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カメラアイコンPhoto Recipe(フォトレシピ)

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した木漏れ日

山の景色を撮りにでかけよう

川野 恭子

撮影・解説 : 川野 恭子

Official Home Page:http://kyokokawano.com/

2023年2月公開

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

はじめに

突然ですが、山登りは好きですか?私は、ついこの間まで山にまったく興味ありませんでした。ですが、歩いて訪れることでしか見られない絶景や、自然を歩くことの気持ち良さを知ってから、山が大好きになりました。各地の山を歩くたび、「日本にこんな美しい景色があるなんて!」と驚かされます。

とはいえ、山登りの経験が少ない方にとって長距離を歩いたり、標高の高い山に登るのは不安でしょう。ですので、まずは身近な山でフォトトレッキングを楽しむための基礎知識をお伝えしようと思います。

身近な山で体力を知ろう

山歩きで不安なのは体力ですよね。たびたび「私でも登れるかしら?」と質問されますが、明確な回答は出来ません。なぜなら質問された方の体力を把握していないからです。なので、まずはゆっくりペースで良いので「人が多くて短いコースの山」から登り、どのくらいのペースで、どのくらいの距離を歩けるかを知ることから始めましょう。標高の高い山である必要はありません。近所のハイキングコースも良いでしょう。人が多ければ道迷い(みちまよい)しにくいですし、何かあったときにも助けてもらうことが出来ます。

山登りにあると良いもの

行動時間や距離によって変わりますが、以下のものがあると安心です。

1. 移動に役立つもの…

  • ・スマートフォン(GPS 機能付き)
  • ・モバイルバッテリーとケーブル
  • ・紙の地図とコンパス
  • ・救急アイテム(絆創膏や薬、
    テーピングテープ等)
  • ・虫除け、日焼け止めクリーム
  • ・携帯トイレ

2. 身につけるもの…

  • ・レインウェア
  • ・動きやすい服(化繊が良い)
  • ・登山靴、帽子、手ぬぐい、ザック
  • ・トレッキングポール
  • ・ヘッドライト

3. 食べるときのもの…

  • ・水筒、飲料水
  • ・行動食(おやつ等)
  • ・ごはん(行動が長いとき)
  • ・お手拭き、消毒用アルコール
  • ・ティッシュ、ゴミ袋

ちなみに、山の中では携帯電話の電波が届かない場所があります。遭難時に備え、入山するときは登山届を記入し、登山口に設置されているポストに投函するようにしましょう。登山届のない山は、家族や身近な方に行き先やルート、スケジュールを伝えておくと良いでしょう。

コースを考えよう

どの山に登るか、どのコースを歩くか、事前に調べておきましょう。なぜなら、日暮れ前の15 時までには下山したいからです。山のガイドブックを参考にすると良いですが、詳細にコースを決めるなら山の地図に記載されているコースタイムを見ましょう。紙なら「山と高原地図」、スマホなら「YAMAP」や「ヤマレコ」などの登山アプリがおすすめです。いずれも地図に標準コースタイムが記載されているので、所要時間が把握出来ます。登山アプリがあると現在地を把握出来るので、道迷い遭難の予防にも繋がります。写真を撮りながらだとコースタイム以上の時間が必要なので、余裕をもって計画しましょう。

カメラとレンズ

体力に見合った機材に絞ることも大事です。私の場合、カメラ1台とレンズ2本、カメラバッテリー(1日につき2個程度)が基本。レンズは標準ズームレンズが必須で、撮影条件に応じて開放F 値の小さい単焦点レンズを選んだり、望遠ズームレンズを選んだりしています。OM SYSTEM は手ぶれ補正が強力なので、三脚は昼間の撮影であれば不要でしょう。

山写真の基本設定

露出モードは、慣れないうちはAutoやP(プログラム)モードでも良いですが、A(絞り優先)モードがおすすめです。絞りF 値を設定することで背景のぼかし具合をコントロール出来ます。

  1. 花などの背景をぼかして撮る → 絞りF 値を最小に
  2. 景色全体にピントを合わせて撮る → 絞りF 値を8.0 前後に

あとは、露出補正で好みの露出(明るさ)に調整するだけです。各作品に具体的な設定を記載しておきますので、参考にしてみましょう。

何をどう撮れば良い?

低山やハイキングコースなど、身近な山歩きは景色の変化が少ないので、被写体探しに行き詰まりがち。そんなとき、以下のような視点で撮影ポイントを探すと、写真を撮るのが楽しくなるはずです。

山頂からの景色

景色全体にピントを合わせたいので絞りF 値を8.0 に設定しました。空が霞んでいたのでカラークリエーターで空の色を鮮やかにしています。カラークリエーターは鮮やかさを8段階(Vivid +3 ~ Vivid -4)から選べるので、好みの仕上がりに出来るのが嬉しいのです。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROで撮影した山頂からの景色

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
24mm 相当*
A モード F8.0 1/320秒 ISO 200 +0.3EV

WB:晴天 +2STEP(R) +1STEP(G)
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 0, VIVID: +3
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: 0, Midtone: -1, Shadow: -2

奥へ奥へと続く道

木立の道や、稜線など、奥行きがあり見通しの良い場所は絶好の撮影ポイント。人を配置するとより印象的な写真になります。OI.Share というアプリでカメラとスマートフォンを接続すると、手元のスマートフォンで画を確認しながらセルフ撮影することも可能です。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROで撮影した奥へ奥へと続く道

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
24mm 相当*
A モード F9.0 1/6秒 ISO 200 -0.3EV

WB:晴天 -4STEP(G)
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 0, VIVID: +1
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: 0, Midtone: -5, Shadow: -1

足元の花

山は小さな花が多いので、ハーフマクロ撮影が出来るM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mmF4.0 PRO が便利。この一本があれば、広大な景色も小さな植物も撮影出来るのでおすすめです。ただし、花に近寄ろうとして登山道から外れないよう気を付けてくださいね。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROで撮影した足元の花

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
90mm 相当*
A モード F4.0 1/125秒 ISO 200 -0.7EV

WB:晴天
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 0, VIVID: +1
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: +4, Midtone: -4, Shadow: -4

頭上の葉

太陽の光に透ける葉を探してみましょう。様々な形の葉が集まる場所なら形のコントラストも楽しめます。太陽の光を印象的に見せるため、絞りF 値を大きい値に設定し、光芒になるよう撮影しました。カラークリエーターは色のフィルター効果も楽しめるので、シアンに近い色を被せて爽やかな印象に仕上げています。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した頭上の葉

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
50mm 相当*
A モード F7.1 1/500秒 ISO 200 -0.3EV

WB:晴天
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 20, VIVID: 0
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: 0, Midtone: +5, Shadow: 0

木漏れ日

木漏れ日が降り注ぐ道も撮影ポイント。地面に落ちる光と影の模様が多いほど印象的に仕上がります。光の当たる場所にアクセントとなる被写体があるとさらに◎。友人と山を歩くなら、この作品のように光の当たる場所に立ってもらうのも良いですね。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した木漏れ日

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
50mm 相当*
A モード F1.2 1/500秒 ISO 200 -0.7EV

WB:曇天 +3STEP(R) -1STEP(G)
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 0, VIVID: +1
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: -2, Midtone: 0, Shadow: 0

道標や看板

デザインや朽ち具合が味わい深い看板も被写体になります。特に、道標は自分がどこを歩いたのかという記録にもなります。この作品は背景をぼかし、看板が浮き上がるように撮影しました。M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO は、被写体から少々離れていても背景がぼけるので気に入っています。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した道標や看板

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
50mm 相当*
A モード F1.2 1/800秒 ISO 200 -0.7EV

WB:曇天
仕上がり:カラークリエーター, COLOR: 0, VIVID: +1
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: -2, Midtone: -2, Shadow: 0

山ごはん・山おやつ

山で食べるごはんやおやつも被写体のひとつ。木の切り株をテーブルにしたり、綺麗な落ち葉を敷物にすると、山で食べている様子が伝わりますよ。この作品では、アートフィルター「ポップアートII」を使用しました。コントラストが強く、濃い色に仕上がるので、ドラマチックに仕上げたいときおすすめです。

写真家川野恭子がM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した山ごはん・山おやつ

レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
50mm 相当*
A モード F1.6 1/2500秒 ISO LOW(64) -1.7EV

WB:晴天 -+2STEP(R)
仕上がり:ポップアートII
ハイライト&シャドウコントロール:Highlight: 0, Midtone: +2, Shadow: 0

最後に

今回は身近な山でフォトトレッキングを楽しむためのノウハウをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?身近な山でも充分写真が楽しめることが伝わったかと思います。ですが、日本には美しい山がたくさんあります。山小屋に泊まれば、朝夕の景色や星空を楽しむことも出来ます。次回は、山小屋に泊まることを想定した楽しみ方をお伝えしようと思いますので、お楽しみに。

川野 恭子

川野 恭子(かわの きょうこ)

京都造形芸術大学(現 京都芸術大学)通信教育部美術科写真コース卒業。日々の営み、そして山を媒体にし、潜在的記憶の可視化を試み続けている。講師、広告撮影・執筆、トークイベントやテレビ出演など、多岐に渡り活動。2023 年3 月2 日よりOM SYSTEM GALLERY にて、写真展「何者でもない」開催予定。近著に『山を探す』(リブロアルテ)、『When an apple fell, the god died』(私家版)、『yamadori』(私家版)、『TORIPPLE』(私家版)ほか。

Official Home Page:http://kyokokawano.com/

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

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