カメラアイコンPhoto Recipe(フォトレシピ)

都会で星空を撮影するためのレシピ

香嶋 晃

撮影・解説 : 香嶋 晃

OMデジタルソリューションズ社員
プロサポート/OM SYSTEM GALLERY運営担当

2022年3月公開

カメラアイコン香嶋さん使用のカメラと
レンズをご紹介

準備するもの カメラ・レンズ・撮影機材

  1. カメラ
    ライブコンポジット搭載のカメラ。2014年発売のE-M10以降のカメラであればすべて搭載しています。
    APモード(アドバンストフォトモード)搭載のカメラなら、更に簡単に撮影ができます。
  2. レンズ
    付属の標準ズームレンズでOK(14-42m、14-150mmなど)。空を広く入れたい場合は9-18mmや、明るい12mmF2.0などの広角もおすすめ。広角側を使用するので〇〇mmは小さいほうが空が広く入りおすすめです。
  3. 三脚など、カメラを固定するものは必須。あるとよりよいものはリモートケーブル。シャッターを押す際のぶれを防いでくれます(最近のカメラはスマホアプリのO.Iシェアでリモコン操作も可能)。また、防寒は大げさなくらい準備しましょう。長時間じっとしているのは寒いです。

7mm

(35mm判換算14mm)

カメラ: OM-D E-M1 Mark III
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
1.3秒 F3.2 ISO 500

14mm

(35mm判換算28mm)

カメラ: OLYMPUS PEN E-P7
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
8秒 F3.5 ISO 200

9mm

(35mm判換算18mm)

カメラ: PEN-F
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
8 秒 F4.0 ISO 400

8mm

(35mm判換算16mm)

カメラ: OM-D E-M1 Mark II
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
5秒 F2.2 ISO 200

ロケーション・天候

  1. 星が写りやすい被写体 明るすぎる夜景や建物の場合、星が目立ちにくくなります。派手な明るい被写体は避けましょう。
  2. 撮影する場所 車や人の通行に注意が必要※長時間の撮影になるため人通りが多いところは避けましょう。
    ビルの敷地内は撮影NGの場合がほとんど。公園など、他の人の迷惑にならない場所を選びましょう。明るいうちに事前にロケハンをしておくことをお勧めしますが、夜は状況が変わるところもあるので慎重に!
  3. 天候は快晴がベスト 雲が流れてくると白い線になり星を消していきます。雲が出てきたら止める勇気も必要です。常に空と画面をチェックしましょう。
  4. 時間帯は遅いほうが飛行機やヘリコプターなどは少なくなり、おすすめです。土日はビルの明かりが少なくなる傾向があるのでその辺も考慮しましょう。(少ないほうが星は目立ちやすいです)
  5. 撮影する方角により、星が流れる方向が変わります。

一見止まって見える雲

時間とともに流れます

時間とともに流れます

止める勇気も必要

西

撮影の設定 簡単APモード/SCN 編

APモード(アドバンストフォトモード)搭載のカメラ*

(E-PL8/E-PL9/E-PL10、E-M10 Mark III/E-M10 Mark IV)

  1. モードダイヤルをAPにします。
  2. ライブコンポジットを選びます。
  3. 構図を決めます。
  4. 建物にピントを合わせます(できれば遠くの建物)
  5. シャッターを押して撮影スタート
  6. お好みの長さに星が伸びたらもう一度シャッターを押して終了(30分から1時間くらいがおすすめ)

SCN 光跡 搭載のカメラ*

(E-PL8/E-PL9/E-PL10、E-M10 Mark III/E-M10 Mark IV)

  1. モードダイヤルをSCNにします。
  2. 光跡を選びます。
  3. 以降は同じです。

※APモードのライブコンポジットは「露出補正」「ホワイトバランス」「仕上がりモード」など、アレンジが可能。SCN光跡は基本カメラ任せです。

撮影の設定 本格撮影のLiveCompモード

APモードがないカメラや、本格撮影で細かく設定をしたい方は LiveCompで撮影します。
設定で一番難しいのはシャッター速度の決め方です。まずはAモードで撮影してみてカメラに決めてもらいましょう。

事前準備 ※シャッター速度を決めるテスト撮影

  1. 各種設定
    Aモードにして絞りF値を一番小さく
  2. ISO感度200(状況に応じて800くらいまで)
  3. ホワイトバランス AUTOでOK。お好みで青っぽくしたければカスタムで4000Kなど。
  4. 構図を決めて建物にピントを合わせて1枚撮影。
  5. 明るさが良ければOK。必要に応じて露出補正をかけましょう。
  6. 再生し、infoボタンで詳細画面を出し、シャッター速度を確認しましょう。

ライブコンポジット撮影

1. モードダイヤルに「B」があるカメラは「B」を選択。「B」がないカメラは「M」を選択。

2. シャッター速度が長くなる方向にコントロールダイヤルを回し、突き当りがLiveCompになります。

3. メニューボタンを押しシャッター速度を選択。先ほど撮影したシャッター速度を選びます。

4. 一度シャッターを押してノイズ処理

5. ピントを建物に合わせ本番撮影開始

6. 画面をみながらお好みのところでもう一度シャッターを押して終了です。

撮影後ちょっとレタッチしてみましょう

夜景が明るいと星が目立ちにくいもの。カメラ内のハイライトシャドウコントロールやパソコンのOM Workspaceのトーンカーブで中間部を少し明るくすることで星が明るく目立ってきます。
(必要に応じSHADOW部分を少し暗めに)

スクリーンショット

作品の紹介

APモード ライブコンポジット

※焦点距離以外はカメラ任せ
絞り値:F4.0 シャッター速度:1/1600秒
焦点距離:14mm(35mm判換算28mm)
ISO感度:800

初心者でもAPモード搭載のカメラなら簡単にカメラ任せで撮れます。まずは自宅のベランダや近所の公園で試してみてください。「都会でもこんなに星が写るんだ!」と感動しますよ。地方で星がたくさん見えるところだとまた撮り方も変わります。まずは都会や家の近所でお試しください。

カメラ: OM-D E-M10 Mark IV
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

香嶋 晃

香嶋 晃(かしま あきら)

2003年にオリンパス(現OMデジタルソリューションズ)に入社。福岡県に駐在していた2011年、「M.ZUKO DIGITAL ED 12mm F2.0」の発売を機に星空の撮影をはじめる。オリンパスデジタルカレッジや大阪ショールーム・ギャラリーの担当を経て現在はプロサポート、OM SYSTEM GALLERY運営を担当。普段はお花や風景、星空を中心に撮影を楽しんでいて、最近は車中泊のグッズも充実。富士五湖方面が最近のお気に入りスポット。

カメラアイコン香嶋さん使用のカメラと
レンズをご紹介

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