OM-D で花火を撮る

「花火」と聞くと「夏」をイメージする人が多いと思いますが、日本では春夏秋冬どこかで花火は上がっています。花火はいつでも楽しめる被写体なのです。花火には様々な大きさ、形、色、明るさがあります。ここでは花火を撮る時のカメラの設定と一緒に、花火の特徴についても簡単にお伝えいたします。花火の事が分かってくるとより花火撮影が楽しくなります。(写真家 金武 武)

花火撮影に必要な機材は?

どんなカメラが良いのか?

マニュアル露出で撮影でき、リモートケーブルまたはスマートフォンでカメラの操作ができる機種が良いです。ダイナミックレンジの広いOM-D E-M1 Mark IIは明るい花火を撮っても露出オーバーが抑えられるため、花火の撮影に適しています。また、PEN-Fはカメラに内蔵された「カラープロファイル(色の微調整機能)」とWBを組み合わせると、見た目に近い色で花火を撮る事ができオススメです。

レンズは?

花火の種類や大きさ、花火までの撮影距離によってレンズを選びます。またどんなイメージの写真が撮りたいのか?によっても変わってきます。例えば、花火と風景を撮りたい場合には広角レンズが必要になるでしょう。または花火をアップで撮りたい場合には望遠レンズが必要になります。私の経験上、一般的な花火大会で観覧席で撮影する場合には、広角ズームレンズ7-14mm F2.8 PROと、標準ズームレンズ12-40mm F2.8 PROの2本で殆どの花火が撮れます。もし、花火の種類や距離が分からない場合には、まずは標準ズームレンズで撮ってみてはいかがでしょうか?花火大会は短くて20分間、長いと2時間ほど行われます。途中でレンズ交換する余裕はあります。

必要なアクセサリーや備品は?

リモートケーブルかスマートフォンを用意しましょう。花火の撮影は長秒撮影(長時間露光)を行います。カメラのシャッターボタンを指で押すと手の振動でブレてしまいます。リモートケーブルやスマートフォンを使用して撮影すればブレが防げます。

  • リモートケーブル

三脚

長秒撮影(長時間露光)を行うため、三脚は必需品です。一般的に花火撮影では大きく重い三脚をオススメしますが、OLYMPUSのカメラは小さくて軽量なので中型三脚でも大丈夫です。座って撮影するならば小型三脚でも撮影可能です。

  • 座って撮影している様子

NDフィルター

花火はとても明るい被写体です。ISOと絞りとシャッターのタイミングを工夫しても露出オーバーになってしまう花火が沢山あります。NDフィルターを装着しておけば適正露出で撮れる花火が格段に増えます。OLYMPUSのカメラはISO感度200になるのでND8フィルターが丁度良いです。
※NDフィルターとは、レンズの前に装着し光を減らすフィルターです。ND2、ND4、ND8…と様々なタイプがあり被写体によって使い分けます。数字が大きくなるほど光を抑える効果が増します。
※広角レンズ7-14mm F2.8 PROに角型フィルターが装着できる専用フォルダーがNiSiから販売されています。

  • NDフィルター
  • 左:ND8フィルター 62mm径
    右:ND4フィルター 82mm径
    レンズのフィルター径に合ったタイプを選びます。

小型ライト

一般的に、打上花火は夜開催されます。撮影場所は真っ暗になる事があります。機材の操作をするときにはライトが必要です。光量の小さなヘッドライトがオススメです。

  • ヘッドライト
  • 赤いライトならば周囲へ迷惑を掛けることがありません。

他には?

レジャーシートと小型の折たたみイス。混雑している会場では座って撮影する事をオススメします。座って撮影すれば後方のお客さんの迷惑になりません。また、シートや小型折たたみイスがあれば長い待ち時間も快適です。

  • 折たたみイスとシート
  • 座って撮影するならば小型三脚でも大丈夫です。