくさんの観光客が訪れるようになった (E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0

Vol.11 白い大陸、夢の南極編に続く...



Vol.09 ケルトとギネスの街・ダブリン(アイルランド)

2008年10月07日 11:00 テーマ [ ]

個人的な嗜好で恐縮ですが、以前は黒ビールがどうも苦手でした。
アイルランドの首都であり、経済の中心地であるダブリンに短期滞在したおり、「コーヒーよりも安価で飲める喉を潤す飲み物だから」と、なんだか後ろめたくも昼間からビールを口にする理由付けをしながら、街の角々にあるお店に立ち寄ってはギネスを注文していました。
それはアイルランド随一の観光名所であるギネス誕生の地、ギネス・ストアハウスを訪れたことに始まります。

いつものように初めての街では一番高い場所を目指して歩き始めます。中規模から小規模の街となるとことさらこのランドマークを訪れることが街の全体像を把握する意味でも重要となってきます。
ダブリンの街で最初に目指したのは、ギネス・ストアハウスの中にある市街地から客船の停泊する港までを一望できる最上階のバー「グラビティ」。位置する場所が高いところという理由だけでボクにとっては行く意味があるのですが、幸か不幸か入場券に1杯のギネスがついてくるのです。見晴らしのよい展望バーから街を眺め、ビールを飲む。
これほど幸せなことはありません。下界(街中)に下りてからは「GUINNESS」の看板を目にしては、クリーミーな泡がグラスの底部に流れる時間を楽しむために、パブクロール〔pub crawl〕(酒場をはしごすること)し、その度にお店のドアに取り付けられた鐘をカランコロンと鳴らしたのでした。


ショップあり、バーあり、工場の様子も見学できるギネス・ストアハウス(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

美女にもギネスがよく似合う(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

「ケルズの書」はギネスと並びダブリンを代表するシンボル(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

古代都市として栄えたダブリンにはもうひとつの一面があります。
それはケルト文化に代表される妖精と神話の街という側面です。歴史と近代が調和されたお洒落な街中に位置するダブリン大学のトリニティー・カレッジは400年以上の歴史を持つ由緒あるアイルランドの最高学府です。
ここの図書館にはケルト芸術の最高峰とされる「ケルズの書」が展示されています。意外に思われるかもしれませんが、ケルト文化は日本人にとって実は馴染みのあるものでもあります。
卒業式などで歌われる「蛍の光」はアイルランドやスコットランドに伝わるケルト民謡を明治時代に和訳したもの。歌手のエンヤは日本だけではなく、世界的にも人気があります。


トリニティー・カレッジはその構内を誰もが訪れることができ、散策が気持ちよい(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

街の各家々の軒先や庭園には小さな小人たちが飾られている(E-500 / ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

ケルト民族は「死とは長い生の中間地点にすぎない」と考えていたそうですが、戦場での命知らずな戦いぶりはその死生観によるものが大きく、肉体をもって生き続ける異界、すなわち彼らにとってのもうひとつの世界(Another World)とのことです。日本人の生き様、日本文化の価値観にケルトのそれと通じるものを感じるのははたしてボクだけでしょうか。


ダブリン市内では騎馬警察の巡回パトロールを目にすることができる(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

ダブリン郊外は自然に恵まれ、放牧地などが広がっている(E-500 / ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5

Vol.10 最後の秘境・ギアナ高地(ベネズエラ)に続く...


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