星、生き物、水。OM-D E-M1 Mark IIIで撮る日本とアラスカ

生き物、夜の撮影も手持ちで

片手で取りまわせるコンパクトなボディーと、バリアングル背面モニター、そして今回搭載されたマルチセレクターのおかげで、「ファインダーに自分の目をつけた状態でシャッターを切る」という従来の撮影スタイルから、さらに解放されることになりました。マルチセレクターでAFターゲットの移動がより素早く直感的に動かせるので、C-AFを使って右手だけでピントは常に合わせつつ、背面モニターで時折フレーミングさえ確認していれば、ファインダーを覗かずに自分の目で生き物の様子を直接見ながら撮ることができるのです。それが生んだアドバンテージが、生き物の自然な表情に”気づく”ということ。私からするとこれは撮影そのものより大事なこと。これはまさにオリンパスの機動性の賜物です。その世界最高峰の機動性に、最大7段分という最強の手ブレ補正を組み合わせれば、動きが早い&読みにくい生き物の撮影だけでなく、暗いシチュエーションでの撮影も、すべて手持ちで、撮ることができてしまうのです。

自然の中にある自然な色あいが思い通りに表現できるのがオリンパスのレンズの気に入っているところ。

夜の北アルプス山中にて。月の光が作る影に抱いた感動をそのままに表現できます。もちろん手持ちで撮っています。息が切れているときですが、1/3秒で3枚撮って2枚止まっていました。

夜のお散歩で見る、田舎のまちかど。我々が日常で見るあらゆる時間帯の光景をスナップ感覚で写せます。遠くに見える山も肉眼と同じように写っています。

氷ゆく川の内部の写真です。体ごと行くと氷の下に流されかねないので、安全を確保した状態で目一杯手を伸ばして撮影。バリアングル背面モニターなくしては撮れないカットでした。

アラスカの森の奥深くで出会ったムースの親子。極寒の中よくもめげずに生きているものです。E-M1 Mark IIIは耐低温は-10度までを謳っていますが、体感的には-25度までは問題なく稼働します。少しレスポンスが遅くなりましたが、-37度でもほぼいつも通り動きました。しかし正直なところ、そこまでの低温になるとバッテリーは普段の半分くらいしか使えません。

すっかり暗くなるまで撮影させもらい、別れ際に見せてくれた穏やかな瞳を撮りました。今までは、「もう暗いから」と諦めていた写真が撮れるように。いえ、むしろ暗くなりかけたときの光が被写体に美しい光を纏わせることもあります。

E-M1 Mark IIIが写真ライフにもたらすもの

E-M1 Mark IIとE-M1X。その両方のボディーの良いとこ取りプラスα(αどころのプラスではないですが)なのがE-M1 Mark IIIです。E-M1 Mark IIIを使っていて思うことは、過去行ったことのある場所も含めて「色々なところに行きたくなる」ということ。それはきっと、このカメラと共にその光景を見たらどう見えるかな、もう一度撮ってみたらどうなるかな、というワクワク感からくるのでしょう。
高い機動性と機能性は、写真初心者はもちろんのこと、数十年携わっている人にまで新たなインスピレーションを与え写真の楽しみを再確認させてくれるはずです。写真が「豊かな人生」への気づきをくれたら、と思っている私としては、E-M1 Mark IIIは現代の”理想のカメラ”と言えます。