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雪の日に感動的な写真を撮る方法

畠山 公妥

撮影・解説 : 写真家 畠山 公妥

2023年1月公開

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

雪の日に感動的な写真を撮る方法の特集記事です。雪の写真撮影に必要な装備から、雪景色やウインタースポーツの素敵な作例を紹介しています。

1.雪の写真を撮影する準備、注意したいこと

雪の日の撮影で、必ず事前にチェックしておく事は、天気と気温です。ただ予想気温と撮影現場の気温は一致しない事もあるので、万が一に備え体感気温が下がらないように防寒対策が大切です。

無くてはならない防寒用手袋

防寒用の手袋は必需品で、私は撮影現場まではモコモコの手袋を使用し、撮影時は防寒手袋をはめたままだと、シャッターの感触や操作に不便を感じるため、撮影時はフリースの手袋を使用しています。

液晶画面を指でタッチして操作できる、便利な手袋があります。タッチパネル機能を搭載した機材が増えて来ている昨今にピッタリ!手袋をはめたまま液晶モニターからAF操作やシャッターを切る事が出来るだけでなく、スマートフォンの操作もできるので雪の日はとっても便利なアイテムです。
手のひらに滑り止めのゴムが配されているので、手袋のまま各種タッチパネル操作が出来て便利です。

フリース手袋

タッチ手袋

忘れてはならない防寒具

雪の日の撮影にもっとも大敵なのは風です。強い北風が吹くとあっという間に体温が奪われますので、風を通さない簡易保温ポンチョは是非携帯してください。また「寒さ」にお馴染みの使い捨てカイロは多めに準備しましょう。電池を保温することにより寒さによる機能低下を抑えることもできます。

2.基本的な撮影テクニック

「まず撮って、見て、動いて、写す!」

写真撮影は、まず試しに実際にシャッターを切り、画像を確認することが大切です。 特に雪の日などは長時間撮影や細かく機能設定を変更することが困難なので、最初に雪の白がキレイに出ているかなど、ホワイトバランスや露出などを決めておき、自分の撮りたいイメージに合わせて被写体にアプローチしていきましょう。カメラはToughを使用しました。

札幌 時計台を撮ろう

札幌中心部に位置するお馴染みの時計台です。

絞り値:5.6
シャッター速度:1/500秒
Tough

真正面から撮るだけでなく、いろいろなアングルや、縦位置、横位置など変化をつけて撮影してみましょう。作例のように、空が青空ではなく時計台の白と同系色の場合は木々の葉の色をアクセントに木々の合間から表現するのもイメージが膨らみます。

初雪の降り出しや、気温の高い時は雪が木々の葉に付着しやすいので、素敵な冬の時計台を写す事が出来ます。

縦位置か横位置か被写体と雪の木々を入れて試し撮り。

明るさ調整前

明るさ調整後

気に入ったアングルでまずはシャッターを切ります。
雪の写真は被写体が暗く写るので、再生して確認し、明るさ調整をして再度撮影します。

低い位置からの撮影は可動式の液晶カメラが便利

時計台の壁面を背景に木々に実をつけた様な雪

素敵な写真は、動いて、見て写すのがポイントです。

札幌のシンボル赤煉瓦旧道庁の作例

絞り値:5.6
シャッター速度:1/800秒
Tough

「日中でもフラッシュを使ってみよう!」

フラッシュを発光させる事で雪が降り注いでいる様子を出したり、手前の色を鮮やかに表現することができます。目に見えている降り注ぐ雪は、フラッシュを使う事で表現できます。

フラッシュを発光

フラッシュを指で少し覆うと暖かみが加わります

道庁前の池(フラッシュ未使用)

フラッシュで雪が降り注ぐ様子を撮影

小樽運河(フラッシュ未使用)

小雪が舞うシーンにフラッシュを強制発光

3.雪の写真の撮影シーン別テクニック

霜柱や氷の結晶をアートに撮ってみる!

Toughのマクロシステムを使用して霜柱や氷を結晶として撮影する事が出来ます。その機能を十二分に生かした冬の晴れた日の朝は、放射冷却で凍った窓の結露もアートとして見えます。

上を歩くとサクサクと音がする霜柱
絞り値:2.3
シャッター速度:1/125秒
Tough

雪の結晶をToughのマクロモードで撮影した。2つの接写用アクセサリー(別売)もあるのでぜひ使ってみてもらいたい。

雪祭り(雪像)を撮る!

札幌雪祭りも楽しいイベントの一つです。

2014年の雪像の写真
絞り値:5.6
シャッター速度:1/60秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

大雪像「イティマド・ウッダウラ(インド)」は、高さ12メートル、幅21メートル、奥行き23メートル。使用する雪の量は5tトラック450台分、およそ2250トン。『アイスブロック工法』と言われる独自の技術で作った24種、約1100個の細かいアイスブロックを使い、のべ3800人の自衛官が約30日間かけて制作しました。

こんな表現もオススメ!
絞り値:4.0
シャッター速度:1/100秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

4.ウィンタースポーツを撮る

北海道の冬は、流氷の接岸の知らせと共に始まると言っても過言ではありません。
寒さも本格化する頃、更に熱くなっていくのがウィンタースポーツです。

移動が大変な雪上では、大きく重い機材では体力が消耗しがちです。
機動力を念頭に機材セレクトも重要になります。

ダイブしたくなる白い雪!

様々な環境の中でアングルを決めていくのですが、シンプル且つ、邪魔なものが入らない様に画面から省きすぎない様に撮影ポジションを取ります。

OM-DとED 40-150mm F2.8 PROで撮る

愛用のOM-Dは5軸対応カメラ内ブレ補正、軽量、防塵、防滴、耐低温なので、ウィンタースポーツ写真を撮るシチュエーションには最適です。
(※OM-D一部機種を除きます。詳しくは製品サイトでご確認下さい。)

OM-DM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROレンズの総重量が軽いので、オールラウンドで被写体を追えます。
ミラーレスの特性を活かした、コンパクト且つ軽量で防塵防滴。冬の撮影にも信頼度の高いお勧めのシステムです。

5th HONNO cup Moguls Comp

絞り値:3.2
シャッター速度:1/2500秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

絞り値:-
シャッター速度:1/320秒
OM-D
レンズ:フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980(9mm F8.0 Fisheye)

絞り値:4
シャッター速度:1/3200秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14

絞り値:2.8
シャッター速度:1/800秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

絞り値:2.8
シャッター速度:1/500秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

絞り値:3.2
シャッター速度:1/320秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

絞り値:3.2
シャッター速度:1/320秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

雪原を撮る!

ウィンタースポーツだけでなく雪原の美しさも写真に納めたいものです。
撮影を終えて暖をとる頃に、もう少し寒さを堪えて、夕焼けなどいかがでしょうか?
空気の済んでいる冬ならではの一枚です。

絞り値:2.8
シャッター速度:1/1000秒
OM-D
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

絞り値:2.0
シャッター速度:1/640秒
OM-D

さらにもう少し我慢して薄暮になれば、一層青が引き立つ一瞬があります。
そこを逃さずシャッターを切ってみてください。

濃紺の空と満天の星空に出会える一瞬(リトル・トリーナイトツアー)

雪の日の一日はこんな感動的なシーンの連続です。
一度、雪の日の感動的な一枚を撮りに出かけてみませんか?

OM Image Shareで感動を共有しよう

撮影した写真はすぐにSNSなどで友人に伝えたいものです。スマートフォンアプリのOM Image Shareは撮った画像をシェアしたり、FacebookなどのSNSにも直にアップできる機能を搭載しているので、友人やファミリーで共有しながら楽しみ語り合う事が出来ます。
もちろん、撮影後にもアートフィルターを使って加工や文字を入れることもできるので、パソコンを持ち歩く必要がありません。無料なのでダウンロードしてぜひご利用ください。

雪の日を撮るためのオススメのアクセサリー

畠山 公妥

写真家 畠山 公妥(はたけやま ひろやす)

1968年生まれ
北海道各地をフィールドにスポーツ写真、広告写真を撮影
フォトスタジオハタケヤマ代表
札幌カルチャーセンター平岡 写真教室 講師
北海道日高高等学校 写真部講師
写真教室の講師も務めており、北海道のほか全国へも講演に出向いている

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