野鳥撮影に革命をもたらす!
手持ちで撮れる600mmレンズフィールドレポート Vol.3
~ドットサイト照準器の活用で高まる捕捉力~

3.機動力を高めてくれる優れものの三脚座

強力な「5軸シンクロ手ぶれ補正」のおかげで、手持ち撮影が快適な「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」。でも、「M.ZUIKO DIGITAL 1.4×Teleconverter MC-14」を併用して840mm相当(35mm判換算)で撮影する場合やOM-DやPENに搭載されている「デジタルテレコン」を使い、焦点距離を約2倍にして撮影する場合、動画撮影する場合などには、画面を安定させ、しっかりとピントを合わるために三脚を使いたい。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」の三脚座は、横位置と縦位置の切り替えができる回転式。しっかりとした作りで、雲台に接するプレート面も大きい。また、脱着可能で、少しでもレンズを軽くしたい場合は外すことができる点も評価したい。

この三脚座をよく見ると、雲台に接する底部のサイドに溝がある。これは、雲台側のクランプ(クイックシューの受け側)に固定するためのもの。三脚座の底部そのものがアルカスイス規格のプレートの形状をしており、アルカスイス互換のクランプを持つ雲台にワンタッチで固定できる。通常のネジ止めに比べ、雲台への着脱を素早く行えるため、非常に便利だ。このアルカスイス互換のプレートは、OM-D E-M5 Mark IIの金属製外付けグリップECG-2にも採用され、汎用性の高いクイックシューの規格として普及している。

最後に、筆者の三脚座の活用方法を紹介しておきたい。「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」は比較的軽いといっても三脚座を付けた状態で1,475g、「M.ZUIKO DIGITAL 1.4×Teleconverter MC-14」を加えれば1,580gにもなる。このレンズの重量をカメラのショルダーストラップで支え続けると、マウント部にかかる負担も大きくなる。そこで、速写ストラップを「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」の三脚座に取り付けることにした。複数のブランドの速写ストラップが販売されているが、愛用しているブラックラピッドのものは、カメラ底部やレンズの三脚座にある三脚ネジ穴に装着パーツをねじ込み、斜め掛けにしたストラップにカラビナで固定する方式。カメラとレンズは逆さ吊りになるが、ショルダーストラップで下げたときより全長の長いレンズの収まりがよい。機材をストラップに下げた状態から構えるまでの動作も快適。野鳥の姿を探しながら歩きまわるときに、この速写ストラップは欠かせない存在となっている。

公園の池で見かけたカルガモの親子。テレコンバーターを併用し、840mm相当(35mm判換算)で撮影した。動画撮影も兼ねており、三脚を使用した。三脚座がアルカスイス互換の形状になっているので、対応する雲台にワンタッチで固定できる。

草むらにジッと潜むカルガモの子どもたち。警戒されないように遠くから狙った。デジタルテレコンを併用したこともあり、手持ち撮影するには焦点距離が長くなりすぎた。そのため三脚を使用した。

子育て中のカルガモファミリーをフルハイビジョンムービーで撮影。安定した動画を撮るため、三脚を使用した。なお、映像は複数の撮影カットをビデオ編集ソフトAdobe Premiere Elementsで1本にまとめたもの。

OM-D E-M1にM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、Teleconverter MC-14を組み合わせ、雲台に載せた様子。三脚使用時はドットサイト照準器 EE-1をホットシューにセットして使うと被写体を画面に収めるのに便利。三脚座はコンパクトだが、しっかりとシステム全体を支えてくれる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの三脚座の底部は、アルカスイス互換のプレートと同じ形状をしており、対応する雲台に素早く固定できる。所定の位置に三脚座を載せたら、雲台の固定ダイヤルを締めればセット完了。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROを装着したOM-D E-M1をカメラストラップで肩から下げるとマウント部に強い負荷がかかる恐れがある。そこで筆者は三脚座のネジ穴に装着パーツを取り付けるタイプの速写ストラップを愛用している。カメラは逆さ吊りになるが、マウント部への負荷は軽減され、素早くカメラを構えられるので気に入っている。

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