写真家。写真講座講師。
2022年3月公開
12mm
35mm判換算24mm
25mm
35mm判換算50mm
75mm
35mm判換算150mm
100mm
35mm判換算200mm
撮影モードはAモード(絞り優先)がおすすめ。ピントが合って見える範囲を絞り値(F値)という数値 でコントロールできます。全体をくっきり見せたい時は広角~標準レンズを使ってF4~F8程度、ボケを 活かしてふんわり見せたい時は望遠レンズを使ってF値を一番小さく設定すると、同じ被写体でも様々 な表現の写真が撮影可能です。
広角~標準レンズでF4~F8.0程度
カメラ: OM-D E-M1X
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
※24mm相当(35mm判換算)
1/200秒 F8.0 -0.3EV ISO200
望遠レンズで一番小さいF値にする
カメラ: OM-D E-M1 Mark II
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
※421mm相当(35mm判換算)
1/250秒 F4.0 +1.7EV ISO200
ISO感度は高くなるほどシャッター速度は速くなりますが画質が下がります。晴れた昼間はシャッター速度は十分速くぶれずに撮影できるので低感度の200で撮影するのが高画質で撮れておすすめです。曇天の日や日陰など少し暗い場で撮影する時はオートに設定しておくと、カメラが自動的にISO感度上げてぶれないシャッター速度で撮影できておすすめです。
桜の色はその場の光源に影響されます。WB(ホワイトバランス)の設定はオートではどんな光源でも本来の色に補正し、晴天では光源に忠実な補正されない色で撮影できます。基本は補正をしない晴天が自然でおすすめです。
桜の撮影で最も大切なのは露出補正です。背面モニターやファインダーでしっかり確認して、適切な露出設定を心がけましょう。
空を見上げて桜を撮影すると画面内は明るい要素が多くなるため、露出をプラス補正しないと暗くグレーに濁ってしまいます。明るく綺麗に写るように背面モニターやファインダーを見ながら露出補正をプラスに補正しましょう。
露出補正 ±0.0EV
露出補正 +1.0EV
画面内の多くが暗いとカメラは自動で明るく写そうとするため、露出をマイナス補正しないと桜が明るくなりすぎて白とびしてしまいます。背景の明るさに注意しながら丁寧な露出補正を心掛けましょう。
設定通りにとってもなんかイマイチ...。そんな時は構図やピント、光を意識してみてください。偶然良い写真が撮れるかもしれませんが、定石やポイントを知って偶然を必然に変えましょう。
目の前の感動をただなんとなく撮っても何でもない写真になりがちです。そんな時は画面を三分割した線(キッチリ三等分である必要はありません)をイメージして、線や交点に桜がバランスよく収まるように配置してみましょう。
桜の枝は黒くてとても存在感があります。望遠で花を大きく写す時は目立ってしまい邪魔に感じる事が 多いので、手前にボカした桜を配置して枝を隠して撮影してみましょう。
カメラ: OM-D E-M1X
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
※401mm相当(35mm判換算)
1/400秒 F6.3 +2.3EV ISO800
桜と別の被写体を掛け合わせれば作品のバリエーションはぐっと広がります。この場合も先程の三分割構図や前ボケのテクニックは非常に有効なので積極的に活用してみましょう。
カメラ: OM-D E-M5
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
1/3200秒 F2.0 ISO200
望遠レンズなどで桜の花に接近して大きく写す時は、ピントはめしべに合わせるのが基本です。僅かなピントのズレで印象が変わってきますので、撮影時のピント合わせと撮影後の確認をしっかり行いましょう。タッチ拡大ピント合わせ機能がとても便利です。
タッチ拡大ピント合わせ機能
1. このマークを選択し、ピントを合わせたい場所をタッチする。
2. 右に表示されるバーで拡大範囲を変えられる。
3. 画面右下のアイコンをタッチすると枠の中を拡大表示(×3~×14)できます。拡大状態でピントを合わせれば、より厳密なピント合わせが可能になります。
太陽の光がどの方向から桜に当たるかで、全く違う写り方の撮影表現ができます。順光とは太陽を撮影者の背にして桜に光が当たっている方向で、色やディテールをはっきり鮮やかに表現できます。逆光は撮影者が太陽の方を向いている方向で、花びらを透かした透過光になり透明感のある表現にできます。
カメラ: OM-D E-M1X
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
※34mm相当(35mm判換算)
1/400秒 F5.6 ISO64
カメラ: OM-D E-M5
1/500秒 +1.7EV ISO200
桜の撮影で覚えておくべき基本を解説しました。初心者の方はまず基本設定をもとに適切な露出補正で撮影できるように心がけましょう。望遠レンズも使えると表現の幅がグッと広がるので、高倍率ズームレンズは非常に便利です。さらに天候や時間帯による光の違いを意識できるようになると、より幅広い撮影表現が可能になります。お気に入りの一枚が撮れるよう是非たくさんチャレンジして写真表現を楽しんでみてください。
1976年、神奈川県生まれ。演劇の世界で舞台音楽を中心に制作活動を行うかたわら、OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)のサポート販売員の仕事を十年ほど経験。カメラの魅力を知り、その後カメラマンとしての活動を始める。ライフワークでは愛犬の撮影を毎日楽しんでいる。
著書:技術評論社 今すぐ使えるかんたんmini オリンパス OM-D E-M10 MarkⅣ 基本&応用撮影ガイド