OM-Dで撮る京都の四季

正月(冬)

山門に掲揚された日章旗。しかも背景は初雪で真っ白です。これぞ日本のお正月ですよね。かつてお正月の三が日に連日雪が降った年がありました。家族とのお祝膳も食べずに飛び出すときに写真家になった悲哀を感じますが、良い写真が撮れた時にはそのような苦労をすべて忘れてしまいます。岩倉の実相院で撮影しました。

祇園の老舗、中村楼の正月飾り。客に挨拶する着物の女性が立派な門松に挨拶をしているようで微笑ましいですね。

これも祇園にある老舗料亭の幕飾り。これほどの幕飾りをする店は減りましたが、花街ではまだまだ見ることができます。

しかし京都の町家の正月飾りはこの根付き松です。神様が訪れて、幸せが根付くようにという願掛けで、根を切ることはありません。しかし地味なので作品にするには少し難しいかも。

正月飾りといえば餅花(もちばな)も京都の各所で見ることができます。最近はピンポン玉のような真ん丸い紅白の飾りが増えていますが、本来は写真のように白い餅と食紅などで赤く染めた餅を小さく切って、柳などの木の枝につけて飾るものです。八坂神社そばの二軒茶屋で撮影しました。

もし京都に滞在中に雪が降ったらそれはラッキーというほかありません。今までの経験では雪は1月から2月上旬に集中しますが、12月下旬に降る時もあります。そして洛南や洛中はめったに降らず、気温が低い洛北や山沿いの洛東では年に2~3回は雪景色を見ることができます。大原や鞍馬・貴船、高雄や上賀茂神社などです。写真は圓光寺ですが、少ない雪の時には石庭を撮れば砂の掃き目に雪が溜まって美しい雪模様を写せます。

雪の詩仙堂庭園。さすがに降雪の日は人が少なく撮影は楽なのですが、明るい雪に対して室内が暗いのでカメラに付属のフラッシュを持参しましょう。小さいフラッシュでも白い障子などには結構効果がありますよ。

今宮神社境内の参道。雨上がりの石畳が渋く光っています。観光客や花が少ない冬にこのようなカタチを撮るようにしています。それにはモノクロームがよく合うでしょ?OM-Dなら液晶画面で確認しながら写せるので狙い通りに写すことができます。

宇治の万福寺大雄宝殿の内部。窓と木像がシルエットになり、まさにモノトーンの世界です。色のない冬は色のない写真を撮るべきだよ、と木像が教えてくれているようです。

まとめ

以上E-M1やE-M1 Mark IIにいろいろなレンズをつけて見てきましたが、各レンズにはそれぞれの良さがあります。要はどのような被写体を撮りたいのかで、1~2本のレンズに絞って出かけましょう。
日本には四季があるおかげでこれだけ変化に富んだ写真が写せます。特に長く都があった京都には、他の都市にはない独特の風情がありますので、それをOM-Dで切り取って傑作をものにしてください。