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フォトグラファー 柏倉陽介:Tough×PEAKS 防水&タフなコンパクトで屋久島の森を撮る コンパクトカメラの機動性は、一眼レフには望めない最大の持ち味。オリンパス タフ TG-810を雨季真っ最中の屋久島に持ち込んで、ハードな環境での撮影の可能性を探ってみた。 写真と文 柏倉陽介

別冊PEAKS 山岳写真塾でのTG-810に関する記事をご紹介します。

屋久島撮影ルート

月に35日も雨が降ると言われるほど、屋久島の降水量はすさまじい。精密機器であるカメラなんて、半日で壊れるんじゃないかと不安になる。自然界の撮影はカメラにとって最悪なコンディションばかりだ。雨、湿気、埃、衝撃。故障の原因はどこにでもある。人間の注意力も要因の一つ。時間が経つにつれ「まあ、いいか」と扱いが雑になる。だから、カメラを丸一年壊さないでいるのはなかなかに難しい。

レインウェアのポケットから、今回テストするTG-810を取り出す。すでに屋久島らしい大雨に降られ、何もかもが濡れてしまっている。ふやけた手で恐る恐る電源を押す。問題なく作動。プレビュー画面を映し出したまま、足元の水に浸してみたが壊れる様子はない。試しに地面に叩きつけてみようかと思ったが、前後の登山客の目を気にして断念。そこまですることもないだろう。

何度かポケットから出し入れするうち、開閉式のレンズ保護シャッターが意外に便利だと知った。レンズが小さくなるほどに、ゴミが付着すると画像に大きく写り込んでしまいやすいが、レンズそのものを保護してくれるおかげで、ポケット内のゴミが付着しにくいのだ。レンズ周辺のプロテクト構造も、撮影中の雨水の付着を抑えているようだ。防水や耐衝撃に特化したコンパクトカメラだが、こうした細かなポイントも自然撮影でのストレスを大幅に軽減させてくれる。何よりも、ポケットに入れて歩ける自由度が最高だ。重い機材を守り、運ぶという宿命からの開放感を味わった。
どしゃ降りの中を夢中で歩き続け、川と化した登山道を写してみようと電源を入れてみる。故障なし。持ち主が寒さで凍えても、それをあざ笑うように動き続けるカメラである。

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屋久島の名所である白谷雲水峡の苔の森。落ち着いた色あいの苔のうえに、
雨が音もなく降り注いでいる。

[機種名]OLYMPUS Tough TG-810
[画角]28mm
[撮影モード]ノーマルプログラム
[ホワイトバランス]自動
[シャッタースピード]1/25秒F3.9
[ISO感度]200
[露出補正]-2.00EV

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雨が降り、水が流れる。その狭間に樹々が命を宿していく。水は屋久島を撮影するにあたって重要なキーワード。その存在を全面に写し出すためには、水面ギリギリのローアングルから狙うのがより効果的

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コケから水がしたたり落ちそうな様子。マクロ撮影ならではという世界が広がっている。手ぶれ補正をオンにし、高感度ISO800に設定。カメラを持つ手を近くの石に置いて、さらにブレを抑えるよう工夫した。

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エリア内のいたる所でみかける道標。習慣的に撮っておくと、万が一、道に迷った時にも情報になる。登山道は整備されているが、撮影に夢中になって道を外れないように気をつけたい。とくにコケを踏まぬよう注意も。

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白谷雲水峡の巨木、七本杉。見上げてみても全容が掴めないほど大きい。空に突き上がる樹の生命力を感じてもらえるよう全体をワイドで写すことにした。空が明る過ぎるので、露出補正をプラスに設定。

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樹々も岩も境目なく、緑のコケが視界のすべてを覆い尽くしている。森の緑色は、思ったより明るめに写ってしまう。そこで、露出補正を暗めに設定することで、緑をより濃く鮮やかに写すことが出来る。

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木の枝にカメラを固定して、セルフタイマーで自分自身を撮ってみた。いわゆる記録写真だが、後に良い思い出になることも。タフなTG-810だから、枝から落としても安心。

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太鼓岩より。白谷雲水峡を抜け、峠から急登をわずか10分で、この絶景ポイントに到着する。眼下に広がるのは、見渡す限りの緑。ここでGPS機能をオンにして、撮影ポイントが屋久島のどこになるのか好奇心で記録してみた。

今回のフォトグラファー

柏倉陽介 かしわくらようすけ

フォトグラファー。山岳からアウトドア、人物撮影に定評があり、ネイチャーフォトで海外受賞歴もある。職業がら、いつも雨対策には悩まされているが、今回はその心配は不要なので、思う存分、屋久島を楽しめたようだ。

今回使用したカメラ

GPSに電子コンパスフィールド情報も

GPS機能をオンにすれば、その場の緯度経度情報を表示し、撮った写真にも自動的に保存。付属の画像ソフトを使って画面の地図上で撮影ポイントをチェックできる。また、電子コンパスは主電源OFF時でも使用できる。

OLYMPUS Tough TG-810

Toughシリーズの最高峰。
防水10m、耐衝撃2m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃という高性能。野外でも見やすい液晶モニターやハイビジョン動画も。サブ機としても最適な1台。

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