ダイナミックな鳥の姿を捉える!
OM-D E-M1 Mark II 野鳥撮影レポート

4.「プロキャプチャー」で羽ばたく瞬間を捉える

OM-D E-M1 Mark IIの注目すべき新機能の1つが「プロキャプチャーモード」。レリーズした瞬間から遡って記録できるので、これまで撮るのが難しかった野鳥が飛び立つ瞬間、エサを捕まえる瞬間など、決定的な瞬間を捉える確率が大幅に高まる撮影機能だ。1回目のレリーズで高速連写による撮影が開始され、2回目のレリーズまでの画像を最大14コマ記録するというもので、連写速度、2回目のレリーズの前(プリ連写)の記録枚数とレリーズ後の記録枚数を任意に設定できる。

AF/AEが連動する「連写L」による「プロキャプチャー連写L(ProCap L)」では10〜18コマ/秒、AF/AEが固定される「連写H」による「プロキャプチャー連写H(ProCap H)」では15〜60コマ/秒の高速連写が可能。高速シャッター、高速連写による撮影なので、十分な光量のある条件での撮影が前提になる。絞りは開放からF8.0までに制限される(「プロキャプチャー連写L」の場合)が、被写界深度を稼ぎたいので、絞って撮影するようにするのが望ましい。

「プロキャプチャー連写H」は、連写速度は速いが、AF/AEが固定される(C-AFに設定していてもS-AFになる)ので、小型の鳥が横方向に飛び出すようなシーンで使うのがベスト。カワセミやカラ類などが枝から飛び立つ瞬間を30コマ/秒、60コマ/秒で狙えば、翼を広げる瞬間、脚が枝から離れる瞬間も撮れるはず。一方、「プロキャプチャー連写L」はAF/AEが連動するので、野鳥がこちらに向かって飛び立つシーンや、サギ類やカモ類など大きい鳥を狙う場合に効果的。小型の鳥の羽ばたきを完全に止めて撮りたい場合は1/8000秒以上、大型の鳥であれば1/1000秒以上で撮りたい。なお、シャッター速度が遅いと連写速度が遅くなるので、注意したい。

梅の花から花へと花蜜を求めて跳び回るメジロが羽ばたく瞬間を狙った。野鳥が飛び立つ瞬間(飛び出し)を捉えるのは非常に難しいが、プロキャプチャーモードを使うと、絶好の瞬間をゲットできる確率が高まる。野鳥が横方向に飛び出す場合、ピントは固定でもいいので、「プロキャプチャー連写H」を使用。

「プロキャプチャー連写H」の設定は、カスタムメニューの「C1 レリーズ/連写/手ぶれ」にある「連写H設定」から行う。連写速度は、15fps、20fps、30fps、60fpsの4種類。プリ連写枚数は、2回目のレリーズから何枚遡って記録する枚数を設定する。最大14枚記録できる。枚数リミッターはプリ連写を含め、何枚連写するか設定する。特別な意図がない限り、OFFでよい。

アオサギが飛び立ちそうな気配を見せたので、「プロキャプチャー連写L」で撮影。C-AFが使えるので、飛び去ろうとする鳥やこちらに向かって飛び出すような場合に有効だ。「プロキャプチャー連写H」より連写速度は遅いが、最高18コマ/秒で撮れる。

「プロキャプチャー連写L」の設定は、カスタムメニューの「C1 レリーズ/連写/手ぶれ」にある「連写L設定」から行う。連写速度は、10fps、15fps、18fpsの3種類。プリ連写枚数は、2回目のレリーズから何枚遡って記録する枚数を設定する。最大14枚記録できる。枚数リミッターはプリ連写を含め、何枚連写するか設定する。特別な意図がない限り、OFFでよい。

セッカがとまっている草から飛び立つ様子をサイドから「プロキャプチャー連写H」で撮影。連写速度は30fps。撮り始めてから画面の外へ消えるまで24枚連写した画像を動画に変換した。鳥の姿が小さいので、映像には800万画素サイズにクロップした動画も収めている。