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タフシリーズにまつわる、エピソードを紹介:Toughストーリー

タフ 誕生秘話 開発者の熱い思いから始まった、OLYMPUS Toughシリーズ誕生の道。

商品化決定 μ720SW誕生

企画部門からも賛同者が

最初は否定的だった商品企画部門も、商品のカタチが洗練され煮詰まってくる頃には賛同者も現れはじめてきた。そして遂に商品化することが決定された。名前はμ720SW。
SWの意味はShock & Waterproofの頭文字だ。こうして、タフなデジタルカメラSWシリーズの開発が正式にスタートした。

※μSWシリーズはμToughシリーズの前身

仕事は楽しむ 妥協はしない

商品化が決定しても開発メンバーのトライ&エラーは終わりそうにない。「タフであることを言い訳にしない」ということを、開発コンセプトとして新たに掲げていたからだ。
「タフなのだからマイクもスピーカーもついていない」といった言い訳は自らが許さない。今やデジタルカメラには必須となったマイクとスピーカー、搭載するためには音を通すための穴がボディに必要となる。穴があれば当然、水が入ってもおかしくないのだが、防水透湿素材のシートを使用して幕を張る。従来のμはこの方法で生活防水を実現してきた。しかし、海に潜れるレベルの防水を実現するためには、さらに高い耐水圧のシートが必要となる。ところが耐水圧を上げ過ぎると、今度は空気が通りにくくなるので音も伝わりにくい。これら矛盾する問題を何度も何度もトライ&エラーを繰り返して、最適化を図ったのである。

ノウハウの集積「防水技術」ノウハウの集積「防水技術」
防水を実現する素材が複雑に張り巡らされ、しっかりとガード。
前面と背面はOリングにより密閉されており、防水プロテクターからのノウハウが活かされている。

防水+耐衝撃とくれば次は防塵

また、防水+耐衝撃とくれば砂浜での使用も想定しなければならない。本来、カメラなどの精密機器にとって砂は一番の大敵だ。普通のデジタルカメラにはレンズを保護する目的でレンズバリヤーがついていることが多い。ところが、この部分に砂がつくとバリヤーを開閉させた際に、砂が噛んで正常な動きができなくなってしまう。レンズの手前には傷のつかない硬質ガラスを使用することもできる訳だから、レンズバリヤーをなくすことも可能だ。また、防水カメラを使うユーザーからは「防水カメラにバリヤーはいらない。むしろ邪魔」という意見さえあった。しかし、レンズバリヤーがないカメラの場合、どうしてもレンズ表面が指紋などで汚れてしまう。ふき取れば落ちる汚れではあるが、森はレンズバリヤーにこだわった。
砂が噛んでも正常に動くようにファームウェアでバリヤーを制御するのは川口の仕事だ。頑固なまでの森のこのこだわりに対して、川口はひたむきさで応えた。川口も決して妥協を許さない性格であると同時に、誰も考えもしなかったカメラを産み出せるこの仕事を心底楽しんでいたからだ。