中野耕志OM-Dと旅する世界の野鳥

OM-Dシステムの機動力を生かして、写真家・中野耕志が世界を旅しながら野鳥撮影を楽しむ本企画「OM-Dと旅する世界の野鳥」。
計4回にわたって作品を紹介してまいります。中野耕志が撮る世界の野鳥をお楽しみください。

第一回 マレーシア・ランカウイ島

島の平野部には農耕地が広がり、サギ類やクイナ類などを中心にさまざまな野鳥が見られる。草を喰む水牛のまわりには、水牛に驚いて飛び出す昆虫などを狙ってアマサギがまとわりついている。車で流しているときに発見し、路肩からの撮影。300mm F4.0 PRO+MC-14を装着したE-M1Xを常に助手席に置いておき、咄嗟のシャッターチャンスに対応できるようにしている。

ランカウイ島には極彩色の野鳥が多く生息しており、ハチクイ類はその代表選手だ。お気に入りの枝に止まっては近くを飛ぶハチなどの昆虫を捕食する。この個体がよくとまる場所をロケハン時に確認しておき、近くに車を止めて窓からそっとレンズを出しての半手持ち撮影。300mm F4.0 PROとMC-20の組み合わせで1/30秒。尾羽の動きがブレるほどのスローシャッターながら、顔から体にかけては非常にシャープ。マスターレンズの性能をここまで維持できる2倍テレコンバーターは他に例を見ない。

こちらはルリノドハチクイ。名前の通り瑠璃色の喉と赤茶色の頭、緑の背中、そして針のように突き出た中央尾羽が特徴の美しい鳥だ。池の畔のお気に入りの枝に2羽で止まっているのを撮影した。

東南アジアはカワセミ類の宝庫。ランカウイ島でよく見かけるのはこのアオショウビンだ。日本でも観察されるアカショウビンと同じくらいの大きさで、アオショウビンは背中が青いのが特徴。このショットも車窓からの撮影で、目の中に僕が乗っている車が映り込んでいる。

ランカウイ島ではマングローブ林で見かけるナンヨウショウビン。目の覚めるような青い背中と白いお腹が特徴の中型のカワセミ類だ。遊歩道の手すりにレンズを乗せての半手持ち撮影ながら、300mm F4.0 PROにMC-20を組み合わせた1200mm相当の超望遠撮影で、シャッター速度1/20秒でも止まるというのは、驚異的な手ぶれ補正能力である。