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写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROで撮影した星空の写真1

OM SYSTEMで冬の星空を撮りに出かけよう

北山 輝泰

撮影・解説 : 星景写真家 北山 輝泰

Official Home Page:Starry Works

2022年11月公開

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レンズをご紹介

この記事について

みなさん、こんにちは。星景写真家の北山です。この記事では、星景写真で撮るべき「星空」の情報を季節ごとにお伝えしています。今回は、冬に撮るべき星空についてご紹介いたします。みなさんもOM SYSTEMを持って、星空の下へ出かけましょう!

星座の王者とも言われる”オリオン座”

冬の星座で最も有名なものは、間違いなく「オリオン座」でしょう。まるで砂時計のような特徴的な形をしており、場所問わずどこでも簡単に見つけることができます。オリオンとは、ギリシャ神話に登場する狩人オリオンのことですが、女神アルテミスとの恋物語は大変有名な話ですので、プラネタリウムなどで聞いたという方も多いのではないでしょうか。このオリオンの右肩部分には、超新星爆発をすると言われているベテルギウスがあり、赤い色で輝いているのが特徴的です。オリオン座の中心には縦に三つ星が並んでいますが、ちょうど狩人オリオンの腰のあたりに位置していることもあり、オリオンのベルトなどとも呼ばれています。この三つ星は特徴的な並びであるため、昔から様々な名前で呼ばれています。例えば、三つの星が連なっていることから「みつらぼし」。川で魚を取る時に使う、先端がフォークのような形状で柄がついている“かなつき”という道具から「かなつきぼし」などと呼ばれることもあります。ちなみに、日本の家紋にある「三つ星」は、このオリオン座の三つ星からきています。

オリオン座はほぼ真東から昇ってくるため、弧を描かず直線状に昇ってきます。そのため、地平線から離れすぎていないタイミングでライブコンポジット機能を使った撮影をすれば、綺麗な直線の光跡を残すことができます。ライブコンポジット撮影時間を長くしすぎると、星の位置関係が分かりにくくなってしまうため、15分から30分を目安に撮影するのがよいでしょう。標準から望遠レンズで撮影をする場合はさらに撮影時間を短くしても大丈夫です。

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROで撮影した星空の写真1

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
16mm相当※
Mモード F1.8 15秒 ISO 3200 ±0.0EV

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROで撮影した星空の写真2

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
34mm相当※
Mモード F2.8 13秒 ISO 1600 ±0.0EV

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROで撮影した星空の写真3

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当※
Mモード F2.8 2秒 ISO 800 ±0.0EV
ライブコンポジット647コマ

冬の星は明るい星がたくさん

オリオン座周辺の星に目をやると、明るい星がたくさん目に飛び込んできます。星の明るさは等級で表されますが、一等星以上の明るい星のうち、日本で見られるものがおよそ16個あり、そのうち冬に見られるものは8個もあります(※カノープスは見られない地域もあり)。明るい星が同じ方向にぎゅっと集まっているため、冬は星が綺麗とも言われるのでしょう。この冬の星座の明るい星を繋いでいくと「冬のダイヤモンド」と呼ばれる大きな六角形が出来上がります(※ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックスを繋ぐ)。

冬のダイヤモンドと呼ばれる六角形のイメージ画像

冬のダイヤモンドと呼ばれる六角形

冬のダイヤモンドが揃うタイミングの目安は、おおいぬ座のシリウスが昇ってきてからになりますが、星たちが空高く昇ってしまうと、地上風景と一緒に撮影するのが画角的に困難になります。そのため、星景写真的に撮影する場合は、シリウスが見えたタイミングでなるべく早めに撮影する必要があります。その際、カメラモニターのライブビュー画面を見ながら、全ての星が漏れなく収まっていることを確認するようにしましょう。少しでも余裕を持って撮影したい場合は魚眼レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」で、縦構図でも構わない場合は広角レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」の広角側を使って撮影するのがよいでしょう。

ちなみに、2022年の冬はこの「冬のダイヤモンド」の中に火星が飛び込んでくるため、一際賑やかな星空になるでしょう。

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROで撮影した星空の写真4

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
16mm相当※
Mモード F1.8 10秒 ISO 1600 ±0.0EV

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROで撮影した星空の写真5

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
16mm相当※
Mモード F4.0 60秒 ISO 3200 ±0.0EV

ふたご座流星群を撮影しよう

毎年、年末の天文現象として話題になるのが「ふたご座流星群」です。年間を通していくつかある流星群の中でも、12月のふたご座流星群はハズレなしと言われるほど安定して見ることができます。流星を少しでも多く観察・撮影するためには、
①月明かりがないこと
②流星が多く流れる時間の目安になる「極大時刻」が夜から深夜であること
の二つの条件が重要になりますが、その年毎に条件は変わりますので都度確認するようにしましょう。ちなみに2022年は、流星が最も流れる日が12月14日(水)で、極大時刻は22時と悪くありませんが、ふたご座が昇ってからそれを追いかけるように半月より太い明るい月が昇ってくるため、全体的な流星数は少なめの予報になっています。とはいえ、流星はどこに流れるか分かりませんので、月がない西の方角を撮影するなどしてひとつでも多く撮影できるよう工夫をしましょう。

より多くの流星を撮影するためには、空の広範囲を撮影できる「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」などの超広角レンズが必要になります。その上で、カメラ内のインターバル撮影機能などを併用して、一定間隔でたくさんの写真を撮影し続けるようにしましょう。長時間撮影をする上では、レンズを露や霜から守るレンズヒーターや、それを駆動するためのモバイルバッテリーなどの関連機材も必要になります。さらには、カメラのバッテリーの予備も2個から3個ほど準備をすると安心でしょう。冬の寒い中での撮影になりますので、撮影される皆様の防寒も大変重要になってきます。特に寒さは手足からやってきますので、厚手のグローブや靴下などを準備した上で臨むようにしましょう。

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROで撮影した星空の写真6

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
16mm相当※
Mモード F2.8 15秒 ISO 1600 ±0.0EV

写真家北山輝泰がM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROで撮影した星空の写真7

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
14mm相当※
Mモード F2.8 30秒 ISO 1600 ±0.0EV

まとめ

今回は星座の中でも最も有名な、冬の星座の「オリオン座」とその周辺の星々を繋いで作る「冬のダイヤモンド」。そして、流星群の中でも安定した出現数を誇る「ふたご座流星群」をご紹介いたしました。OM SYSTEMの機動力を生かして、みなさんも色々な場所で星空撮影に挑戦してみてくださいね!星景写真家の北山でした。またお会いしましょう!

※35mm判換算焦点距離

北山 輝泰

北山 輝泰(きたやま てるやす)

1986年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中、授業で天体望遠鏡を 使った撮影を行なったことがきっかけで、宇宙への興味関心が強まる。卒業後、福島 県鮫川村に移住し、村営の天文台で星空のインストラクターをしながら、本格的に天 体写真と星景写真を撮り始める。その後、天体望遠鏡メーカーに就職。2017年に星 景写真家として独立をし、国内、海外問わず、各地で星空の撮影を行っている。また、天文雑誌「星ナビ」のライターとして、定期的に執筆活動も行なっている。オーロラ、皆既月食、皆既日食など様々な天文現象を見て行く中で、この感動をより多くの人と共有していきたいという想いを持ち、2018年に「NIGHT PHOTO TOURS」を立ち上げる。自身が代表を務める傍ら、講師として、夜をテーマにした様々な撮影ワークショップを企画・運営している。

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