萩原 史郎の

名もなき片隅の小景 ~秋~

スケールの大きな絶景より、足元の小さな風景を表現するほうが性に合っている。絶景は決して嫌いではないし、いざそれを前にすればワクワクしながらシャッターを切っている自分がいるのだけれど、気持ちがかみ合うのは明らかに後者である。紅葉もご多分に漏れず、10月に撮れる高山帯の有名風景よりも、11月後半から12月にかけて里へ下りてきた無名の紅葉を強く求めてしまう。
今回の作品もそういった類のもので、撮影場所は都内の公園である。それも大規模な公園ではなく、中規模の公園(石神井公園)のごく一角で撮影している。ここはホームグラウンドのようにしている場所で、自宅から近いので天候に合わせて足繁く通えることが最大のメリット。カメラを構える人はほとんどいないので、心ゆくまで被写体と対峙できることも、ここを選ぶ理由の1つである。

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