中野耕志OM-Dと旅する世界の野鳥

OM-Dシステムの機動力を生かして、写真家・中野耕志が世界を旅しながら野鳥撮影を楽しむ本企画「OM-Dと旅する世界の野鳥」。
計4回にわたって作品を紹介してまいります。中野耕志が撮る世界の野鳥をお楽しみください。

第三回 オーストラリア

苔むした倒木にとまるピンクロビン。今回は同じエリアで3種のオーストラリアンロビンを撮影することができた。

こちらはピンクロビンの近縁種であるローズロビン(Rose Robin)。和名をハイイイロサンショクヒタキという。

こちらはフレームロビン(Flame Robin)。和名はノドアカサンショクヒタキ。

美しい青い小鳥にも出会った。ルリオーストラリアムシクイである。当地では比較的よく見かける鳥ではあるが、尾羽をピンと上げたポーズがとても可愛らしい小鳥だ。草地から海岸に降りては、小さな餌をついばんでいた。

ルリオーストラリアムシクイのメス。オスより地味な色彩だが、可愛らしさは変わらない。オーストラリアムシクイの仲間は英名フェアリーレン(Fairy-wren:妖精のようなミソサザイ)といい、10種類ほどが知られているがどの種も妖精のような可憐さがにじみ出ている。

国立公園内を車でゆっくり流していると、ユーカリの木の上でコアラを見つけた。コアラは枝を移動しながら葉を食べるので、その都度三脚を立てているとシャッターチャンスを逃してしまう。ここでも手持ち撮影のアドバンテージを実感した。

世界一大きなカワセミとして知られるワライカワセミ。全長46cmと、ハトよりも大きい。オーストラリアではちょっとした林のある公園などでも見られるし、なんといっても大きく目立つので比較的撮影しやすい鳥だ。

3枚の写真は、同じ場所からレンズの焦点距離を変えたときの画角の比較。1枚目は300mm単体で600mm相当(35mm判換算)、2枚目は300mmに1.4倍テレコンバーターを組み合わせて840mm相当(35mm判換算)、3枚目は300mmに2倍テレコンバーターを組み合わせて1200mm相当(35mm判換算)での作例。野鳥撮影では焦点距離が長いほど撮影チャンスが増えるが、そのぶん開放F値が暗くなりシャッター速度が低下することでカメラブレ・被写体ブレの原因にもなるので、撮影状況に応じて最適な撮影システムを選択したい。