写真コミュニティフォトパスTOP > ナビゲーターズ写真ブログ > 高砂 淳二の写真ブログ 波の音、虹の色

波の音、虹の色


動物・タテゴトアザラシの巻

2009年12月22日 11:00 テーマ [ 動物 ]


前回のアシカの写真と比べてみていただくと分かるが、アザラシの方には耳たぶが見えない。ここがアシカとの一番分かりやすい違いだ。
性格は、アザラシはアシカよりもかなり控えめで、成獣になっても人間に対してあまり人懐っこく近寄っては来ない。しかしだからと言って興味がないわけではない。遠巻きにしてこちらを観察していたりすることもある。

ぬいぐるみなどよりも数百倍も可愛いかったタテゴトアザラシの子。生まれたばかりで毛はまっ白でふわふわ、目はうるうる。どんな動物嫌いの人でも、どんなに怖いオジサンでも、「かわいい〜」と言ってしまうに違いないと思った。

タテゴトアザラシの子育ては、わずか2週間。その間お母さんは子供にずうっと母乳を飲ませ続けてゲッソリと痩せ、子はしっかりと大きくなる。2週間の終わりには、泳ぎも教えて子育てを締めくくる。やはりお母さんは、子に母乳を与えている時は本能的にとても満たされているのかもしれない、とこの写真を撮りながら思った。

アザラシたちの出産場所は海の上に浮かんだ氷の上だ。氷上のあちこちにアザラシの母子がいて、あっちでもこっちでもお母さんが母乳を与えている。どの親子の近くにも、氷上に赤い出産の血の跡が残り、どこも出産直後だということが分かる。毎年2月末に、申し合わせたかのようにみんなでいっせいに出産する。


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動物・アシカの巻

2009年12月15日 11:00 テーマ [ 動物 ]


アシカとアザラシ。海や動物にあまり興味がなければ、区別するのは難しいかもしれない。というか、どこがどう違うのか、たぶんほとんどの人が分からないに違いない。

今回登場するのはアシカの方だ。いちばん大きな分かりやすい違いは、アシカには耳たぶがあること。正面から見てみると、顔の外側に耳たぶがしっかり出っ張っているのが見える。性格的には何と言ってもほかの動物よりもかなり人懐っこい。子供はとにかく遊び好きでかわいい。しかし成獣になると時には人がいることなど何とも思わず、人が作った桟橋を占領して当たり前のようにふんぞり返ったりしている姿などは、人懐っこいというよりもちょっとふてぶてしい態度に感じられることもあるほど。
しかしダイビングして一緒に遊ぶ相手としては、楽しさはピカいちだ。

アシカ同士でじゃれついて遊んでいるところ。まだ若いアシカなので人間の子供と同じように、とにかく取っ組み合ったり、追いかけっこをしたり、ちょっとエッチなまねごとをしたりと、落ち着いてはいない。ダイバーを見つけると、フィンをかじったりシュノーケルをくわえてみたりして、ちょっかいを出す。それがまたこちらとしても嬉しい。

ビーチの上にドーンと立ち上がった大きなアシカ。初めは僕が近寄っても面倒くさそうにしていてまったく動こうともしなかったのだけれども、さすがに至近距離まで寄ったら、「なんだこの野郎」といった目つきで僕を見て、いやいやゆっくりと立ち上がった。撮影の後、ちょっと離れたらまたすぐ寝の体勢に戻った。


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サンゴの話・その4

2009年12月08日 11:00 テーマ [ サンゴ ]


サンゴのお話をもうひとつ。

サンゴにはカラフルなものが多いので、見かけるとついついカメラをむけてしまうのだが、その色には、ちょっとした秘密が隠されている。サンゴの色は、サンゴそのものがもっている色なのではなく、サンゴのポリプの表面に引っ付いて共生している、藻の仲間がもっている色なのだ。藻は植物の仲間なので光合成をして老廃物を出す。それをサンゴがいただいているというわけだ。

昨今の温暖化で、世界の海水の温度もやはり上がっているようなのだけれども、海水の温度が2〜3度上がってしばらくの間その温度が続いてしまうと、サンゴに共存している“藻”が暑くていられなくなり、サンゴから飛び出す、という現象が起きてしまう。当然、サンゴの色をもっていた藻が飛び出してしまうので、サンゴは色を失い、真っ白になってしまう。
これがよく言われるサンゴの「白化現象」だ。サンゴは共生者がいなくなることで栄養不足になってしまい、瀕死の状態である白いサンゴになってしまうというわけだ。

そんな海水温の上昇は、思いもかけないところにも変化をもたらすようだ。房総半島の館山の海で、このところサンゴが増えてきているようなのだ。実際に見てみようと館山に出かけた。

いやあ潜ってビックリ。海の色は館山らしいちょっとグリーンがかった濁ったものだったけれども、そこに根付いていたものは紛れもなく硬いサンゴたちだった。関東にいながらにしてサンゴ礁の海に潜られるようになったら、それはそれでとても怖いことだろう。


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サンゴの話・その3

2009年12月01日 11:00 テーマ [ サンゴ ]


前回は、サンゴが正真正銘の動物であるということを書いた。

動物なのでサンゴも当然出産(産卵)する。6月の満月の2日後、夜の9時過ぎに沖縄の海に潜ったときのこと。サンゴの表面をよく見ると、ポリプ(前回の記事参照)の一つ一つがピンクの小さな玉(直径3〜4ミリかな?)を抱えていて、今にも搾り出されそうな様子だった。
このピンクの玉がサンゴの卵だ。それぞれのポリプは、必死に息んでいるように見えた。
“ひーっふーっ、ひーっふーっ”といった感じ。

やがてサンゴのポリプから、卵が1個2個と弾け出始め、気づいてみたら僕の周りにあるサンゴから、ピンクの卵がいっせいに立ち上り始めているではないか。今までじっと息を潜めて石のように黙って生きていたサンゴたちが、申し合わせたように1年に一回、出産という大競演を、この夜に行ったのだ。本当に生き物なんだなあ、と改めて思った。

産卵ショーを見た次の日の朝、近くの海に出てみることにした。ちょっと入り組んだ海岸線は、昨夜の大競演で生まれ出たサンゴの卵で埋め尽くされていた。実際、海に到着する前から、漂着した卵のにおいと思われる生臭さを感じていたので、予想はしていたものの、ここまで凄いとは思ってもいなかった。

この卵のほとんどは、魚たちの年に一度の大ごちそうとなる。満月直後の大潮は、この卵たちを遠くまで運んで、広い範囲でのサンゴの誕生に一役かっているのだ。

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